5 / 57
第5話 この世界は
しおりを挟む
第5話 この世界は
男性保護施設で調べて貰ったが、私の身元は解らなかった。
『頭が可笑しくなった』そうでなければ、間違いなく私は他の世界の人間だ。
此処に来てまだ男に私は会っていない。
まさかと思うが男女の比率が違う可能性がある気がする。
正確には生物…生身の男に会っていない。
流石にテレビやWEBには偶に男が映るが皆がブサイクで、しかも凄く横柄な態度をとっていた。
それでも女性がフォローして…話を纏めていた。
テレビに出てお笑いで無く、アイドルをしているという事は、まさかあの手の顔が美形という事なのか?
だとしたら不味いな。
まさか…この世界、美醜が逆転していたりしないよな?
自分の顔を鏡で見る限り結構なイケメンだ。
黒髪に黒目…自分で言うのもなんだが、顔だちが、大人っぽくなかなかのイケメンだ。
だが、このイケメン顔がこの世界でブサイク扱いだったら悲しい。
体の大きさからして多分10歳から12歳。
小学生で高学年…恐らくは小5から小6位だ。
自分がこの子に乗り移ってしまったのか?
それとも、何だかの原因でこの子になってしまったのかは解らない。
だが、もし何だかの原因で人様の体を奪ってしまったのなら、相手に大変申し訳ない事をした事になる。
身元が解らないという事は、身内を探せなかった事になる。
これで人様の体を奪って無さそうだ、良かった。
◆◆◆
私がこの施設にきた次の日に面談があった。
施設長、川島和美さんから呼び出しがあった。
ちなみ、川島さん以外の女性は名前でなく数字で呼ぶように言われた。
「失礼します」
「入りなさい! そんな緊張しないで良いからね? お菓子を食べてジュースを飲みながらお話しましょう」
そう言われてテーブルを見るとジュースとショートケーキが置かれていた。
「はい」
しかし、川島さんを含みこの施設は凄く綺麗な人が多い。
川島さんは背が高くスタイルが凄く良い。
髪の毛は茶色でロングでソバージュ、ゴージャスな女性という感じだ。
「緊張しないで良いわ、それで率直に言うとね、正平くんの身元がね完全に解らないのよ、昨日は国内だけだったけど、今日は世界中の男性のデーターが入っているデーターベースで調べたけど出てこないし、指紋も登録が無かったのよ」
やはり私はこの世界の人間じゃない可能性が高い。
不味い事になったな。
「それってやはり不味いですよね」
「それは気にしなくていいわ、正平くんは貴重な男性だから、今後の生活は国が保証するわ、だから気軽に考えて良いわよ、それでねこの後正平くんがどうしたいかって事よ」
「どうしたいかって?」
「例えば『家族が欲しいなぁ~』と正平くんが言うなら里親を探すわ、まぁ数千から数万の応募があるから、その中から好きな母親や家族をを選べるわね、逆に『女と極力接したくない』そう言うなら男性専用マンションで生活しても良いわよ」
なんだか、凄く美味しすぎる気がする。
「あの、何故そこ迄の事をしてくれるのですか?」
「ああっそう言えば正平さんは記憶が一部無くなっているのでしたね」
あの名前も知らないお姉さんが話をしておいてくれたんだな。
「はい」
「そうね、男性が貴重だって話は解るかな?」
「車の中で聞いたのとネットやテレビで何となくは」
「そう、そこから始めないと駄目なのね、昔大きな戦争があってね第三次世界大戦っていうんだけど…そこでね大国が核兵器を使ったのよ」
第三次世界大戦は本当に起こったのか…
「第三次世界大戦は起こってしまったのですね」
「そこも解らないんですか、可哀そうに!ええっ話を続けるわね、それでね、その後が問題で放射能の影響で男女の比率が狂ってきたのよ!」
「比率がですか?」
「そこも解らないのですか? どんどん女性が多くなって男性が少なくなっていったのよ! 今では男女比1対20迄進んでしまったわ」
だからか?
だから『男性が貴重』そう言うことになるのか。
「話は解りましたが、男女比20対1ならもう少し男性が居ても良いんじゃないですか?」
「それも問題になっているの、ただでさえ男性が少ないのに、かなり多くの男性が、造精機能障害(精子がたくさん作れない)で他にも性機能障害(性行為が出来ない)も抱えているのよ、だから実際に活動している男性はさらに少ないわ、ひきこもりも多いし、中には女性に触れるのも嫌だという者や、酷い者になると女性を見るのも嫌という男性も多いのよ」
私からしたら信じられないな。
「そうなんですか? 私は別に女性が嫌いって事は無いですよ」
「本当にいい子ね、此処は男性を保護する施設ですから、好きなだけ居て構わないわ、どうしたいか決まるまで何時までも居て構わないからね、だけど、確かに凄いわね、此処の職員や隊員とも普通に話しているし、良く考えたら私と二人で普通に話していますね、今度検査させて貰って構いませんか?」
「ええっ構いません」
「そう、ありがとうね、それじゃもうゆっくりしてて良いわ」
「はい、ありがとうございます」
私は挨拶をして川島さんの執務室を後にした。
男性保護施設で調べて貰ったが、私の身元は解らなかった。
『頭が可笑しくなった』そうでなければ、間違いなく私は他の世界の人間だ。
此処に来てまだ男に私は会っていない。
まさかと思うが男女の比率が違う可能性がある気がする。
正確には生物…生身の男に会っていない。
流石にテレビやWEBには偶に男が映るが皆がブサイクで、しかも凄く横柄な態度をとっていた。
それでも女性がフォローして…話を纏めていた。
テレビに出てお笑いで無く、アイドルをしているという事は、まさかあの手の顔が美形という事なのか?
