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第6話:花嫁試練、言葉の刃と笑顔の毒
しおりを挟む朝は、容赦がない。
昨日の涙の跡なんて気にしない顔で、窓の向こうから白い光が差し込む。
リリアーナは薄いカーテン越しの光に目を細め、胸の上で息を整えた。
眠れたのは、ほんの少しだった。
目を閉じるたびに、玉座の間の金の瞳が浮かぶ。
「要らない」
その言葉がまだ皮膚の内側に刺さっている。抜けない棘みたいに。
それでも、朝は来る。
来てしまう。
逃げ道のない朝――その一日目が、いきなり本番だった。
「リリアーナ様。起床のお時間です」
イリスの声は変わらない。丁寧で、機械みたいに滑らか。
部屋の温度も変わらない。寒い。
「……おはよう」
リリアーナが返すと、侍女たちが一斉に動き出す。
顔を洗わせる、髪を整える、衣装を着せる。
その流れの中で、リリアーナはようやく気づく。
今日は、ただの“支度”じゃない。
“整えられる”というより、“仕上げられている”。
「……今日、何かあるの?」
問いかけると、イリスが淡々と答えた。
「花嫁候補の儀礼――試練がございます」
試練。
言葉だけで胃が縮む。
「試練って……面接みたいなやつ?」
「面接」
イリスは一瞬だけ眉を動かした。たぶんその言葉がこの世界にはない。
「審査、です。貴族夫人方が審査役として来訪されます」
「……夫人方」
リリアーナは嫌な予感しかしなかった。
“貴族の夫人”という単語には、向こうの世界の記憶がべったり貼り付いている。
笑顔の毒。
言葉の刃。
そして、息の仕方すら値踏みされる視線。
「礼儀作法、教養、魔力適性などを測定いたします」
魔力適性。
ここに来てから、何度も耳にした。
でも自分には、そんなものがある気がしない。
「魔力……私、たぶん弱いと思う」
「弱いかどうかは、審査役が決めます」
イリスは残酷なくらい正しいことを言う。
リリアーナは笑ってしまいそうになった。笑えないのに。
鏡に映った自分は、もう“令嬢”というより“展示品”だった。
淡い色のドレス。胸元の刺繍。肩にかかる薄い布。
髪は編み込まれ、首筋が綺麗に見えるように整えられている。
――見せるための自分。
判断されるための自分。
リリアーナは喉を鳴らした。
「……じゃあ、行くしかないね」
「はい」
扉が開き、護衛が二人つく。
レオンハルトはいない。
そのことに少しだけ安心して、少しだけ寂しい自分に気づいて、リリアーナは嫌になった。
***
試練の場は、白い広間だった。
神殿の白と似ているのに、ここは神聖じゃない。
白い壁に、金の装飾。
床に敷かれた絨毯は赤く、まるで“ここから先は血の匂いがします”と宣言しているみたいだった。
広間の奥に、椅子がずらりと並ぶ。
そこに座っているのは、貴族夫人たち。
年齢は様々。三十代から五十代、もっと上もいる。
でも共通しているのは、全員の背筋が凍るほど伸びていることと、笑顔が一ミリも温かくないこと。
リリアーナは、足元が遠くなる感覚を覚えた。
向こうの世界の舞踏会の空気が、ここでも再現される。
「花嫁候補、リリアーナ・アルフェン」
進行役の侍従が高く告げる。
夫人たちの視線が一斉に刺さった。
肌がひりつく。
針の束に、真っ直ぐ立たされているみたいだ。
その時、壁際に立つ影が目に入った。
黒い鎧。整った姿勢。
――レオンハルトだ。
護衛の仕事として立っているだけ。
そう自分に言い聞かせても、リリアーナの心は少しだけ落ち着いた。
誰かが見ている。
敵じゃない誰かが。
夫人の一人が、扇子を軽く開いた。
爪が美しく磨かれている。
その爪が、まるで刃の先みたいに見えた。
「では、始めましょうか」
声は優雅。
でも中身は空っぽ。
空っぽだからこそ、何でも切れる。
「まずは礼儀作法。歩き方、礼、言葉遣い。花嫁候補として相応しいかを見ます」
リリアーナは一礼した。
昨日まで何度も練習させられた礼。
