追放された聖女、今では魔王の隣でティータイムを楽しんでいます

聖女セリーヌは、人々に癒しを与える“神の声を聞く娘”として敬われていた。
だがある日、王太子ルシオンと新たに選ばれた“偽聖女”の陰謀によって、
「神託を偽った罪」で断罪され、すべてを奪われて追放される。

雪の降る国境を彷徨う中、彼女は傷だらけの男――“魔王カイン”と出会う。
本来なら敵であるはずの彼を、セリーヌは反射的に癒してしまう。

「……なぜ助けた?」
「あなたが苦しそうだったから。それだけです」

絶望と孤独の中、二人の奇妙な同居生活が始まる。
無愛想な魔王と、信仰を失った聖女。
紅茶の香りと沈黙の時間の中で、
“敵”ではなく“人”としての心が、ゆっくりと溶け始めていく――。
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