だとしたら不味いな。
まさか…この世界、美醜が逆転していたりしないよな?
自分の顔を鏡で見る限り結構なイケメンだ。
黒髪に黒目…自分で言うのもなんだが、顔だちが、大人っぽくなかなかのイケメンだ。
だが、このイケメン顔がこの世界でブサイク扱いだったら悲しい。
体の大きさからして多分10歳から12歳。
小学生で高学年…恐らくは小5から小6位だ。
自分がこの子に乗り移ってしまったのか?
それとも、何だかの原因でこの子になってしまったのかは解らない。
だが、もし何だかの原因で人様の体を奪ってしまったのなら、相手に大変申し訳ない事をした事になる。
身元が解らないという事は、身内を探せなかった事になる。
これで人様の体を奪って無さそうだ、良かった。
◆◆◆
私がこの施設にきた次の日に面談があった。
施設長、川島和美さんから呼び出しがあった。
ちなみ、川島さん以外の女性は名前でなく数字で呼ぶように言われた。
「失礼します」
「入りなさい! そんな緊張しないで良いからね? お菓子を食べてジュースを飲みながらお話しましょう」
そう言われてテーブルを見るとジュースとショートケーキが置かれていた。
「はい」
しかし、川島さんを含みこの施設は凄く綺麗な人が多い。
川島さんは背が高くスタイルが凄く良い。
髪の毛は茶色でロングでソバージュ、ゴージャスな女性という感じだ。
「緊張しないで良いわ、それで率直に言うとね、正平くんの身元がね完全に解らないのよ、昨日は国内だけだったけど、今日は世界中の男性のデーターが入っているデーターベースで調べたけど出てこないし、指紋も登録が無かったのよ」
やはり私はこの世界の人間じゃない可能性が高い。
不味い事になったな。
「それってやはり不味いですよね」
「それは気にしなくていいわ、正平くんは貴重な男性だから、今後の生活は国が保証するわ、だから気軽に考えて良いわよ、それでねこの後正平くんがどうしたいかって事よ」
「どうしたいかって?」
「例えば『家族が欲しいなぁ~』と正平くんが言うなら里親を探すわ、まぁ数千から数万の応募があるから、その中から好きな母親や家族をを選べるわね、逆に『女と極力接したくない』そう言うなら男性専用マンションで生活しても良いわよ」
なんだか、凄く美味しすぎる気がする。
「あの、何故そこ迄の事をしてくれるのですか?」
「ああっそう言えば正平さんは記憶が一部無くなっているのでしたね」
あの名前も知らないお姉さんが話をしておいてくれたんだな。
「はい」
「そうね、男性が貴重だって話は解るかな?」
「車の中で聞いたのとネットやテレビで何となくは」
「そう、そこから始めないと駄目なのね、昔大きな戦争があってね第三次世界大戦っていうんだけど…そこでね大国が核兵器を使ったのよ」
第三次世界大戦は本当に起こったのか…
「第三次世界大戦は起こってしまったのですね」
「そこも解らないんですか、可哀そうに!ええっ話を続けるわね、それでね、その後が問題で放射能の影響で男女の比率が狂ってきたのよ!」
「比率がですか?」
「そこも解らないのですか? どんどん女性が多くなって男性が少なくなっていったのよ! 今では男女比1対20迄進んでしまったわ」
だからか?
だから『男性が貴重』そう言うことになるのか。
「話は解りましたが、男女比20対1ならもう少し男性が居ても良いんじゃないですか?」
「それも問題になっているの、ただでさえ男性が少ないのに、かなり多くの男性が、造精機能障害(精子がたくさん作れない)で他にも性機能障害(性行為が出来ない)も抱えているのよ、だから実際に活動している男性はさらに少ないわ、ひきこもりも多いし、中には女性に触れるのも嫌だという者や、酷い者になると女性を見るのも嫌という男性も多いのよ」
私からしたら信じられないな。
「そうなんですか? 私は別に女性が嫌いって事は無いですよ」
「本当にいい子ね、此処は男性を保護する施設ですから、好きなだけ居て構わないわ、どうしたいか決まるまで何時までも居て構わないからね、だけど、確かに凄いわね、此処の職員や隊員とも普通に話しているし、良く考えたら私と二人で普通に話していますね、今度検査させて貰って構いませんか?」
「ええっ構いません」
「そう、ありがとうね、それじゃもうゆっくりしてて良いわ」
「はい、ありがとうございます」
私は挨拶をして川島さんの執務室を後にした。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
639
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる