40 / 42
結婚式前夜
しおりを挟む
結婚式前夜、レティシアは庭にでてぼんやりと空を見上げていた。
そんなレティシアを見つけたアルバートが、
「レティ?眠れないの?」
そう声を掛けてきた。
レティシアは頷くと、アルバートは庭園のベンチに腰掛けるよう促した。
そして手を握り話しかけた。
「緊張しているのか?それとも結婚したくなくなった?」
「結婚したくないなんて言うはずがありません!私はずっとアル様の事を愛しています!…って…いや、あの、そうじゃなくて、少し幸せ過ぎて不安になっていたんだと思います。」
「幸せ過ぎて?」
「はい。私に前世の記憶があるって言いましたよね?私は物心ついた時から何かこの世界のものではない物について知っていて、5歳の時にハッキリ思い出しました。その後前世の記憶を使って何かしたかと言われたら、料理の知識を使ったぐらいなのですが…私もあのマリア様と同じように…消えることになるんじゃないのかなって…。この幸せな日々はある日急に消えてしまうんじゃないかなって…。私は幸せになっていいのかな?そう思ったら眠れなくなって…。」
レティシアはそう呟くと俯いた。
そんなレティシアをアルバートは強く抱きしめた。
「レティは消えたりしない。君は誰よりも努力してきたのを私は知っている。君がこの世に存在してはいけないはずがない。彼女と君は別の存在だ!レティが消えそうになったら私はそれに必死で抗う。決してレティを手放したりしないよ。」
そういうとレティシアの頭に軽くキスを落とした。
「私はここにいてもいいんですか?」
「ああ。逆に居なくなってもらっては困る。私の初恋で唯一無二の存在なのだから!君の友人達や仲良くなった冒険者達、それに君の家族だって君を大切に思っている。あの冒険者達の中にはレティに恋をしているヤツらがいるのは気に入らないが…皆レティシアにここに居て欲しいって思っているんだよ?レティが消えるなんてことになったらきっと皆私と一緒にそんな運命に抗うと思うよ?でもそんな未来は存在しない、いや存在させない。レティは安心して明日私の元にお嫁においで?婚約破棄しないんだろ?」
アルバートは口元に笑みを浮かべた。
レティシアは頷くと、
「そうでしたね!私婚約破棄しないって皆の前で宣言しましたね!そしてアルバート様も婚約破棄しないと…。」
「そう、私達は婚約破棄しない。そして明日夫婦になるんだ。レティ、もう一度言うね。私は君を愛し一生大切にすると誓う。だから私と結婚してほしい。」
レティシアは頷き、
「はい!私もアル様を愛し一生傍を離れません!アル様私を選んでくれて…見つけてくれてありがとう。」
2人は強く抱きしめ合い想いを確かめ合った。
私はこの世界でアル様の為、帝国に住まう皆の為できる限りの事を尽くす。
それがこの世界で私ができる事だ。
最近前世の記憶は料理について以外は少しずつ朧気になってきた。
このまま前世を忘れる日がくるのかもしれない。
でもそれでいいのだろう。
今の私に前世の私は必要ないのだから。
この世界で生きているのはレティシアという今の私なのだから。
そんなレティシアを見つけたアルバートが、
「レティ?眠れないの?」
そう声を掛けてきた。
レティシアは頷くと、アルバートは庭園のベンチに腰掛けるよう促した。
そして手を握り話しかけた。
「緊張しているのか?それとも結婚したくなくなった?」
「結婚したくないなんて言うはずがありません!私はずっとアル様の事を愛しています!…って…いや、あの、そうじゃなくて、少し幸せ過ぎて不安になっていたんだと思います。」
「幸せ過ぎて?」
「はい。私に前世の記憶があるって言いましたよね?私は物心ついた時から何かこの世界のものではない物について知っていて、5歳の時にハッキリ思い出しました。その後前世の記憶を使って何かしたかと言われたら、料理の知識を使ったぐらいなのですが…私もあのマリア様と同じように…消えることになるんじゃないのかなって…。この幸せな日々はある日急に消えてしまうんじゃないかなって…。私は幸せになっていいのかな?そう思ったら眠れなくなって…。」
レティシアはそう呟くと俯いた。
そんなレティシアをアルバートは強く抱きしめた。