頭を下げる角度、肩の落とし方、呼吸のタイミング。
身体に染み込ませた動き。
「……よろしいわ。次」
夫人たちが囁き合う。
笑っているようで、笑っていない。
褒めているようで、褒めていない。
次は教養。
歴史、詩、礼拝の作法、各国の慣習。
リリアーナは、分からない部分もあった。
でも“分からない”と言い切らず、観察で補う。
質問の意図を読む。
相手が何を期待しているかを読む。
向こうの世界で、何度も何度もやってきたことだ。
あの舞踏会の笑顔の下で、生き延びるために学んだ技術。
「……あなた、案外、頭は回るのね」
夫人の一人が笑った。
その笑みは褒め言葉じゃない。
“案外”が毒だ。
リリアーナは微笑んだ。
笑顔で返す。
毒には毒で返さない。今はまだ。
「恐れ入ります」
心の中でだけ呟く。
――この程度で折れるわけないでしょ。
そして、魔力適性。
広間の中央に、透明な水晶球が置かれた。
手を触れ、魔力の流れを見るらしい。
「触れなさい」
命令。
夫人の声は柔らかいのに、拒否できない圧がある。
リリアーナはゆっくり近づいた。
水晶球は冷たい光を抱えている。
触れる前から、手首の紋章がひりっと熱を持った。
――嫌な予感。
手を伸ばし、水晶球に触れる。
冷たさが掌から腕へ走った。
まるで氷水に手を突っ込んだみたいに。
水晶球が薄く光る。
でも、光は弱い。
夫人たちの顔が、ほんの少しだけ変わる。
「あら……」
「弱い、わね」
囁きが刺さる。
リリアーナは唇を噛んだ。
やっぱり。
私は、この世界の“力”を持っていない。
「……魔力が弱い花嫁など、役に立ちませんこと」
誰かがわざと大きめの声で言った。
笑い声が小さく混じる。
リリアーナの胸が、ぐっと沈む。
向こうの世界で感じた、あの“価値の切り捨て”の感覚が、また来る。
でも、まだ終わりじゃない。
終わらせない。
リリアーナは水晶球から手を離し、一礼した。
「魔力は弱いようです。ですが――」
「ですが?」
夫人の一人が、にこりと笑って首を傾げる。
その仕草が可愛らしく見えるように計算され尽くしている。
可愛らしいのに、刃だ。
「魔力が弱いなら、せめて教養で補うべきですわね」
リリアーナは、次に来るものを感じ取った。
“落とす”ための質問。
恥をかかせるための罠。
夫人はわざと優しい声で言った。
「古語で答えなさい。――『門』を意味する言葉を三つ。正確に」
古語。
この世界の古語。
リリアーナの知らない領域。
周囲の空気が、悪意の色に染まるのが分かった。
夫人たちが期待する。
“ここで詰まれ”と。
リリアーナは一瞬だけ、視界が暗くなるのを感じた。
頭が真っ白になる。
喉が乾く。
吐き気が上がってくる。
――まただ。
また私は、知らない罪で裁かれる。
知らない言葉で、価値を決められる。
でも、今回は違う。
私はまだ、折れてない。
リリアーナは息を吸った。
そして、質問を“言葉の問題”として受け取らない。
これは“門”についての問いだ。
門。
母の形見の指輪。
私をここへ連れてきたもの。
――門なら、知ってる。
リリアーナは視線を上げ、夫人を見た。
「三つ、ですか」
「ええ。簡単でしょう?」
夫人の笑顔が、じわりと広がる。
“さあ恥をかけ”という笑顔。
リリアーナは、ゆっくり微笑んだ。
口角を上げる。
でもその笑みは、震えをごまかすためのものじゃない。
自分を保つための盾。
「……古語そのものは、存じません」
夫人たちが、ざわりとする。
勝ちを確信した空気。
リリアーナは続けた。
「ですが、私の母が教えてくれた童話には、こうあります」
息を吸う。
言葉に、芯を通す。
「――『門は、名で開くのではない。選ぶ心で開くのだ』」
広間の空気が、ぴたりと止まった。
夫人の笑顔が、ほんの一瞬だけ固まる。
リリアーナは、あえて“答えになっていない答え”を差し出す。
そして、その意味で勝負する。
「門を示す言葉は、国や時代で変わります。でも“門が何をするものか”は変わりません。
