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6 美緒の場合
3 見せてください
しおりを挟む私はゆっくりと静かに深呼吸をした。
狭まっていた視界がクリアになって、ますます立木さんに集中する。
「――毎日ランジェリーなんですか? それとも今日だけ?」
ビクッと立木さんが震えた。
「ま、毎日……です」
この人は認めてもらいたいのかな。それとも罵られたいのかな。どっちだろう。
私はどっちでもいい。こんなイケメンがランジェリー着けて私をうかがってる状態だけで満足。ヤバイ。濡れちゃう。
「今日、その格好で、声かけようとしたんですよね? タンクトップは忘れたけど、下にランジェリーはつけたままで……私に、声を?」
ゆっくりと胸元から視線を上げ、立木さんと目を合わせる。
目がうるみ、少しおびえているみたいに見える。なのにちょっとだけ期待してる目。
それがコクンとうなずく。
なにそれかわいい。
「それって、私に見せたかったってことですよね? じゃあ、見せてください」
心臓バクバク言ってるのに、なに私のこのはっちゃけ具合。でも言葉も欲望も止まらないんだもん!
正座の膝を握りしめ、目のうるうるが増した。あーかわいい吸いたい。
立木さんの呼吸が浅くなってる。私も浅くなりがちなのを、肩で呼吸してなだめる。
「――脱いで?」
またひとつビクッと震えてから、おずおずと立木さんは脱ぎ始めた。
はぁ~……いつ見ても良い体。こんなにまじまじ見られる日が来るなんて。
軽いワイシャツ焼けしかしてない体に黒のランジェリーが映える――ってレーシィどころかシースルーじゃないですかぁっ。
「し、下も、です」
さりげなく腕でブラ胸を隠して色気を駄々漏らしていた立木さんを叱咤する。
断じてシースルーに動揺してではない。心臓が痛い。
顔どころか、全身までほんのり赤く染めた立木さんが膝立ちになり、トレーニングパンツのウエストを引っ張りながらそうっと下ろした。
見事なテントが張っていた。
とりあえず良かった。下はシースルーじゃなくて。ただのレーシィで。
立木さんはお尻を床につけ、ズボンの残りを抜き取ろうとする。
局部は一応シースルーじゃないことに安堵してからのまさかのタンガァァァアア!!
私の内心の動揺をよそに、立木さんは靴下も脱いでまた正座をした。もう全身真っ赤だ。
「本当に、上下おそろいのランジェリーなんですね……」
立木さんは嬉し恥ずかし顔でうつむいた。あーもーなにそれ超かわいい。そしてタンガの前張りが、グッと揺れたのも見逃さなかった。
「それも着心地、いいですか?」
立木さんは耳を真っ赤にして、小さくコクンとうなづく。
下のサテンとレースのテントもグッと揺れた。
そしてなんだか、ウエストのゴム部分に隙間あいてない? ビキニ前張りのVラインの縁のレースは浮いている。間接照明だからよく見えない。
よくは見えないんだけど……おっきくない? あんなもの? ビキニタイプを穿いた屹立なんて見たことないから大きさがつかめない。
動揺を隠して声を発する。
「運動するとき、こすれませんか?」
「ジムでは、スポーツウェアに着替えるから……」
「そうですよね。それで運動したら、こすれて勃っちゃいますもんね」
ビクッと下のテントが返事した。そうしてますますウエストとパンツの隙間が開く。楽しい。
私はすみずみまで視姦した。
見事な筋肉に純黒ランジェリーが卑猥すぎる。なんて倒錯的で美しいんだろう。
「茅花、さん……」
「はい」
「ほ、本当に、引いてないですか」
「はい。とっても奇麗ですよ」
そっと立って立木さんの背後に回り、つうっと肩紐をなぞる。
立木さんはビクッと体を震わせて、ますますテントを膨らませる。
「そして、とっても似合っています」
真っ赤な耳にささやき、立木さんの手をそっと取って引っ張った。
私の意を汲んでくれた立木さんは立ち上がり、私に引かれるまま隣室へのドアの前に立つ。
隣室へのドアは、一面の鏡になっていたからだ。
「ほら。ご自分でも見てみてください。とっても、似合っているでしょう?」
全身真っ赤な立木さんがホントかわいい。
「この見事な大胸筋を、一見頼りないブラが、しっかり支えてくれているんですね」
そっと大胸筋の下乳をなぞる。立木さんが息を詰めた。
そのまま下からすくい上げるように手を添える。
本当は後ろから両乳そうしたいんだけど、立木さんの筋肉量があるのと、私の乳肉量と身長差があるので、手が届いてもマヌケな絵面になりそうだから控えた。座らせればいけるか。
手のひらに、ツンと立ち上がった乳首がレース越しに当たる。
「んっ……」
「ね? どうですか? 私が言ったこと、本当でしょう?」
ブラのふちを指でなぞっていく。私の指に合わせて立木さんが息を荒げたり詰めるのが、まるで喘ぎ声みたいでゾクゾクする。
タンガを上からのぞくと、やっぱりゴム部分と腰にかなりの隙間ができていた。女性用だったらきっとブツを隠し切れなかっただろうけど、これはしっかり男性用だから前布に余裕を持たせてあって、かろうじてブツは隠れている。もちろん袋も。
フィットネス用じゃないと言っても、男性用ではあるんですね。タンガだけど。レースだけど。
照明がもっと明るかったら隙間から見えてたと思う。
表情はとっても堕ちているのに、唇を噛み、言葉には出してくれない立木さんを追い詰めていく。
「そうは思いませんか? 本当は、そう思ってるから、ここと――ここをこんなに勃たせてるんじゃないんですか?」
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