「レティは消えたりしない。君は誰よりも努力してきたのを私は知っている。君がこの世に存在してはいけないはずがない。彼女と君は別の存在だ!レティが消えそうになったら私はそれに必死で抗う。決してレティを手放したりしないよ。」
そういうとレティシアの頭に軽くキスを落とした。
「私はここにいてもいいんですか?」
「ああ。逆に居なくなってもらっては困る。私の初恋で唯一無二の存在なのだから!君の友人達や仲良くなった冒険者達、それに君の家族だって君を大切に思っている。あの冒険者達の中にはレティに恋をしているヤツらがいるのは気に入らないが…皆レティシアにここに居て欲しいって思っているんだよ?レティが消えるなんてことになったらきっと皆私と一緒にそんな運命に抗うと思うよ?でもそんな未来は存在しない、いや存在させない。レティは安心して明日私の元にお嫁においで?婚約破棄しないんだろ?」
アルバートは口元に笑みを浮かべた。
レティシアは頷くと、
「そうでしたね!私婚約破棄しないって皆の前で宣言しましたね!そしてアルバート様も婚約破棄しないと…。」
「そう、私達は婚約破棄しない。そして明日夫婦になるんだ。レティ、もう一度言うね。私は君を愛し一生大切にすると誓う。だから私と結婚してほしい。」
レティシアは頷き、
「はい!私もアル様を愛し一生傍を離れません!アル様私を選んでくれて…見つけてくれてありがとう。」
2人は強く抱きしめ合い想いを確かめ合った。
私はこの世界でアル様の為、帝国に住まう皆の為できる限りの事を尽くす。
それがこの世界で私ができる事だ。
最近前世の記憶は料理について以外は少しずつ朧気になってきた。
このまま前世を忘れる日がくるのかもしれない。
でもそれでいいのだろう。
今の私に前世の私は必要ないのだから。
この世界で生きているのはレティシアという今の私なのだから。
433
あなたにおすすめの小説
『婚約破棄された令嬢ですが、王国は私抜きでは立てなかったようですね』
鷹 綾
恋愛
「愛しているのは彼女だ」
王太子ロネスにそう告げられ、婚約を破棄された侯爵令嬢エルゼリア・クローヴェル。
感情をぶつけることも、復讐を誓うこともなく、
彼女はただ――王宮を去った。
しかしその直後から、王国は静かに崩れ始める。
外交は滞り、判断は遅れ、市場は揺れ、
かつて「問題なく回っていた」はずの政務が、次々と行き詰まっていった。
一方、エルゼリアは帝国で新たな立場を得ていた。
帝国宰相ハインリヒ・ヴォルフの隣で、
彼女は再び“判断する側”として歩み始める。
やがて明らかになるのは、
王国が失ったのは「婚約者」ではなく、
判断を引き継ぐ仕組みそのものだったという事実。
謝罪も、復縁も、感情的なざまあもない。
それでも――
選ばれ、認められ、引き継がれていくのは、誰なのか。
これは、
捨てられた令嬢が声を荒げることなく、
世界のほうが彼女を必要としてしまった物語。
婚約破棄を本当にありがとう
あんど もあ
ファンタジー
ラブラブな婚約者のパトリシアとラルフ。そんなパトリシアに、隣国の王立高等学院に留学しないかとのお誘いが。「私、もうこの国の王立学園を卒業してますよ?」「高等学園にはブライト博士がいるわよ」「行きます!」
当然、ラルフも付いて行くのだが、そこでパトリシアは王太子の婚約者と思われて……。
妹の初恋は私の婚約者
あんど もあ
ファンタジー
卒業パーティーで、第一王子から婚約破棄を宣言されたカミーユ。王子が選んだのは、カミーユの妹ジョフロアだった。だが、ジョフロアには王子との婚約が許されない秘密があった。
神託の聖女様~偽義妹を置き去りにすることにしました
青の雀
恋愛
半年前に両親を亡くした公爵令嬢のバレンシアは、相続権を王位から認められ、晴れて公爵位を叙勲されることになった。
それから半年後、突如現れた義妹と称する女に王太子殿下との婚約まで奪われることになったため、怒りに任せて家出をするはずが、公爵家の使用人もろとも家を出ることに……。
教養が足りない、ですって
たくわん
恋愛
侯爵令嬢エリーゼは、公爵家の長男アレクシスとの婚約披露宴で突然婚約破棄される。理由は「教養が足りず、公爵夫人として恥ずかしい」。社交界の人々の嘲笑の中、エリーゼは静かに会場を去る。
[完結]だってあなたが望んだことでしょう?
