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第16話 キスマーク
しおりを挟む歓迎会は面白かったな。
麻里奈がくるまで6日間。
二人と話しあって、そこから小学生としての俺の生活が始まる。
そう言えば、俺はホスト時代に枕営業をしていない。
折角ホストになったのに…もう枯れていてそう言うことをしなかった。
やろうと思えばできたが…老人ホストにそんな物を求める人間は居ない。
ただ、ただ安らぎを求めてくるだけだ。
折角だから…少しだけでも雰囲気を味わってみるか?
少しはだけたシャツを着て…誰の所に行こうか?
亜美は幾ら大人びていてもまだ子供だ。
琴美さんは…反応が薄い。
そう考えたらやるのはエルミナさんか千鶴だ。
どちらか考えた末、俺はエルミナさんにいたずらをする事にした。
まだ、朝は早いから寝ている。
同じ部屋で鍵も掛かってないから、こっそりと部屋に入り少し毛布をずらした。
傍で見たらやはり凄く綺麗だ。
綺麗な銀髪に整った顔立ち、まるで人形みたいだ。
それが僅かな光に輝いて綺麗だ。
こんな綺麗な子がこの世界ではモテない…凄いな。
俺は着ているネグリジェに手を掛け、少しずらした。
これ以上はしない。
そして気がつかれない様に毛布に潜り込み、エルミナが起きるのを待った。
なかなか起きないな…
可愛らしく綺麗な顔を見つめていると…目があった。
「う~ん正平さん…ですわね…えっ、えー―――っ」
「エルミナ、昨日は凄く楽しかったよ…じゃぁ」
そう言いながら首に手をまわし…首筋にキスマークをつけるようにしてキスをしてその場を立ち去った。
「正平様…嘘ですわ、そんな夢の様な体験をしたのに…記憶が、記憶がないのですわー――っ」
後ろから叫び声がしてきた。
面白そうだから、暫く様子を見ていた。
こういう反応いいな…
「ごめん、嘘をついた…本当は何もしていない」
「そうなんですの? だけど…凄いですわね、これがA級…凄いですわ…」
「俺は何もしていないぞ…ただ同じ布団に入って暫く様子を見ていただけだ」
「それが凄いのですわ…普通の男は、そんな事できません、多分ほとんどの男は同じ状況で吐きだしますわ」
そんな勿体ない…女性の良い匂いがして最高なのに…
「そんな、エルミナさんは凄く綺麗だし、いつまでも見ていられるよ…それに匂いもうん良い匂いだ」
「そんな、そんな事言ってくれた人は居ませんでしたわ…嬉しいですわ」
「そう、そんな事で喜んでくれるなら、今度は本当に泊まりにこようかな?」
「本当ですの…本当だったら、凄くうれしいですわ」
この状態になるまで前の世界ではどれだけ大変だったか。
しかもこの世界…此処から体の関係に簡単になれる。
すごいな。
「そう言えば…正平様、先程、私の首筋に何かされましたわね…」
「あれはキスしただけだよ」
「きききききききききキス…キス…あれがキスなのですわの事」
壊れた。
まさか、この世界、キスすら女が知らない…訳ないな。
「あの、エルミナさんキスの経験がない? あと知らないの?」
「キスなんて経験あるわけありませんわー-っ、そそそそそんな夢みたいな話…あれ、確かにキスですわー-っ」
俺は手鏡を渡した…
「一応、キスマークを付けたよ…それじゃ、朝食に先に行っているね」
「キスマーク…嘘、嘘、こんな凄い….あー-あっ凄いですわ」
うっとりとした表情で首筋に手をあてて喜んでいる。
本当に前の世界じゃ信じられないな。
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