追放された聖女、今では魔王の隣でティータイムを楽しんでいます

タマ マコト

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第3話 冷たい城と無愛想な主

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 黒曜石を積み上げて夜にしたみたいな城だった。近づくほど、壁は星のない空を切り取った鏡みたいに私たちを拒み、門は溶けない氷の牙を思わせた。風が吹くたび、尖塔の先で鈴のような低音が鳴る。それは多分、雪と金属のこすれ合う音。けれど耳には、遠い獣のうなりにも聞こえた。

「……帰ってきた」

 カインが低く呟く。声は石に吸われ、城は沈黙を返すだけだ。

 門が開く。鎖のきしむ音が、背骨にさざ波を立てた。中庭に踏み入れると、白い雪は急に薄くなり、代わりに黒い石畳が現れる。整っているのに、どこか荒れている。誰かが住んでいるのに、長く不在だった気配。空気は冷たいのに、古い焚き火の匂いが残っていた。

 最初に姿を現したのは、角の短い青年だった。青灰色の皮膚に銀の耳飾り。瞳は縦に細く、猫を思わせる。

「……主様?」

 その視線が、すぐ私に刺さる。警戒の匂いは、言葉より先に肌で伝わる。

「人間だ」

「主様、人間を連れて来られたのですか」

 次に現れたのは、翼を畳んだ女。黒い羽の隙間から、細い指が覗く。彼女も一瞬で私を測った。上から下まで。靴の薄さ、外套の擦り切れ、髪に残る霜。全部、弱さの目印。

「主様、城が汚れます」

 刺々しい声。私は微笑んだ。たぶん、うまくは笑えていない。

「掃除、得意です」

 女の眉が冷たく跳ねた。「は?」

「掃除、します。あと、料理も。人の口に合うかはわかりませんけど」

「人の口、ね。ここに“人”の口はないわ」

「口は口です。お腹は、お腹です」

 彼女の喉がひく、と動いた。笑いを飲み込んだのか、怒りを呑んだのか。判断がつかない。

「こいつは、俺の客だ」

 カインが面倒そうに言う。その言い方は、護りよりも、放り出すのに近い響きだったのに、不思議と空気は少し和らいだ。彼らにとって「主が言った」は、最初の壁になる。

「客だと? 人間を?」

「文句があるなら、霧に訊け」

 彼の視線が私をよぎる。命綱みたいに一瞬だけ絡んで、すぐ離れる。私は頷いた。命綱は細くても、あるだけで違う。

 城の内部は、外から見えるより広かった。黒曜の壁は光を飲み込み、廊下の松明は小さな島のように揺れる。踏みしめる床は固く、音は思ったより響く。誰のものか知らない足音が重なって、歴史は層になる。

「この部屋を使え」

 通されたのは、南の塔の一角。背の低いベッドと、小さな暖炉、扉の外には水場。窓は狭く、空は細く切り取られている。寝具は冷たいが、潔癖ではない。使われていない時間の匂いがする。

「十分です。ありがとう」

 振り返ると、カインはすでに扉から半身を出していた。去ることを先に決めている足どり。

「あの、カイン」

 彼の肩が、わずかに止まる。

「お世話になります」

「世話はしない」

「じゃあ、お邪魔します」

「……勝手にしろ」

 扉が、音も立てずに閉じた。残された部屋の寒さが、改めて骨まで届く。私は息を吐き、袖を捲り、まず窓を開けた。冷気が雪崩れ込み、背中まで刺す。だけど、空気を入れ替える必要があった。外の冬を連れてきて、内側の冬を追い出すみたいに。

 埃は少ない。けれど、手の届かないところの隅に、薄い膜が張っている。布を濡らし、拭う。拭くたびに、布は灰色を増していく。窓の桟、暖炉の縁、ベッドの下。手を動かすのは、考えるのをやめるのにちょうどいい。

 掃除をしている私を、誰かが見ていた。振り向くと、廊下の影に角の青年が立っている。腕を組み、壁にもたれて。

「人間、何してる」

「侵入者の常套手段。まず足場固め」

「冗談でごまかすな」

「じゃあ、掃除と整頓。住むには、まずここから」

 青年――あとでガルドだと知る――は鼻を鳴らす。

「城には下働きもいる。お前の仕事じゃない」

「生き残るには、私の仕事です」

「ふん」

 去っていく。去り際に、一瞬だけ視線がベッドに落ちた。布団の薄さ。私の薄さ。その二つの薄さは、同じ匂いがする。

 掃除がひと段落すると、今度は食事。台所は広いのに、人の手の温もりが少ない。鍋は重いものばかり、包丁は刃こぼれが多く、香辛料の瓶はやたらと充実している。塩、黒い粉、赤い粉、見たことのない青い粉……。

「素材は?」

 台所の隅で、羽の女――レアが脚を組んで座っていた。観察と警戒の混ざった目。

「倉庫を見なさい。肉は凍ってる。根菜は辛抱強い。穀は硬い。人間の胃は弱いんでしょう?」

「弱いです。でも、弱いから工夫します」

「ふうん。人間の工夫ね」

 倉庫は冷たかった。床に敷かれた黒い石は霜を孕み、息が白く膨らむ。吊るされた肉は獣の匂いと鉄の匂い。樽には芋のような根菜、黒褐色の穀。私は指で硬さを確かめ、鼻で香りを嗅いだ。香りは、うっすら土と甘み。使える。

 台所に戻り、火を起こす。火打石が乾いた音をたて、麻の繊維が火種になる。薪に移し、炎が小さく喉を鳴らす。音があたたかい。それだけで、指の震えが少し治まる。

「スープにします」

「つまらない」

「生きるのは、だいたい、つまらない繰り返しの集合体です」

「詩人ぶらないで」

「事実です」

 鍋に水、根菜を切って放り、乾いた肉を刻んで炒める。香辛料はほんの少し。黒い粉を指先に付け、舌の上で確認する。苦味のあとに、じわっと温かさが広がる。辛さは後から。赤い粉は即効性、青い粉はどうやら清涼。黒と赤を少しずつ。塩は最後。

 煮えていく匂いが、石の台所に滲む。レアの鼻孔がわずかに広がる。ガルドがいつのまにか戻ってきて、鍋を覗き込む。二人の視線が、鍋の表面で丸く会う。

「味見、します?」

「毒は?」

「入ってません」

 匙に掬って差し出す。ガルドは露骨に躊躇い、レアが先に口へ運んだ。羽根がわずかに震える。

「……食べられる」

「それは褒め言葉?」

「人間のわりに、という意味」

「十分です」

 スープは大鍋いっぱいにして、兵の食堂へ運んだ。最初は誰も近づかない。人間の作ったもの、というラベルは便利に恐怖を煽る。私は鍋の前に立ち、よそい、置いた。湯気が立ち上る。匂いは正直だ。腹が鳴る音が、あちこちでこっそり響いた。

 最初の一杯を手にしたのは、小さな角の少年だった。両手で椀を持ち、舌を火傷しないように息を吹く。啜る。目が丸くなる。彼は私を見て、何か言いかけ、やめた。代わりに、二杯目を催促する視線だけ投げた。私は頷く。そうやって、少しずつ鍋は減っていく。警戒は消えない。でも、空腹はもっと誠実だった。

 台所の片隅で、カインが壁にもたれていた。いつからいたのかわからない。気配だけを残し、影に溶けるのが上手い。彼は鍋ではなく、私の手元を見ていた。手の動き、火の扱い、塩を摘む指先の癖。見られている感覚が、背中に細い針みたいに刺さる。嫌ではない。むしろ、私を繋ぎ止める微かな糸だった。

「……お前」

 不意に呼ばれて、私は顔を上げた。銀の瞳が、熱の揺らぎの向こうで細められる。

「目的は?」

 台所の音が一瞬止まった気がした。レアの羽音、ガルドの匙の触れ合う音、兵たちの沈黙。その全部が、彼の一言の後で、薄い膜をかぶる。

「生きること」

 私は答えた。即答だった。用意したというより、床から突き上げてきた言葉を、そのまま口に置いただけ。

 カインは瞬きを一つ。銀の中に、わずかな皺のような揺れが走る。嘘を探す目だ。私は視線を逸らさない。目は、時々、正直より強い。

「生きる、ね」

「はい」

「生きるために、城を掃除し、鍋をかき回し、俺の世界に匂いをつけるのか」

「匂いは、すぐ消えます。掃除も、すぐ汚れます。食事は、すぐ空になります」

「虚しい」

「だから、繰り返すんです。空くから、満たす。汚れるから、拭く。冷えるから、火をつける。それが、私の“生きる”のやり方」

 彼の唇が微かに動いた。笑いではない。反論でもない。思考の筋肉が動く音、に近い。

「人間は、忙しい」

「忙しくしてないと、沈むから」

「沈めばいい」

「沈むのは、嫌いです」

 沈黙が、ひと呼吸ぶんだけ濃くなった。やがて、彼は視線を鍋に落とし、椀を取った。誰かが息を飲む音。カインが“食べる”という行為を、部下たちはおそらくめったに見ないのだろう。彼はスープをすくい、ひと口飲む。喉が上下する。首筋の筋肉が、ほんの少しだけ緩む。

「……悪くない」

 その一言が、台所に残っていた尖りをひとつ、無言で丸くした。レアが肩をすくめ、ガルドが鼻で笑う。兵たちは黙って、二杯目に列を作る。列の並び方が、さっきより少しだけ柔らかい。

 私は鍋の底を木杓子で探りながら、胸の奥で小さく息を吐いた。安堵ではない。勝利でもない。今夜を越えるための、ささやかな手応え。明日になれば、またゼロから積むことになる。それでも、今は、これでいい。

 夜、部屋に戻ると、暖炉に小さな火が入っていた。誰が、と考える前にわかった。カインだ。彼は気づかれないように、誰にも気づかせないように、そういうことをする。火の加減は不格好で、薪の置き方も荒い。けれど、火は火だ。私は手をかざし、指先を温め、外套を脱ぐ。

