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亡命編
帝国屈指の忠臣
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部屋の奥、暖炉の炎の前に、一人の老人が静かに座っていた。
背筋はまっすぐに伸び、白い髪を後ろで束ね、眼差しは鋭く、それでいて深い慈愛を たたえている。
アーロン・ベネット侯爵——ノアの母方の祖父。
帝都でも屈指の名門にして、皇太子殿下が最も信頼を寄せた忠臣。
その視線が、私たちをまっすぐに捉えた。
「……来たか、ノア。そして——皇女殿下」
低く、重みのある声が響いた。
その一言で、張りつめていた空気が少しだけ緩む。
私は深く礼をし、唇を震わせながら名を名乗った。
「この度の無礼をお許しください。私はエリシア・ヴェル・セレスティア。帝都より逃れ、助けを求めて参りました——」
言い終えた途端、胸の奥に押し込めていたすべてが溢れ出しそうになった。
侯爵は静かに立ち上がり、暖炉の火を背に、私の前まで歩み寄った。
そして、深い皺の刻まれた手をそっと差し伸べた。
「……よく、ここまで来られましたな。もう大丈夫ですぞ、皇女殿下」
その声に、私は初めて“生き延びた”という実感を覚えた。頬を伝う涙を拭う余裕もなく、ただ小さく頷いた。
ノアが大まかの状況を話し終えると、ベネット侯爵は深く考え込むように指先で杖の頭を静かに叩いた。
その仕草ひとつに、長年帝国を支えてきた重みが宿っていた。
「ベネット家として、皇女殿下をこの屋敷にお迎えできることは誇りに思います。しかし——」
侯爵はゆっくりと顔を上げた。
その眼差しは、炎の光に揺れながらも鋭く、迷いがなかった。
「襲撃の黒幕が捉えられぬ以上、今の帝国において、どこが安全と申せましょう。皇太子殿下の居所が分からぬ今、ここに留まることは、殿下、公爵家、そして我が家にとっても命取りになります」
静寂が落ちる。暖炉の炎がぱちりと音を立て、橙の光が侯爵の横顔を照らしていた。ノアが唇を結び、拳を膝の上で握りしめた。侯爵は続ける。
「最悪の結果も考えて……殿下を帝国外へお逃がしするのが最も賢明かと存じます。同盟国エルダール——あの国の王妃陛下は、皇太后陛下の教え子にして、皇太子ご夫妻とも親交があった方。
ゆえに、殿下を匿ってくださる可能性は高いでしょう」
「エルダールへ……?」
私は思わず声を上げた。
侯爵は静かに頷いた。
沈黙を破ったのは、ノアだった。
彼の声は低く、そして震えていた。
「……侯爵様。お言葉ですが、他国に殿下をお送りするのはあまりに危険です。
たとえ同盟国といえど、皇女殿下がどのような扱いを受けるか分かりません。
側妻として囚われることも、人質として政治に利用されることも考えられます……
ひとまず皇太子殿下の安否が分かるまではこちらに身を寄せることはできませんか?」
その言葉に、エリシアの胸が強く締めつけられた。
侯爵はしばしノアを見つめ、それから静かに目を閉じた。
「……ノア。お前の懸念はもっともだ。
だが、出国の検問が強化される前に、国境を越えなければならない。今しかないのだ。その前に皇太子殿下の安否が分かればすぐに伝令を遣わそう。
それに、エルダール王がご健在のうちは、そんなことは決して起こらぬ。
彼は誇り高く、皇太子殿下に恩義を抱いておられる方だ」
ノアは俯き、拳を握りしめたまま言葉を失った。
侯爵の声はさらに静まり、しかし確信を帯びていた。
「ノア、恐らく今回の件でアルヴェイン公爵家は罰を受けるだろう。最悪の場合、お前自身もこの国を追われることとなる」
「どうして?どうして公爵家が罰を受けるのですか?」
侯爵の言葉に私は思わず声を出した。
「皇族を危険に曝し、皇太子妃を死なせた罰です」
侯爵の言葉が冷たく響く。
「でも、彼らは命を賭して私たちを守ってくれたわ」
「それでもです。皇女殿下」
頭の中では理解できている。だけど、心が認めなかった。
「ノア。六年だ。六年後、お前が成人し、アルヴェイン公爵家を再興できたそのとき——堂々と、再び殿下の隣に立ちなさい」
「力をつけよ、ノアリウス・アルヴェイン。お前こそが、次代の盾となる者だ」
ノアの瞳が炎の光に揺れた。
「……必ず、迎えに行きます。どんなことがあっても」
私はその言葉に息を呑んだ。胸の奥で、なにかが静かに温かく灯る。けれど、同時に痛みもあった。
——また、別れなければならない。
侯爵はゆっくりと立ち上がった。
「追手を欺くための策を講じます。皇女殿下は……ここで、亡くなったことにいたしましょう」
「……え?」
私は思わず声を漏らした。
「殿下の髪を切り落とし、遺品を帝都に持ち帰らせます。ノアは重傷を負い、命からがら戻ったことにする。しばらくはそれで、敵の目を逸らせるでしょう」
ノアがきつく唇を噛んだ。
侯爵は彼に目を向け、穏やかに告げた。
「時間を稼いでいる間にノアは殿下を守り、国境を越えなさい。フレディ、お前も同行せよ。お前には重い役目だが、これが最善だ」
「承知致しました。微力ながらも帝国の光のために尽力できることを感謝致します」
フレディ・ベネット伯爵は強い眼差しで侯爵を見つめ返した。
「2人はベネット家の騎士団員となり、エルダールへ使節団として向かいなさい。名目は“補給物資と報告書の引き渡し”だ」
「……騎士団員、ですか?」
「ええ。装備も衣も整えましょう。皇女殿下は、男装してお行きなさい」
侯爵は立ち上がり、暖炉の前で背を向けた。
炎が揺れ、長い影が壁に伸びる。
「この夜のうちに支度を整えます。夜明けには出立を」
その声に、部屋の空気が一段と張り詰めた。
ノアと私は無言のままうなずく。
侯爵は最後に、ゆっくりと二人を見渡した。
「必ずや生き延びるのです。生きることこそ、最も強い抵抗なのですから」
炎の光が、私の頬を淡く照らした。
母の言葉が脳裏に蘇る。
——あなたは、帝国の希望なのよ。
あのときの声が、静かな夜の中で再び響いた。
私は小さく頷き、涙を拭った。
「……はい。必ず、生きて——戻ります」
背筋はまっすぐに伸び、白い髪を後ろで束ね、眼差しは鋭く、それでいて深い慈愛を たたえている。
アーロン・ベネット侯爵——ノアの母方の祖父。
帝都でも屈指の名門にして、皇太子殿下が最も信頼を寄せた忠臣。
その視線が、私たちをまっすぐに捉えた。
「……来たか、ノア。そして——皇女殿下」
低く、重みのある声が響いた。
その一言で、張りつめていた空気が少しだけ緩む。
私は深く礼をし、唇を震わせながら名を名乗った。
「この度の無礼をお許しください。私はエリシア・ヴェル・セレスティア。帝都より逃れ、助けを求めて参りました——」
言い終えた途端、胸の奥に押し込めていたすべてが溢れ出しそうになった。
侯爵は静かに立ち上がり、暖炉の火を背に、私の前まで歩み寄った。
そして、深い皺の刻まれた手をそっと差し伸べた。
「……よく、ここまで来られましたな。もう大丈夫ですぞ、皇女殿下」
その声に、私は初めて“生き延びた”という実感を覚えた。頬を伝う涙を拭う余裕もなく、ただ小さく頷いた。
ノアが大まかの状況を話し終えると、ベネット侯爵は深く考え込むように指先で杖の頭を静かに叩いた。
その仕草ひとつに、長年帝国を支えてきた重みが宿っていた。
「ベネット家として、皇女殿下をこの屋敷にお迎えできることは誇りに思います。しかし——」
侯爵はゆっくりと顔を上げた。
その眼差しは、炎の光に揺れながらも鋭く、迷いがなかった。
「襲撃の黒幕が捉えられぬ以上、今の帝国において、どこが安全と申せましょう。皇太子殿下の居所が分からぬ今、ここに留まることは、殿下、公爵家、そして我が家にとっても命取りになります」
静寂が落ちる。暖炉の炎がぱちりと音を立て、橙の光が侯爵の横顔を照らしていた。ノアが唇を結び、拳を膝の上で握りしめた。侯爵は続ける。
