20 / 38
第20話 半グレ流 浮気女のしつけ方と愛し方
しおりを挟む「悪いがドルマン、2人の容態がまだ良くない、これからの話し合いだが、明日にのばしてくれないか?」
「ハァハァ、別に良いぜ、面倒くさいから、そっちの用意が整ったら、サキュバ…もっと激しく…声を掛けてくれ」
「あっあっ、ドルマン様」
しかし、よくやるな。
半壊はしたままだが、血だらけの廊下は掃除されていた。
村人が扉1枚先を掃除しているなか、良く出来たもんだ。
ドルマンに話をし、話し合いを1日先にして貰った。
まぁ、俺は顔を見てないが…
その足でエルザを探したが何処にも居なかった。
彼奴…逃げたな。
剣は持っていったから、問題無いだろう。
それより問題はこっちだ。
◆◆◆
「少しは落ち着いたか?」
「ええっ」
「うん…」
まぁ元気ないのは仕方が無い。
この齢で前世で言う所の寝たきり状態みたいな物だ。
まだ軽いセシリアでどうにか立つことが出来る程度で真面に歩けない。
イザベルに至っては手足は繋がっているだけだから立つ事も無理だ。
それに、顔から体全体に大きく醜い傷がある。
「それで、これからどうする? さっきも聞いたけど結論を出さないといけない…大変なのは解るけど」
「どうも、こうもこの状態なんだから、もう戦う事は出来ないし、日常の生活もままならないのよ? せめて故郷迄送ってくれない…迷惑かけて悪いけど…」
「うん、そうしてくれると嬉しい…捨てていかれても文句は言えないけど…」
一応、故郷に帰れば、親がいるから、そう考えるのは普通だな。
「だけど、故郷に帰っても、畑を耕す事も出来ないし、人数が増えたら税金も増す…それに叔父さんや叔母さんはもう、他の跡取りを迎えたあとだから気まずくならないか?」
「気まずいけど…それしかないじゃない…私なんて貰ってくれる人なんて居ない…寝たきり状態のお荷物の顔に傷のある女なんて誰も欲しがらないわ…」
「うん、家族に迷惑が掛かるのは解っているけど…それしか方法はないもん…誰がこんな介護の必要な女、面倒見てくれると言うの…」
くくくっ…とうとう此処迄来た。
長いようで短かったな…
優しそうな顔をつくれ…今が正念場だ。
「目の前に居るだろう? お前達が好きで好きでしょうがない幼馴染が…忘れたのか?」
「忘れてなんか無い、だけど、もう私聖女どころか?只のお荷物だよ…言える訳無い…散々気持ちを知っていて応えなかったのに…言える訳無いじゃない…」
「私は、セシリア処じゃない、起きる事も出来ないし、それより何より…リヒトと付き合っていたのに裏切ってドルマンを選んだんだよ…言えないよ…」
魔王を倒せないから全てを失った…その状態から『普通の生活も送れなくなった』
早すぎる…
此処迄1年は掛かる筈だったのにな…
「それでも、2人とも好きだよ、だけど、もう裏切られるのは辛い、2人が俺以外を好きになるのは辛い…一生、死ぬまで面倒を見る、だから1つだけ、俺の願いを聞いてくれないか?頼むよ…」
「「リヒト」」
「前にセシリアに言ったよな…好きだって、イザベラにだって告白した事はある、俺、結構尽くしていたよな…今だって、動けない二人のオムツ交換すら出来る位、好きだ。だけど、裏切られるのは辛い…」
「こんな、私を好きで居てくれるのはリヒトだけだから、良いよ」
「私も…この体じゃ出来る事は少ないけど…良いよ…何でも言って」
「ありがとう」
この瞬間が…俺にとっては最高なんだ。
◆◆◆
「うんぐっうううーーーーっ」
「うんぐううーーっううーーっ」
「大丈夫、もう少しだから…」
何をしているのかって?
オリジナルの刺青機を使って、刺青だよ…刺青!
刺青を彫っているんだ。
動けないが念のため手足を縛り、猿轡状態でタオルを噛ませてある。
浮気を繰り返し男を裏切る様な女にはこれが一番だぜ。
お腹の下、性器の上に淫紋のようなデザインを彫り そして『リヒト専用』そう彫り込む。
まぁ、竜二の時の俺だったら『竜二専用肉便器』って彫っていたけどな。
「ううっううっうんぐ…う~」
「ううっうぐっう~」
そして太腿の際どい場所に薔薇と『リヒト命』と彫りこむ。
次は尻だ、尻にハートマークを描き、ハートの中に『リヒト愛している』そう刻む。
そして胸に髑髏を刻み咥えている看板に『リヒトの物』そう刻む。
あとは背中だ…どんな感じが良いか?
セシリアはコミカルな女神。
イザベルはコミカルな小悪魔。
和彫りは俺には流石に出来ないからこんな物か?
「ふぅ~これで完成…」
調べてみたが、この世界には刺青を消すような技術は無い。
回復魔法や、薬草、ポーションでは消せない。
まぁ、そんな物で刺青が消えるなら、もっと薄い入れ方の奴隷紋や避妊紋は消えちまうからな…
もし、この世界で消すとしたら、焼くしかない。
此処迄の状態になれば、余程の物好きか変態しか抱かねーよな。
これが、半グレ流の浮気対策だ。
さてと…
「ごめんな、よく耐えたな…酷い事をした…謝るよ! だけど、もう、セシリアもイザベルも誰にも渡したく無かったんだ…責任は取るから、安心してくれ」
「「ううっリヒト…」」
これをやると大抵の女は泣くんだよな…
昔の仲間に聞いた話だと、悲しい気持ちと嬉しい気持ちが入り混じった不思議な気持ちになっているらしい。
もう『後戻りできない』のと『自分がこの男の物になった』という気持ち、他は『そこ迄思われている』…その3つが入り混じっているとか。
俺はそっと二人の頬に手を当てて…
「愛してるよ」
そうつぶやいた。
応援ありがとうございます!
12
お気に入りに追加
63
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる