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第37話 修羅場⑨ 天国
しおりを挟む朝起きると二人が俺に抱き着く感じで寝ていた。
どうも、二人は俺が同情で『化け乳』でも気にならない。
そう言っていると思っているようだ。
だから、本当に『気にならないのか』気になって仕方が無いようだ。
俺は本当に『巨乳』が好きなんだ。
だからこれは役得でしかない。
二人には『巨乳が好きだ』と様子を見て言っても良いとは思うが、貧乳が美乳という話は昔の聖女絡みで国や教会が関わっている。
異端扱いされる可能性も高いから、余り目立つような行動は控えておいた方が良いだろう。
しかし、凄いな…この光景。
結局、あの後、欲望に負けてかなりの時間、揉み続けてしまった。
俺は巨乳が好きなんだが、それは言えないからあくまで『触り心地が良い』で押し通していたら…『好きなだけ触って下さい(良いよ)』と言われて歯止めがきかなくなってしまった。
相当胸がコンプレックスだったのか、触れば触る程、涙を流して喜び顔を赤くしながら息遣いが荒くなる美少女二人…仕方が無いよな。
今二人は満足したように胸を曝け出して寝ている。
良い眺めだし、また触りたくなるが、此処はグッと堪えて朝食作りだ。
さてと、今日は何を作ろうか?
あり合わせの材料で出来そうな物…オムパスタにサラダ、スープこれで良いか?
オムパスタは米は手に入りにくいけどパスタモドキは簡単に手に入るから代用品だ。
昨日買い出しが出来なかったし、今日はこれからガイアに会わなくちゃならない。
昨日そのまま放置してしまったから、きっとガイアは怒っているんだろうな…
まぁ良いや、これで勘弁して貰おう…そうそう、引き篭もり状態のアイカにはサンドウィッチを昼食に作って置いて、こんな物か?
「お~い朝食が出来たぞ?」
「う~んリヒト、悪いね僕は朝が弱いから…うわっ美味そう、久しぶりのリヒトご飯だ」
「今思えば、リヒトさんって本当に『嫁』ですよね。昨日エルザさんが『嫁』って言っていた時違和感がありましたが、よく考えたら納得です!」
「まぁね…」
俺だって本当は『女の子の手作り』の方が嬉しいに決まっている。
だが、俺の周りにはそんな女の子が居ないんだから…諦めた。
三人もガイアも最低限の飯は作れるが…それは殆ど塩味の食事だ。
簡単に言えば、塩魚や塩を振った肉…スープがつけば良い方で勿論サラダなんてつかない。
『巨乳で料理が上手い女の子』
そんな存在、前世なら居るが、この世界にはまず『巨乳』が居ない。
そして『俺位料理が出来る女性』これも少ない。
まぁ、余程の金持ちか街住まいじゃないと粗食が多いし、街に住む者の多くは外食で済ます人が多い。
希少とまでは言わないが少数派だ。
まぁ良いや…巨乳な恋人?はどうにか出来たから。
他は…もう目を瞑ろう。
「でしょう? リヒトは家事が完璧に出来るし、特に料理は美味いんだ絶対に『嫁』、それに僕は剣聖だから狩りに出て働く方が向いているから『旦那』か『夫』、ほらピッタリじゃないかな」
「確かにそうですね…あれっ…それだと私ってなんなのでしょうか? リヒトさん、エルザさん…」
ちなみにエルザの呼び方が『様』から『さん』に変わったのは打ち解けたからだ。
「そうだな、愛玩用かな?」
「う~ん愛人?」
「あの…リヒトさん、私は化け乳ですよ! それは凄く可笑しいと思います!」
「それは気にならない…もう充分解ったんじゃないか?」
「まぁ、あそこ迄揉まれて触られたから、それは良く解りました…そうですね! 確かにそうですね..」
「アイカは化け乳を除けば、凄い美少女なんだから『愛玩用』それで良いと思うが駄目かな?」
アイカは特に何か出来るわけじゃ無いが傍に居ると癒される。
俺はS級だから稼げるし家事も得意だから『傍に居るだけで充分だ』
「あの、そこはリヒト、もう少し『主婦』とか言葉を選ぼうよ…言っている事は悪くないけど、聞こえが悪いよ」
確かにそうだな。
だが、愛人も充分大概だと思うけどな。
「そうですね! 確かに私は『化け乳』を除けば顔は美人だし、間違いなく美少女ですから、その通りですね!『愛玩用』…その通りかも知れません」
思い切って、胸を揉んで良かったのかも知れない。
随分とアイカのコンプレックスが薄くなった。
そんな気がした。
当人が喜んでいるんだから、それで良いだろう。
「それより早く朝食を食おうぜ…その後はガイアに会いに行かないといけないんだからな」
「そうだね…僕かなり憂鬱だよ」
「話は聞きましたが、大変そうですね」
「まぁな…アイカ、多分今日は帰りが遅くなりそうだ、サンドウィッチを作って置いたから、お昼はそれを食べてくれ。夜には戻るから」
「はい…」
天国の後は…地獄、人生はそんな物だ。
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