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第25話 腹を括る
しおりを挟む「本当に小学校に通うんですか?」
琴美さんが驚いていた。
この世界で小学校に通う男の子は凄く少ないらしい。
亜美や麻里奈、みう、ゆかりに相談したが…
俺の自由で良いそうだ。
何でも『ご学友』や『知り合い』はもう既に上がりだから一緒の小学校には行けないらしい。
通うとしたら、別の小学校に通わないといけないらしい。
そう言えば…小学校は義務教育だと思っていたが、既に違うらしい。
『希望をすれば無料で通える学校』それだけだ。
自立出来てお金が稼げるなら、女として既に1人前。
男を得るために動き出すので、出席は自由。
アイドルや声優の活動でお金を貯め…男を得るために動いている亜美、みう、ゆかりは殆ど通ってないらしい。
僅かなお金を投資など膨らましていき、そのお金を運用しつつアイドルや声優の活動をしていた。
ちなみにゆかりがお金が無いのは投資が下手で一回は大きく儲けたが溶かしてしまったらしい。
それでも、ゆかりで50万円、亜美やみうに至っては数千万の財産があるのだから…驚きだ。
ちなみに麻里奈は一般人…普通の小学生だから寮に入り小学校に通っていた。
ただ『俺のご学友』になったので実質、卒業扱いになったそうだ。
元いた小学校には怖くて通えないそうだ。
「卒業しなくて良いのか?」
「正平くん、もう怖くて通えないよ…ほら」
そう言う麻里奈の腕には小さな傷があった。
話を聞くと麻里奈が『ご学友』になったと聞いたクラスの女子数人に襲われたのだそうだ。
「大丈夫だったのか?」
「本当に馬鹿だと思うよ『ご学友』なんだから学校側がしっかり警備員をつけているのに襲うんだもん…その場で全員捕まっちゃったよ…可哀そうにこれから強制収容所できっと長い事働かされちゃう…一応は軽くしてあげてと頼んだんだけど…無理みたい」
男性の者になった女性を襲うのは重犯罪になり、もし男性と婚姻関係にある者を襲ったら…場合により死刑になるらしい。
「結構凄いんだな」
「だけど、つい自慢しちゃった麻里奈が悪いんだよ…だけど危ないから校長先生が来ない方が良い…そう言うからもう行かないかな? 」
俺は前の世界で小学生の頃に働いたりしていない。
親に甘えて生きていた。
この世界では女の子に生まれたら、施設で生活しながら、お金を手にする方法を考えなければならない。
父親も母親も女の子には冷たく愛情を注がない。
逆に男に生まれたら母親はそれこそすべての愛情を注ぎ、父親も嫌わない。
「麻里奈はこれからどうするんだ?」
「私は元から勉強好きじゃ無いからもういいや…それに『ご学友』になったから国からお金も貰えるしぃ~DSSSは全部無料だから、正平くんの事だけ考えて毎日過ごすよ…うん、凄く楽しそう」
麻里奈の話を聞いただけで解った。
本当に自分の者にしてしまった。
この世界で自分の者にしてしまったという事は…俺が全てになってしまう…その事に初めて気がついた。
前の世界とは違う…
前の世界の女性は『愛している』とは言っても、趣味ややりたい事を他にも持っていた。
だが、この世界の女性は『すべてが男中心』なんだ。
男の為なら、トップアイドルの座、売れっ子声優の座も捨ててしまう。
この世界の男は、その見返りを返さない。
此処迄、完璧に愛されているのにだ…
小学校に通うとして…そろそろ腹を少しは括ろうか…
俺は美香さんに相談をしてみる事にした。
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