23 / 53
第23話 ちゃんと許可を得る
しおりを挟む「リヒト様、頼まれていた、カルミーさんの居場所です」
「ありがとう」
どうも雰囲気が可笑しい。
いつもはもう少し笑顔なのに何故か、能面顔の様に顔が引き攣きっている。
それに銀貨3枚の仕事なのに、ただ居場所しか書いていない。
近況の情報も「ケビンと離婚」とだけ書かれているだけだ。
こんなのはプロの仕事とは思えない。
「あの…文句を言いたい訳じゃないが、これが冒険者ギルドを通した仕事と言えるのか? 銀貨3枚の仕事とは思えないな…」
「はははっ、そうですよね…銀貨2枚お返しします」
意味が解らない。
ギルドが貰ったお金を返すなどあり得ないからな。
「まぁ良いよ…返金は要らない…それじゃ」
「あ、あの…」
「どうかしたのか?」
「いえ、何でもありません…」
変な対応だ…訳が解らない。
◆◆◆
しかし、カルミーさん離婚していたんだな。
ケビンさんとはオシドリ夫婦みたいに仲が良かったのに…
という事は未亡人か…
流石に旦那が居ない、未亡人に会うなら、ルミナスさんに許可を貰わないと不味いよな。
夫婦の家に遊びに行くなら問題が無いが、一人暮らしの未亡人の家に行くなら妻の許可は必要だよな。
俺は一旦家に帰りルミナスさんに相談する事にした。
◆◆◆
「どうかしたの? なんだか複雑そうな顔をして…」
「いや、ちょっと女性に会いに行きたくて…」
「あらっ、女性は私だけで良い…そんな事昨日まで言っていたのにもう浮気なのかしら…うふふふっそうよね、私おばさんだもんね、若い子の方が良いもんね…子供も産めないし…」
「いや、そう言うんじゃなくて…」
「そう言うんじゃないって、どう言う意味かしら?リヒトくん説明してくれるかな?」
流石に昨日の今日だけど、二人目、三人目を娶れって言って来たのはルミナスさんだよ…
それなのに目尻がぴくぴくしててなんだか怖いよ。
◆◆◆
「なんだ、カルミーに会いに行くんだ、私はてっきり若い子を見つけて、早速2人目…そう言う話だと思ったわ」
「いや、ケビンさんが居るなら兎も角、どうやら別れて1人で暮らしているみたいなんだよ」
「そう言えば、前に住んでいた家には居なくなっていたわね…それに随分長い事会っていない気がするわ。尤も宿屋と冒険者じゃ生活時間のずれがあるから、そのせいかも知れないけど…う~ん前に何時会ったか思い出せないな」
一応だが、ルミナスさんとカルミーさんは同じ街で暮らしているから幼馴染と言えなくもない。
尤も俺やカイト達の関係みたいにべったりと…とは違うようだ。
前世で言うなら文学少女タイプのルミナスさんに熱血スポーツ少女タイプのカルミーさん、一緒に遊んでいる姿は…うん想像もつかないな。
「一緒の街に居るルミナスさんが暫く会ってないんじゃ、此処のきたばかりの俺が会えないのは当たり前だね」
「そうね…所で、リヒトくんはカルミーもイケる口なのかな?」
「え~とどう言う事?」
「ほら、私おばさんじゃない? リヒトくんに2人目、3人目を『娶れ』って言ったけど、相手が若いと…ちょっとね。話も合わないと思うし、言ったあとでなんだけだ…若い子とイチャついているリヒトくんを見たら嫉妬しちゃうかな…そう思ったのよ」
「ルミナスさんでも嫉妬するんだ…少し見て…」
「こら…まさか私を嫉妬させるために若い子と付き合うとか言わないわよね?!」
うっ…怖い。
「そんな事…しないよ」
「そう、リヒトくんはしないよね?! まぁ良いわ、それで話を戻すけど…カルミーは殆ど私と同い年で、タイプは真逆…昔からの付き合いも長いし気心もしれているし、体も健康そうだから2人目に最適なのよ」