「最悪の結果も考えて……殿下を帝国外へお逃がしするのが最も賢明かと存じます。同盟国エルダール——あの国の王妃陛下は、皇太后陛下の教え子にして、皇太子ご夫妻とも親交があった方。
ゆえに、殿下を匿ってくださる可能性は高いでしょう」
「エルダールへ……?」
私は思わず声を上げた。
侯爵は静かに頷いた。
沈黙を破ったのは、ノアだった。
彼の声は低く、そして震えていた。
「……侯爵様。お言葉ですが、他国に殿下をお送りするのはあまりに危険です。
たとえ同盟国といえど、皇女殿下がどのような扱いを受けるか分かりません。
側妻として囚われることも、人質として政治に利用されることも考えられます……
ひとまず皇太子殿下の安否が分かるまではこちらに身を寄せることはできませんか?」
その言葉に、エリシアの胸が強く締めつけられた。
侯爵はしばしノアを見つめ、それから静かに目を閉じた。
「……ノア。お前の懸念はもっともだ。
だが、出国の検問が強化される前に、国境を越えなければならない。今しかないのだ。その前に皇太子殿下の安否が分かればすぐに伝令を遣わそう。
それに、エルダール王がご健在のうちは、そんなことは決して起こらぬ。
彼は誇り高く、皇太子殿下に恩義を抱いておられる方だ」
ノアは俯き、拳を握りしめたまま言葉を失った。
侯爵の声はさらに静まり、しかし確信を帯びていた。
「ノア、恐らく今回の件でアルヴェイン公爵家は罰を受けるだろう。最悪の場合、お前自身もこの国を追われることとなる」
「どうして?どうして公爵家が罰を受けるのですか?」
侯爵の言葉に私は思わず声を出した。
「皇族を危険に曝し、皇太子妃を死なせた罰です」
侯爵の言葉が冷たく響く。
「でも、彼らは命を賭して私たちを守ってくれたわ」
「それでもです。皇女殿下」
頭の中では理解できている。だけど、心が認めなかった。
「ノア。六年だ。六年後、お前が成人し、アルヴェイン公爵家を再興できたそのとき——堂々と、再び殿下の隣に立ちなさい」
「力をつけよ、ノアリウス・アルヴェイン。お前こそが、次代の盾となる者だ」
ノアの瞳が炎の光に揺れた。
「……必ず、迎えに行きます。どんなことがあっても」
私はその言葉に息を呑んだ。胸の奥で、なにかが静かに温かく灯る。けれど、同時に痛みもあった。
——また、別れなければならない。
侯爵はゆっくりと立ち上がった。
「追手を欺くための策を講じます。皇女殿下は……ここで、亡くなったことにいたしましょう」
「……え?」
私は思わず声を漏らした。
「殿下の髪を切り落とし、遺品を帝都に持ち帰らせます。ノアは重傷を負い、命からがら戻ったことにする。しばらくはそれで、敵の目を逸らせるでしょう」
ノアがきつく唇を噛んだ。
侯爵は彼に目を向け、穏やかに告げた。
「時間を稼いでいる間にノアは殿下を守り、国境を越えなさい。フレディ、お前も同行せよ。お前には重い役目だが、これが最善だ」
「承知致しました。微力ながらも帝国の光のために尽力できることを感謝致します」
フレディ・ベネット伯爵は強い眼差しで侯爵を見つめ返した。
「2人はベネット家の騎士団員となり、エルダールへ使節団として向かいなさい。名目は“補給物資と報告書の引き渡し”だ」
「……騎士団員、ですか?」
「ええ。装備も衣も整えましょう。皇女殿下は、男装してお行きなさい」
侯爵は立ち上がり、暖炉の前で背を向けた。
炎が揺れ、長い影が壁に伸びる。
「この夜のうちに支度を整えます。夜明けには出立を」
その声に、部屋の空気が一段と張り詰めた。
ノアと私は無言のままうなずく。
侯爵は最後に、ゆっくりと二人を見渡した。
「必ずや生き延びるのです。生きることこそ、最も強い抵抗なのですから」
炎の光が、私の頬を淡く照らした。
母の言葉が脳裏に蘇る。
——あなたは、帝国の希望なのよ。
あのときの声が、静かな夜の中で再び響いた。
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