 ベッドに腰掛けると、扉が軽く叩かれた。開けると、ガルドが立っていた。手には粗末な布袋。

「これ、貸す」

「なに?」

「城の予備の毛布。人間は寒いだろ」

「ありがとう」

「礼は要らない。主様が凍られたら困るだけだ」

「私、凍っても、主様は凍りません」

「……理屈は嫌いだ」

 ぶっきらぼうに置いていき、彼はすたすたと去った。廊下の向こうで、レアの羽がひらりと揺れる。目が合う。彼女は何も言わず、少しだけ顎をしゃくった。多分、挨拶だ。多分。

 毛布を広げる。重い。重さは安心だ。重いものに包まれると、体の輪郭が思い出せる。私は毛布を肩にかけ、机の上に指輪を置いた。薄金の輪は、火の色を曖昧に跳ね返す。ここに置いておくのは危険かもしれない。けれど、持ち歩くのも危険だ。危険は、どこにでもある。なら、ここでいい。

 窓の外で、雪が静かに降り始めた。黒曜の壁を白が縁取り、夜は深くなる。私は目を閉じ、耳を澄ませる。遠くで兵の笑い声。台所で鍋を洗う音。廊下を行く足音。塔の上で風が鳴る低音。そして、もっと遠くで、霧がどこかへ流れていく気配。

 扉の向こうに、もう一つの気配が立った。ノックはない。沈黙のまま、扉の前に立ち、そして去る。カイン。用事があったのか、なかったのか。彼は、時々、確認しに来る。世界がまだここにあるか。私がまだ、ここにいるか。

 火が落ちる前に、私はベッドに潜り込んだ。毛布の重さに、体がやっと自分の重さを思い出す。目が熱い。泣かない。泣くのは簡単で、難しい。今日はどちらでもない。眠る。

 翌朝、私は夜明けより少し早く起きた。台所へ向かう廊下で、窓の外が微かに青い。黒曜の壁に青が載ると、海の底を歩いている気持ちになる。私は肩を回し、息を吐いて、昨日の続きに手を伸ばす。火を起こし、湯を沸かし、鍋をかける。今日のスープは少しだけ違う。昨日の残りに、別の根菜を足し、塩を控えめに。繰り返しの中に微かな変化を入れる。それが、飽きと摩耗への抵抗。

 湯気が立ち上る頃、背中に視線の気配。振り向くと、カインが立っていた。今日の彼は、いつもより少しだけ近い。壁にもたれていない。立っている、というだけ。それだけで、距離は変わる。

「茶葉は」

 唐突な質問。

「倉庫で少し。質は、よくない」

「あるのか」

「あります」

「淹れられるか」

「淹れられます」

「……後で」

「はい」

 彼はそれ以上何も言わず、視線を鍋に落とし、すぐ引き上げた。背中を向ける前に、ほんの一瞬だけ、私の手元を見た。火の加減、鍋の沸き、匙の回り方。見られている、と感じるほどの長さじゃない。けれど、感じた。感じるのに十分な一瞬。

 朝食の配膳が終わる頃、レアが肩越しに囁いた。

「人間。あなた、何者?」

「元・聖女。今・雑用」

「ふふ。正直者ね。うちに向いてるかも」

「それは、褒め言葉?」

「皮肉半分、期待半分」

 期待、という言葉は、薄い刃物みたいに鋭い。触れると切れる。けれど、刃の光は美しい。私はうなずく。

 廊下の端で、ガルドが訓練の準備をしている。剣が石に触れて「きん」と鳴る。その音は、目を覚ますのにちょうどいい。私は一杯のスープを持って、塔の階段を登った。最上階の小さな踊り場は、風が抜ける。冷たい空気に胸が洗われる感覚。

 そこに、彼はいた。黒曜の手すりにもたれ、遠くの雪原を見下ろしている。背中が大きい。孤独は、背中の形に宿るのだと思う。

「朝です」

 彼は振り向かない。私は彼の隣に立ち、スープを差し出した。受け取らず、薄い沈黙が一枚落ちる。

「目的は、変わらないか」

 彼の言葉は、空の色に似ていた。淡いのに、深い。

「はい」

「生きる、か」

「生きる」

「俺の城で」

「はい」

「俺の目の届くところで」

「はい」

 そこでやっと、彼は私の方を見た。風が彼の髪を揺らし、銀の瞳が朝の青を切り取る。私は、その視線を受け止める。恐れはある。けれど、嘘はない。

「なら、勝手にしろ」

「いつか、それ、許可に聞こえる日が来ます」

「馬鹿げてる」

「たぶん」

 彼が視線を逸らす。遠くで黒い霧が、まだ細く揺れていた。世界の端に、汚れが残っている。その汚れは、すぐには消えない。だから、火を絶やさない。鍋をかき回す。床を拭く。茶を淹れる。呼吸をする。生きる。

 彼が椀を受け取り、ひと口飲む。湯気の向こうで、顔がわずかに和らぐ。そこに、言葉はいらない。いらないことの中に、確かなものが多い。

 私は踊り場に、彼のための小さな約束を置いた。
 ――今日も、あなたの世界に、湯気が昇りますように。
 それだけで、しばらくは十分だった。

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