わたしを みて...

kaoru

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朝の儀式

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朝の工場地帯は、いつもより少し肌寒い。
4月の風がセーラー服の襟元をすり抜けて、首筋を冷たく撫でる。
それなのに、私の身体の芯だけが、じんじんと熱を持っている。

通勤ラッシュの渋滞で、車はびっしりと詰まり、ほとんど動かない。
私はその列の隙間を、自転車でゆっくりと縫っていく。

なぜこんなことをしているのか、自分でもよくわからない。
最初はただ、サドルが当たる感触が少し気持ちよかっただけ。
でも、気づいたら、それが毎朝の儀式になっていた。

誰にも言えない。
親にも、友達にも、絶対に。
だって、これは「普通の女の子」がすることじゃないから。

信号が赤になる。
私は自然に停止し、ハンドルを握ったまま上体を前に倒す。

立ち漕ぎの姿勢。
腰を少し後ろに引いて、尻を高く突き出す。
スカートが風に煽られて、ぱたぱたとめくれ上がる。
白いレースのショーツが、朝の陽射しに透けて、はっきりと浮かび上がる。

後ろに止まっているのは、大型トラック。
運転席は高い。
四十代くらいの、作業着姿の男の人が、窓から身を乗り出すようにして私を見下ろしている。
視線が、背中から腰、そして尻のラインを這うのがわかる。

熱い。
まるで触られているみたいに、肌がぴりぴりと反応する。

(見てる……私のおしり、じっくり見て……)

頭の中で呟く。
恥ずかしい。
死にたくなるくらい恥ずかしい。

でも、同時に、胸の奥がきゅっと締め付けられるような甘い疼きが広がる。
私はもっと腰を突き出して、ゆっくりとペダルを踏む真似をする。

実際には信号で止まっているから、ただ腰を前後に揺らすだけ。
尻が左右に振られて、レースの布が股間に食い込む。
すでに少し湿り気を帯びているのが、自分でもわかる。

(こんな私を……変態だって思ってるよね……でも、それでいい……それが欲しい……)

横の車線。
営業車の窓が開いていて、三十代前半くらいのスーツの男性が、明らかに私を見ている。
目が合った瞬間、私は慌てて視線を逸らした。
でも、心臓がどきどき鳴って、頬が熱い。

私はわざと大きく股を開いて、ペダルを回す動作を始める。
右足を踏み降ろすとき、左足が大きく外側に開く。
スカートが完全にめくれて、ショーツが丸見えになる。
レースの隙間から、濡れた部分が透けているかもしれない。
その想像だけで、下腹がきゅんとする。

サドルに座り直す瞬間、私はわざと強く股間を押し付けた。
革の隆起が、クリトリスをぴったりと捉える。
布越しでも、はっきりとした圧迫。

「あ……っ」

小さな声が漏れた。
慌てて口を押さえるけど、遅い。
横の男性の目が、少し驚いたように見開かれた。

(聞こえた……?私の、喘ぎ声……)

その瞬間、頭の中が真っ白になった。
恥辱と快楽が一気に押し寄せて、膝が震える。
でも、身体は正直だ。
もっと見られたい。
もっと、汚い目で見られたい。

私は自分でも信じられないくらい、腰を小刻みに動かしていた。
サドルに股間を擦り付けるように。
ぐちゅ、ぐちゅ、と小さな音がする。
ショーツが濡れて、革に張り付いている。

前にはワンボックスカー。
運転手は五十代くらいのおじさん。
無精ひげを生やして、こちらをじっと見ている。
その視線が、私の太ももから股間へ、ゆっくりと降りていくのがわかる。

私はその視線を浴びながら、わざとサドルから腰を浮かせて、また強く落とす。
衝撃が下腹を突き抜けて、私は唇を噛んだ。

(おじさんみたいな人に……こんな年頃の女の子の股間を見られて……興奮してるんだ……きっと……)

その想像が、私の理性を完全に溶かした。
私はもう、ただの欲情の塊だった。
普通の優等生の仮面は、朝のこの時間だけ、剥がれ落ちる。
本当の私は、こんなふうに見られて喜ぶ、恥ずかしい女の子。
誰にも知られたくないのに、誰かに知られたくてたまらない。
矛盾している。
でも、それが私だ。

信号が青になる。
私は立ち漕ぎで加速する。
尻を高く突き出したまま、腰を振るようにしてペダルを踏む。

後ろの若いトラックの運転手が、きっと今も私の尻を追いかけている。
私はわざとスピードを落として、視線を長く浴びる。
股を開くたびに、風が直接濡れた部分を冷たく撫でて、ぞくぞくする。

次の信号。
今度は四方を車に囲まれている。
完全に視線の檻の中。
私は深呼吸して、ゆっくりと立ち上がった。

尻を限界まで突き出して、スカートを完全にめくる。
ショーツはもう、はっきりと食い込んで、形が浮き出ている。
濡れた部分が、朝日を浴びて光っているかもしれない。

(みんな……見て……私の、こんな恥ずかしいところ……)

(変態な女の子だって……笑って……でも、興奮して……)

私は腰をくねらせて、立ち漕ぎのポーズを続ける。
実際には止まっているから、ただ腰を振っているだけ。
尻が左右に揺れて、レースが股間に深く食い込む。
サドルに座る瞬間、私は思い切り股間を押し付けた。
クリトリスが強く圧迫されて、頭が真っ白になる。

「はぁ……っ……」

声が漏れた。
今度ははっきりと。

周りの車の人たちが、反応しているのがわかる。
誰かが窓を少し開けた。
誰かがスマホを構えているような気配。
私はもう、どうでもよかった。
見られたい。
撮られたい。
この恥ずかしい姿を、永遠に残されたい。

私はこっそり手をスカートの中に入れて、ショーツの上から触れた。
びくんっと腰が跳ねる。
もう、触れただけでイキそうなくらい敏感だ。
指を円を描くように動かしながら、サドルにも股間を擦り付ける。
二重の刺激で、理性が飛ぶ。

(だめ……ここで……みんなに見られながら……イっちゃう……)

私は唇を強く噛んで、声を殺した。
でも、身体は正直に震えて、絶頂を迎えた。
膝ががくがくして、自転車がふらつく。
愛液が太ももを伝って、ショーツから溢れ出しているのがわかる。

信号が青になる。
私は涙目でペダルを漕ぎ始めた。
まだ余韻が残っていて、サドルに座るたびに小さな絶頂が繰り返される。

工場地帯を抜けるまでの時間、私は何度も視線を集め、何度も自分を汚し、何度も果てた。
この朝の儀式は、私の秘密であり、救いであり、呪いだ。
普通の女の子でいられるための、裏の顔。
誰にも知られたくないのに、誰かにすべてを見透かされたい。

私は、もうこの快楽の虜。
明日も、明後日も、きっと同じことをしてしまう。
自分を壊すように、欲を満たすように。
私は、永遠にこの視線の檻から逃れられない。
逃れたくもない。
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