青空一夏
恋愛
マールバラ王国には王家の血をひくオルグレーン公爵家の二人の姉妹がいる。幼いころから、妹マデリーンは姉アンジェリーナのドレスにわざとジュースをこぼして汚したり、意地悪をされたと嘘をついて両親に小言を言わせて楽しんでいた。
アンジェリーナの生真面目な性格をけなし、勤勉で努力家な姉を本の虫とからかう。妹は金髪碧眼の愛らしい容姿。天使のような無邪気な微笑みで親を味方につけるのが得意だった。姉は栗色の髪と緑の瞳で一見すると妹よりは派手ではないが清楚で繊細な美しさをもち、知性あふれる美貌だ。
やがて、マールバラ王国の王太子妃に二人が候補にあがり、天使のような愛らしい自分がふさわしいと、妹は自分がなると主張。しかし、膨大な王太子妃教育に我慢ができず、姉に代わってと頼むのだがーー
捨てられた令嬢と、選ばれなかった未来
鍛高譚
恋愛
「君とは釣り合わない。だから、僕は王女殿下を選ぶ」
婚約者アルバート・ロンズデールに冷たく告げられた瞬間、エミリア・ウィンスレットの人生は暗転した。
王都一の名門公爵令嬢として慎ましくも誠実に彼を支えてきたというのに、待っていたのは無慈悲な婚約破棄――しかも相手は王女クラリッサ。
アルバートと王女の華やかな婚約発表の裏で、エミリアは社交界から冷遇され、"捨てられた哀れな令嬢"と嘲笑される日々が始まる。
だが、彼女は決して屈しない。
「ならば、貴方たちが後悔するような未来を作るわ」
そう決意したエミリアは、ある人物から手を差し伸べられる。
――それは、冷静沈着にして王国の正統な後継者、皇太子アレクシス・フォルベルト。
彼は告げる。「私と共に来い。……君の聡明さと誇りが、この国には必要だ」
【完結】この運命を受け入れましょうか
なか
恋愛
「君のようは妃は必要ない。ここで廃妃を宣言する」
自らの夫であるルーク陛下の言葉。
それに対して、ヴィオラ・カトレアは余裕に満ちた微笑みで答える。
「承知しました。受け入れましょう」
ヴィオラにはもう、ルークへの愛など残ってすらいない。
彼女が王妃として支えてきた献身の中で、平民生まれのリアという女性に入れ込んだルーク。
みっともなく、情けない彼に対して恋情など抱く事すら不快だ。
だが聖女の素養を持つリアを、ルークは寵愛する。
そして貴族達も、莫大な益を生み出す聖女を妃に仕立てるため……ヴィオラへと無実の罪を被せた。
あっけなく信じるルークに呆れつつも、ヴィオラに不安はなかった。
これからの顛末も、打開策も全て知っているからだ。
前世の記憶を持ち、ここが物語の世界だと知るヴィオラは……悲運な運命を受け入れて彼らに意趣返す。
ふりかかる不幸を全て覆して、幸せな人生を歩むため。
◇◇◇◇◇
設定は甘め。
不安のない、さっくり読める物語を目指してます。
良ければ読んでくだされば、嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる