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第一章 顔に傷がある女性を好きになりました
第4話 世界観
しおりを挟む王都モスバに来た。
「王都…モスバにようこ…綺麗なお兄さん、良かったらあたしと…」
「お前、なにやっているんだよ? ちゃんと…うほっ!凄い美少年」
しかし、王都の門番がなんで女の子なんだ?
しかも男は…あれ?
良く考えたら、お城でも男が少なかった気がする。
「初めまして俺の名前は理人と申します!これから、ここ王都モスバを中心に、頑張ろうと思います…宜しくお願い致します」
挨拶位はしておいた方が良いだろう。
「はっはじめまして…宜しくお願い致します! わ私は何時も…この時間…」
「首になりたく無かったら止めとけ!…理人さん宜しくね! この馬鹿には言い聞かせておきますから! 身分証明になる物はありますか?」
俺は城で貰った身分証明を出した。
「王家からの身分証明ですか? ああっ理人さんは異世界人なんですね…納得です! 危ないですから変な女について行っちゃ駄目ですよ! もし常識が解らないなら、まずは冒険者ギルドで登録して、ギルドで聞いて下さい」
「ちょっと自分ばかり話してズルい…私も…」
「どうぞお通り下さい! この馬鹿は私が言い聞かせますから」
「酷い」
やはり美少年は得だよな。
「俺、この世界に知り合いが殆ど居ないので、暇な時であれば何時でも話かけてくれて良いですよ!でも、仕事はしっかりして下さい」
「はい!」
「甘やかすとつけあがるから、基本こういう奴は放置で良いんです!理人さん絶対に直ぐに冒険者ギルドに行って、この世界について聞いて下さいね!」
「解りました」
何故か解らないけど、此処まで言うんだから、行った方が良いだろうな。
◆◆◆
冒険者ギルドらしい所迄来た。
看板に画が書いてあるから何となく何の店か解る。
可笑しな事に今の所、男は殆ど見かけていない。
ドアを開け、中に入ったら…酒場があり、その奥にカウンターがある。
うん、恐らく此処で間違いは無い。
昼間のせいなのか、流石に酒場はまばらしか居ない。
奥の受付嬢と目が合った。
「王都モスバの冒険者ギルドへようこそ! 本日はご依頼ですか?」
「冒険者ギルドへの登録をお願い致します! あと、異世界人なのでこの世界の常識について教えて下さい!」
門番のお姉さんが勧めてきたんだ。
素直に聞いた方が良いだろう。
「あっ、異世界人なのですね…解りました! それじゃ奥へどうぞ!」
そう言うと受付嬢は俺を奥の部屋へと案内した。
◆◆◆
「それじゃ、この世界について簡単に説明しますね」
そう言うと受付嬢はこの世界について話し始めた。
名前も名乗って無いのに…
この世界ルミナスは5つの国で構成されていて、此処はデリモス王国。
知らなかったのだが、この世界は男性が異常に少なく、おおよその男女比が1対5なんだとか。
しかし、1対5ならもう少し居そうだが、男性の多くは女性を嫌う傾向があり、引き篭もりが多く一部の男性を除き外に出たがらない。
男女比に偏りがあるせいか、男性は基本横柄な態度をとる者が多いそうだ。
法律も男性に有利な物が多いそうだ。
「引き篭もりで生活できるんですか?」
「まぁ、出来ますね。この世界は一夫多妻ですので、しかも多妻と言っても、殆ど一緒に暮らさなくてもただ形上の妻にしてくれるなら生活費をいれる…そんな女性も多く居ます」
こんな世界なら、美しさと魅力なんて望まなかったな。
「それは、極端な話、ブサイクな男であっても成立するのですか?」
「男女比1対5とは言っても、その中で真面な男はもっと少ないですから、基本的に貴族でもない限り、男性からの求婚を断る女性は少ないですね!絶対ではないですが…そうですね10人居たら7人は相手がブサイクでも受け入れるんじゃないですかね?」
真面な男って何だろう。
「真面な男が少ないってどう言う事でしょうか?」
「男性には話しにくいですが、インポテンツ、簡単に言うアレが立たない男性が多いし、立っても最後まで出来ない男性が実に多いんです。さっき女性を嫌う傾向が男性にあるって言いましたよね? 酷い男性だと女性に触られただけで不機嫌になる方も多く居ます」
だったら、普通で充分だったんじゃないか。
本当に失敗した。
だけど、そんな貴重な男性なら俺は何故追い出されたんだ。
「男性が貴重なようですが、それなら俺は何故追い出されたのでしょうか?」
「あくまで私の予想ですが、まだ男女比が普通だった頃からのルールがあるのでしょう。その頃は戦力外の異世界人は男性でも城から追い出していましたから…なにかあるのかも知れません」
「そうですか」
「大体、こんな感じです…こういうサポートは無料ですから何時でもご相談下さい」
「はい、ありがとうございます」
「それで、理人さんは冒険者になりたいですか?この世界の男性は危ない事はしないので冒険者に登録している男性は少ないですよ」
「実際に依頼を受けるかどうか解りませんが、登録はしたいと思います」
「それなら、身分証明代わりに登録しておきますか?詳しい話は、依頼を受ける時に説明させて頂きます」
しかし…此処は思った以上に変わった世界だな。
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