『異世界は貧乳が正義でした』~だから幼馴染の勇者に追放されても問題がない~ざまぁ? しませんよ!マジで!

石のやっさん

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【閑話】リヒトの方が良い

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「リヒト…」

思わず、口を開くとその名前が出てしまう。

横ではリラが目を赤くして泣いている。

「ううっ、ううっ」

枕に顔を押し付け静かに…泣いている。

声を押し殺して泣いているのは『私が怒鳴ったからだ』

その前は賢者の癖に…

「うわぁぁぁぁー-ん!リヒトぉぉぉぉぉー――」

とまるで子供の様に泣いていた。

私だって悲しいのに…思わず手が出てしまった。

その結果がこれだ…

綺麗だった部屋は元の汚部屋に戻った。

リヒトが居ないんじゃ、綺麗にしていても仕方が無いし、掃除をしてくれる人にも八つ当たりしそうだから、契約を打ち切った。

洗濯も同じ…

もうお風呂にすら…あはははっ何日も入っていない。

だって、綺麗にする意味なんて無い物。

『大好きなリヒト』

が居ないなら『何をしても意味は無いわ』

部屋の中は散らかり、偶に虫やネズミが居るけど放っている。

『虫さん、ネズミさん…此処には何もないからね』

リヒトが居なくなってから、食事もしたく無くなった。

このまま餓死しても構わないわ…

『なんでよ』

なんで、こんな大切な存在を…私は…私は…ぞんざいにしていたの?

なんで、私はその大切さに気がつかなかったのかな…解らない。

今の私は狂っている。

好きってこんなに苦しいの?

聖女の私がリヒトを好きになって可笑しくなったわ。

頭の中が可笑しい。

『リヒトに愛されたい』『リヒトに抱かれたい』

それしか頭の中には『無い』

悪魔に魂を売ればリヒトが手に入るなら、喜んで魂を売るわ。

勇者ガイアを殺して魔族の味方になれば手に入るなら喜んでする。

『リヒトが望むならなんでもする』

そこ迄愛おしい…

気がつくのが遅すぎた…

どうしたらいいのか解らない。

「リヒトぉぉぉぉぉー-ああん、ああー-っ」

「煩い!リラ…殺すわよ…」

「うわぁぁぁぁん、マリアンごめんなさぁ~い」

本当に盛るんじゃないわよ…布団に股間押し付けて…馬鹿みたい。

だけど…私もリラの事が言えない。

恋愛の好きという感情の他に肉欲的な、なんともイヤらしい意味でも『リヒト』を好きになっている。


『リヒトの子を産みたいな』

油断するとこんな事で頭が一杯になるの…

◆◆◆

「リラ、ほらリヒトの所へ行くわよ!」

「解った…それじゃシャワー浴びてしっかり綺麗にしなくちゃね、えへへっ」

リヒトの元に向かう。

この時だけは、私達は正常になれる。

初めてリヒトの家に押しかけた時…

「仕方が無いな、どうしても会いたいなら偶になら良いよ!食事位出してやるから」

そうリヒトが言うから…毎日行っていた。

怒られたわ…結局、リヒトから2週間に1回と回数が決められたのよ。

私もリラも、妄想の中でリヒトを何回犯したか解らない。

だけど…こんなのを知られるわけには、いかないから卑しい顔を隠し『聖女』『賢者』の仮面を私達はつけないといけないのよ。

◆◆◆

リヒトの元に行こうとドアノブに手を掛けた時だった。

背後に大きな邪気を感じた私は後ろを振り返った。

そこには頭に羊の様な角を生やした女の魔族が居た。

「お前は魔族、聖女の私を…リラ」

「うん」

二人して杖を構えたが…襲って来ない。

「あらあら、二人とも魅入られているわね」

『魅入られている』なんの事なの…

「魔族なんて死んじゃえ、食らえファイヤー」

「リヒトちゃん…」

今、魔法を放とうとしていたリラの手が止まった。

魔族の口からリヒトの名前が出た。

「リヒト…リヒトがどうしたの…」

リヒトに何かが起きているのかな?

「ホーリーサーク…」

「リヒトちゃんに愛されたくない?」

「「ええっ」」

思わず、手が止まってしまった。

惑わされているのかも知れないが、魔族の女の言葉は余りに魅力的だった。

「今、なにを言ったの?」

「そんな方法があるの?」

私達が止まったのを見て魔族の女が話し始めた。

『貴方達、条件次第でサキュバスにしても良いわよ?』

サキュバスというのは『恋愛』においては最強の種族と聞いた事がある。

こんなに醜い乳をしているとは思わなかったけど…

女の魔族はとんでもない事を言い出したわ。

『サキュバスになってリヒトに生涯、愛される生活の保障』

この悪魔の囁きには…勝てない。

リラなんて…

「ハァハァ、なにをすれば良いの? 貴方のその靴ペロペロすれば
良いの? 解った…王様の命かな? なんでも言いなりになるよ? 嘘じゃ無いよね! 今更嘘なんて言ったら、地の果てまで追い詰めて殺しちゃうからね? ああっ、そうか! 魔族だもんね! 『聖女』の命かな? マリアン、私の幸せの為に是非死んで下さい! お墓参りしてあげるからね…」

私を殺すのさえ視野に入れている。

だけど…私も『リラの死』という条件でも…欲しい。

「私もなんでもするわ」

「そこ迄は望まない…というか流石の私も引くわよ! そうね、貴方達の持つ聖杖と勇者ガイアから聖剣を奪って火山に放り込みなさい…それで『サキュバスになってリヒトちゃんから愛される人生』を約束してあげるわ」

「「良いの!」」

「ええっ、約束するわ…それでね、二人以外にリヒトちゃんと仲の良い存在はいるのかしら」

「あの…リヒトって私達以外は、親しい人はいないような気がします」

「そうだよね、誰にでも優しいけど…友人とかは居ないかな」

「そう…出来たら、もう一人欲しいんだけど、だれか居たら推薦してくれても良いわ」

「「解りました」」

私だって聖女です。

聖剣が無くなったら困るのは解ります。

聖剣は不破ですが、火山の中に放り込めば誰にも取れないので人類は未来永劫魔族に勝てなくなります。

全人類に希望の無い世界が来るかも知れません…

でも…

「「リヒトの方が良い(よ)」」

「「ええっ?」」

どうやらリラも同じ事を考えていたようですね。




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