追放された聖女、今では魔王の隣でティータイムを楽しんでいます

タマ マコト

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第13話 闇を裂く影

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 光は、呼吸を忘れると刃になる。
 広場の真ん中で私はその事実を、腕の痺れで学び直していた。祈りの言葉を重ね、リリアの光の温度を下げていた、その最中――神官たちが一斉に動き、細い銀の鎖が私の手首と肘を絡め取ったのだ。冷たい輪が皮膚に食い込み、甲の血が指先に押し出されていく。

「全部あなたのせいよ!」

 リリアの叫びは、鐘より鋭く空気を震わせた。
 彼女の瞳は濃い琥珀から更に暗く、底へ沈んでいく寸前の色。結ばれた口元、こわばる肩、喉の震え。光が彼女の背から羽のように立ち上がる。美しさに、恐怖の影が重なる。

「違う。私の“せいだけ”じゃない。けど――」

「言い訳は祈りじゃない!」

 リリアの掌が上がる。
 群衆が息を呑む。神官の列が息を合わせる。
 私は鎖の中で指を丸め、手の甲で脈を数えた。落ち着け。光の縁をゆるめ、彼女に触れる“戻し”の呼吸を――

 その時だった。
 地面の下のどこかで、低い声がうなった。
 風がぴしりとひび割れ、空気の温度がひと呼吸ぶん、急に下がる。
 黒い霧が、尖塔の影から湧き出すように広場へ流れ込んだ。

 黒は、夜の色とは違う。
 祈りの澱が腐り、忘れられた名が集まり、形を持てずにうごめき続ける黒。捨てられた願いの底、という匂い。
 人々が悲鳴を上げて逃げ惑い、神官たちが咄嗟に聖句を唱える。だが霧は聖句を餌にして育つ。白い言葉が空に溶けたそばから、黒は濃度を増していく。

「下がれ!」
 誰かの怒鳴り声。兵の槍が揺らぎ、弦が鳴る。
 霧は答えない。ただ、広場の中心へ、噛みつく獣のように一点へ集まる。私の足下――鎖の輪の中。

「触れるな!」

 リリアが叫び、光が爆ぜた。
 白と黒。
 二色の衝突は音を吸い、世界の輪郭を一瞬消した。私の耳に、遠い海の底のような圧がかかる。鎖がきぃと悲鳴を上げ、皮膚に更に食い込む。

 霧の中心が裂け、影から輪郭が立ち上がった。
 背の高い影。黒曜の外套。風を切る歩幅。
 銀の瞳が、霧の縁から夜を持ち出すように現れる。

「その女を離せ」

 低い声が、広場の石に刻印を押したみたいに響いた。
 魔王。カイン。
 喉の奥が疼いた。知らないうちに息を止めていて、胸が苦しい。笑いそうになるのを、鎖が止める。

「魔王――!」

 神官たちがざわめき、兵が矢を番える。
 リリアが顔を上げ、カインを睨みつける。光が彼女の背で高くなる。「あなたがここに……! 王都は光に守られている。闇は退け――」

「闇は、お前の周りにいる」

 カインの声は鋭くない。静かだ。静かすぎて、逆に全員の耳に届く。
 彼は歩みを止めない。霧が彼の足もとでほどけ、広場の石は彼の靴に音を与えない。銀の瞳は私を一度だけ射ぬき、次の瞬間には鎖を握る神官へ向けられた。

「離せと言った」

「王命により――!」

 神官の叫びは最後まで続かなかった。カインのマントの裾が風を断ち、見えない手が鎖を掴んでひねる。銀の金具が石に叩きつけられ、輪がほどける。私の手首に溜まっていた血がいっせいに流れ戻り、針で刺すみたいな痛みが走った。

「カイン……」

 名前が喉を滑る。
 彼の視線が瞬間だけやわらぎ、すぐ硬さを取り戻す。「遅れた」
「来てくれて、ありがとう」

「礼を言うのは帰ってからにしろ」

 その一言で、胸の奥に灯りがともる。灯りは小さく、でも手のひらの真ん中に居場所を得た。
 だが、安堵は刹那。
 リリアが掌を掲げ、光が一段と鋭さを増した。刃が研がれる時の空気の音が、広場全体に漂う。

「セリーヌは私のものよ!」

 その言葉は光より痛い。
 “もの”――その言い方に、彼女の孤独が濃く滲む。
 カインの表情が一瞬だけ歪む。怒りが瞳の奥で鈍い銀へ変質する。「彼女は、俺の客だ」

「客……? ――ふざけないで!」

 光が落ちた。
 カインは避けない。避けず、受ける。
 銀の瞳の前で白が炸裂し、黒い霧がそれを包む。白と黒は食い合い、咬み合い、互いの縁を噛み砕いて、粉にして空へ撒く。
 空気が撓む。広場の石が低くうなる。尖塔の先に入った亀裂が、目に見える速度で広がった。

「やめて!」

 思わず声が出た。
 飛び散る破片が群衆を傷つけ、子どもの泣き声が刺さる。私は駆け寄ろうとして、外れかけの鎖に足を取られ、膝を打った。痛みは目を覚まさせる。
 ――暴走させない。
 この衝突は、リリアの刃と、カインの影の問題じゃない。王都そのものが割れる。

「リリア! 聞いて!」
「黙れ!」
 彼女の光は私の声に反応して、さらに高く、細く、鋭くなる。焦っている。刃が震えている。
 カインは私の前に半歩出て、光の直撃を肩で受けた。黒曜の外套が焼ける匂い。焦げた布と冬の風。
 彼の顎がわずかに上がる。「セリーヌ、下がれ」

「いや。私もやる」

「命令だ」

「お願いでしょ」

「面倒な女だ」

「生きるのは、だいたい――」

「――面倒だ」

 彼の口端がほんのわずか緩む。緩むと同時に、霧が風の縁を掴み、光の軌道をわずかに逸らす。刃が塔の壁を裂き、石片が白い雨になって落下する。神官の列が崩れ、群衆が悲鳴で波打つ。

 私は足を踏み出し、リリアとカインの間へ、わずかな“間”を縫って割って入った。
 呼吸。三度。
 戻しの儀の手順を骨に刻みなおす。
 ――温度を合わせる。
 ――縁をゆるめる。
 ――名を呼ぶ。

「リリア」

 彼女の瞳がわずかに止まる。
 その隙に、私は胸の内側から光をそっと押し出し、彼女の器の膜を撫でた。
 刃のふちが一瞬だけ丸くなる。
 が、すぐに固くなる。
 恐れが、名を求める。
 ――与えない。
 私は自分の恐れに、べつの名を与える。“合図”。
 合図を重ねる。
 体の芯で、彼女の呼吸へ寄り添う。

「全部あなたのせいよ!」
 リリアの叫びが戻る。
 私は頷いた。「私のせい“でも”ある」
「あなたはいつも半分だけ認める!」
「全部抱えたら、誰も歩けない」
「神は歩く者を選ばない!」
「私は神じゃない。人だ」
 言葉は刃ではない。合図だ。
 刃をやり取りしても、裂けるだけ。
 合図でしか、戻せない。

 カインが背後から低く言う。「時間を作る」
「お願い」
 彼は一歩前へ出て、霧を濃くした。黒が白を包み、包むふりをして、わずかに押し返す。押し合いは、均衡を生む。均衡は、間を生む。
 私はその“間”で、リリアの光へもう一度触れる。

「リリア。痛いね」

「痛くなんか――」

「痛いよ。喉のここ。胸のここ。指のここ。光が刃になって、自分を切ってる」

 彼女の喉が、抗うように上下する。
 光がほんの刹那、弱音を吐く。
 私はそこで、初めて、言葉を最小限に絞って置いた。

「戻そう」

「どこへ」

「あなたの手で、触れられる温度へ」

「私が、あなたの光を――」

「“私の光”じゃない。もう“あなたの光”だよ、リリア」

 彼女の瞳に、涙の線がひとつ。
 次の瞬間、神官の一人が焦りに耐えきれず突進してきた。「新聖女様を惑わすな!」
 その影を、カインの足音が裂く。
 銀の瞳が閃き、男の手から杖がすっぽ抜けて石に転がる。
 カインは私に目だけで問う。――まだいけるか。
 私は頷く。――いける。
 彼は私の背を守る位置に立ち、霧で広場の風の流れを整えた。巻き上がる砂塵が視界を奪わない程度に、しかし群衆の逃げ道を生む程度に。

「王都が……裂ける!」
 誰かが叫ぶ。
 尖塔の亀裂が更に広がり、石の粉が雪のように降り始めた。
 リリアの光も震える。
 間に合わない、と恐れが名を求める。
 ――与えない。
 私は息を深く吸い、掌を胸に置き、彼女の器の膜へ最後の“撫で”を送る。
 ぬるい水で固い布をほどくみたいに。
 焦る自分の手を自分で制して。
 カインの背の熱を伝言のように受け取り、合図に変えて、彼女へ。

「リリア」

 名を呼ぶ。
 彼女の肩が、落ちる。
 刃の音が、一拍だけ止む。
 その隙に、私は鎖から外れた手で光の縁を挟むように包む。包むといっても、触れない。空気の温度で包む。
 彼女の光が、刃から灯へ、ほんのわずかに質を変える。
 わずか――でも、それで十分だ。
 刃の軌道が、広場から空へ逸れる。
 尖塔の亀裂が、鳴りを潜める。

「……やめて」

 リリアの声が、初めて祈りに似た温度を帯びた。
 彼女の膝が一瞬折れ、神官たちが慌てて支える。
 私は二歩分近づき、彼女の目をまっすぐ見る。
「戻そう。ゆっくりでいい」
 リリアは唇を噛み、短く頷いた――次の瞬間、石が悲鳴を上げた。

 広場の脇の古井戸が、崩れたのだ。
 地下からの空洞が、王都じゅうに張り巡らされていた古い抜け道が、今の衝突の余波で耐えきれなくなった。
 地面が沈む。屋台が傾き、叫び声が重なる。
 私は反射的に走り、傾ぐ地面へ引きずられた子を抱え上げる。腕に重みと熱。生きてる。彼を母親の腕へ渡すと、次の崩落が起きた。
 ――間に合わない。
 風が、切り裂かれたように走る。

「セリーヌ!」

 カインの声。
 私が振り返るより早く、彼の外套が宙を裂き、黒い霧が橋になって崩れへ落ちる人々の足場を作った。
 闇は形を持たない。持たないからこそ、形を貸すことができる。
 彼は片腕で私を引き寄せ、もう片方の手で霧を操る。銀の瞳が忙しく場を走り、最短で最善へと動く。
「逃がせ!」
 ガルドの声が遠くから飛び、レアの羽が風を作る気配が重なる。彼らも来ていた。いつの間に。
 城から王都までの距離を、彼らは怒りと共に飛び越えたのだろう。
 怒り――違う。焦がすのは、孤独の恐れだ。
 私の胸の奥で、同じものが脈を打つ。

「リリア、下がって!」
 私は叫んだ。
 彼女も崩れの際に立っていて、足元が危うい。神官のひとりが腕を掴む。彼女は振りほどこうとして、踏み外し――

 カインが飛んだ。
 黒い霧が床になり、彼の足がそこへ音もなく着く。
 伸びた彼の手が、リリアの手首を掴み、引き戻す。
 光と闇が掌で交わり、互いの温度をかすかに交換した瞬間――世界が、わずかに、静まった。

 息を吸う。
 吸った空気が肺に入る。
 戻ってきた“普通”が、胸に沁みた。

「……どうして」

 リリアが呟く。
 カインは答えない。答えず、彼女の手を離し、私の横へ戻る。
 私は彼の顔を見る。頬に小さな焦げ。外套の肩に焼け跡。
「大丈夫?」
「悪くない」
 いつもの返しに、喉が熱くなる。笑いか涙かわからないものがこみ上げて、私は一度、目を閉じて飲み込む。

 崩落は収まりつつあった。
 群衆はレアの誘導で外へ逃れ、ガルドが崩れた屋台をどかし、兵が負傷者を運ぶ。神官の何人かは呆然と座り込んだまま、祈りの言葉を空回りさせている。
 リリアは膝をつき、肩で息をしていた。光はまだ彼女の周りに残るが、刃の音は薄い。
 今だ。
 私はカインを見る。
 彼はわずかに顎を引き、“行け”と目で言う。
 私はうなずき、リリアの前にしゃがみ込んだ。

「もう一度、やろう」

「何を」

「戻し。今度はあなたが“選ぶ”」

 リリアの瞼が震える。
 彼女は、怖い。
 私も、怖い。
 だから、合図。
 私は彼女の呼吸に寄り添い、短く名を呼ぶ。

「リリア」

 刃の音が、完全に止んだ。
 光がゆっくり降りる。
 彼女の肩から、重い何かがひとつ落ちる。
 私は胸の内側の縁をゆるめ、彼女の器の膜を撫でる。
 乳白が広がる。
 戻る道の標が、光の底に点る。
 遠くで風が鳴り、尖塔の亀裂の縁に、冬の陽が細くかかる。

 その時、小さな声が、私の背で震えた。
「……おねえさん」

 振り向くと、ノアがいた。顔をぐしゃぐしゃに泣き腫らし、でも、立っている。母親の手を握り、震える足で、こちらを見ている。
 私は笑い、頷く。
 笑いは、合図。
 大丈夫は、嘘ではなく、約束。

 空の色が、少しだけ明るくなる。
 広場の破片はまだ散らばり、王都の骨は軋んでいる。何一つ解決しきってはいない。
 けれど、崩壊の“兆し”は、今、崩壊の“手前”へと押し戻された。
 光と闇は、ぶつかり合ったのではなく、触れた。
 触れたから、温度が移る。
 温度が移れば、名は消える。
 “闇”“光”という名は、今この瞬間だけ、小さな“人”の温度に譲歩した。

 私は立ち上がり、カインの方へ振り返る。
 彼はただそこに立っていた。霧を肩で鎮め、銀の瞳で私を確かめ、息を整えながら。
「……来ないでって言ったのに」
 私が笑い混じりに言うと、彼は短く答えた。

「命令は嫌いだ」

「お願いって言った」

「頼みなら、聞く」

 その交換だけで、胸の真ん中がじんわり熱くなる。
 レアが肩をすくめ、ガルドが呆れたように鼻を鳴らす。
 王都はまだ揺れている。
 けれど、今、ここにあるこの小さな会話は、揺れに対する私たちの最初の柱だ。

 リリアが立ち上がった。ふらつく足取りで、私とカインの前に来る。瞳は赤く、でも、刃はない。
「……次は、私が選ぶ」
「うん」
「あなたの助けも、拒絶も、私の言葉で」
「うん」

 彼女は一度だけ私を睨み、次に、ほんのわずかに、目尻を緩めた。
「全部あなたのせいよ――それでも、半分は私の選択」
「そうだね」

 空の端で、雲が裂け、冬の光が細く差した。
 黒い霧は風に薄まり、広場の瓦礫の上に、冷たい光が静かに降りる。
 崩れた石の隙間に、湯気の幻を見る。
 ――戻ろう。
 戻すために、まだやることは山ほどある。
 けれど、まずは一杯の紅茶で、喉と心を温めたい。

 私はカインに目で問う。
 彼は目で答える。
 ――悪くない。
 広場に残る人々の気配の中、私たちは、ほんの短い、穏やかな沈黙を共有した。

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