閉じた世界と、開かれた世界。その境界。
そして――越える者の意思」
自分の手首の紋章が熱くなる。
胸が痛い。
でも、その痛みが背中を支える。
「私は、門を越えてここに来ました。望んでいない形で。
だからこそ、“門”をただの単語として扱うことはできません。
門は、人生を変えるものです。軽い言葉ではありません」
沈黙。
夫人たちの目が、リリアーナを測り直す目に変わっていく。
意地の悪い夫人が、扇子を閉じる音が響いた。
ぱちん。
その音は、拍手ではない。
でも、場の流れが変わった合図だった。
「……あなた」
夫人は微笑んだまま言った。
「答えになっていないわ」
「ええ。答えではありません」
リリアーナははっきり頷いた。
「でも私は、“門”を三つの言葉にするなら、こう言います」
心臓が跳ねる。
でも言う。言い切る。
「――『選択』
――『覚悟』
――『帰る場所』」
最後の言葉を言った瞬間、胸の奥がきゅっと痛んだ。
帰る場所。
向こうの世界の屋敷。父。使用人。
あそこがまだ自分の帰る場所だと言い切れるのか、分からない。
でも、言葉にしたことで、涙が喉の奥に溜まった。
夫人たちは沈黙した。
嘲笑の空気が消え、代わりに――警戒が濃くなる。
この女は、思ったより折れない。
この女は、思ったより“面倒だ”。
壁際のレオンハルトが、ほんの少しだけ目を細めた。
評価する目。
“胆力がある”と測る目。
夫人の一人が、別の夫人に小声で言うのが聞こえた。
「……口が立つわね」
「魔力が弱いぶん、厄介ね」
厄介。
その言葉に、リリアーナは内心で笑った。
厄介で結構。
都合のいい人形になる気はない。
試練は続いた。
質問。礼。測定。
言葉の刃が何度も飛んでくる。
笑顔の毒が何度も塗られる。
リリアーナは、受け流した。
かわした。
時に受け止めて、折らずに返した。
でも――。
終わった瞬間、身体から力が抜けた。
広間を出て、廊下を曲がったところで、膝ががくりと折れそうになる。
リリアーナは壁に手をついた。
冷たい石が掌に吸い付く。
吐き気が胃の奥からせり上がってくる。
「……っ、う……」
呼吸が浅くなる。
視界が揺れる。
強がりの鎧が、ここで剥がれ落ちる。
遠くで足音。
誰かが近づいてくる気配。
見られたくない。
でも、身体が言うことを聞かない。
「……リリアーナ」
レオンハルトの声だった。
いつの間にか、廊下の影から出てきていた。
リリアーナは反射で背筋を伸ばそうとして――無理だった。
指先が震える。壁を掴む手が、がたがたと揺れる。
「……見ないで」
絞り出す声。
恥ずかしい。悔しい。
さっきまで堂々としていたのに、今は吐きそうで、立っていられない。
レオンハルトは少しだけ黙った。
それから、低い声で言った。
「……よくやった」
「え……」
「よくやったと言った」
褒め言葉が、こんなに信じられない音で耳に入るとは思わなかった。
リリアーナは笑うこともできず、ただ喉を鳴らした。
「……別に。勝ったわけじゃないし」
「勝ち負けの話じゃない。あの場で折れなかった。それだけで十分だ」
レオンハルトは感情を抑えた顔のまま言う。
でも、その声にはほんの少しだけ温度がある。
リリアーナは吐き気をこらえながら、小さく息を吐いた。
壁に額をつけたいくらい疲れている。
「……強がりって、簡単じゃないね」
呟くと、レオンハルトが一瞬だけ目を伏せた。
「簡単なら、誰も苦労しない」
その言葉が、なぜか胸に落ちた。
軍人の言葉は、飾りがない。
飾りがないぶん、痛いところに届く。
リリアーナは震える指先を握りしめた。
吐き気はまだ消えない。
涙も出そうだ。
でも、どこかで確かに思う。
――私、立ってる。
まだ、立ってる。
強がりは簡単じゃない。
でも、今の自分にはそれしかない。
そして、それを続けるしかない。
花嫁候補としての試練は、まだ始まったばかりなのだから。
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