「最適と言われても、俺には半分姉さんみたいなものだし剣の師匠みたいなものだよ…そう言う目で見た事ないから解らないな」
「へぇ~私に嘘を言うんだ? 訓練中に胸とお尻に見惚れて木刀の直撃を受けていた男の子知っているんだけどな」
「ううっ」
「聞こえてないと思ったかな?『あの太腿エロ』とかも言っていた様な気もするわ…違ったのかな」
つい独り言をつぶやく癖が恨めしい。
「そうだね…だけど、それ恥ずかしいから余り言わないで」
「あらっ、私も良く『恥ずかしいからやめて』って言ってもリヒトくんやめてくれないよね…うふふふっだからやめてあげない」
「今度から気をつけます…」
「うふふっ冗談よ!ついリヒトくんが赤くなるのが可愛くて揶揄っちゃったわ…だけどねカルミーなら良いと言うのは本音なのよ…ほらっ私って人見知りするタイプだから、友達は少ないのよ…その少ない友達の一人がカルミーだから…ズバリ、カルミーなら丁度よいわ」
ルミナスさんに勧められるのは何だか複雑な気がする。
「そう、だったらカルミーさんを迎え入れたら…今、ルミナスさんとの夜の時間は6時間だけど…2人だと半分3時間位になるかな?」
なんかちょっと意地悪を言いたくなった。
「うふふっ駄目よ、私との時間はそのまま…若いんだから幾らでも出来るわよ」
「いや、だけど…」
「リヒトくん、何を言っているのかな? 最初の頃なんて殆ど寝ないで犯っていたじゃない? 3時間位足しても大丈夫だわ…きっと頑張れるわ」
流石に冗談だよな。
それになんで肉体関係ありきなんだよ。
「ルミナスさん飛躍しすぎだよ! 久々にお世話になった人に会いに行くだけだから」
「そうか…まぁ良いわ、カルミーなら、私は問題ないんだけどな…取り敢えず行ってらっしゃい」
「行ってきます」
こうして俺は複雑な気持ちで、カルミーさんの家に向かった。
37
あなたにおすすめの小説
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
俺の好きな人は勇者の母で俺の姉さん! パーティ追放から始まる新しい生活
石のやっさん
ファンタジー
主人公のリヒトは勇者パーティを追放されるが別に気にも留めていなかった。
ハーレムパーティ状態だったので元から時期が来たら自分から出て行く予定だったし、三人の幼馴染は確かに可愛いが、リヒトにとって恋愛対象にどうしても見られなかったからだ。
だから、ただ見せつけられても困るだけだった。
何故ならリヒトの好きなタイプの女性は…大人の女性だったから。
この作品の主人公は転生者ですが、精神的に大人なだけでチートは知識も含んでありません。
勿論ヒロインもチートはありません。
他のライトノベルや漫画じゃ主人公にはなれない、背景に居るような主人公やヒロインが、楽しく暮すような話です。
1~2話は何時もの使いまわし。
亀更新になるかも知れません。
他の作品を書く段階で、考えてついたヒロインをメインに純愛で書いていこうと思います。
神々に見捨てられし者、自力で最強へ
九頭七尾
ファンタジー
三大貴族の一角、アルベール家の長子として生まれた少年、ライズ。だが「祝福の儀」で何の天職も授かることができなかった彼は、『神々に見捨てられた者』と蔑まれ、一族を追放されてしまう。
「天職なし。最高じゃないか」
しかし彼は逆にこの状況を喜んだ。というのも、実はこの世界は、前世で彼がやり込んでいたゲーム【グランドワールド】にそっくりだったのだ。
天職を取得せずにゲームを始める「超ハードモード」こそが最強になれる道だと知るライズは、前世の知識を活かして成り上がっていく。
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる