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「アリスちゃん。お腹空いてない?カレーあるけど食べる?」
母親が気さくに言う。
「カレーってなんですか?」
「琢磨が大好きな食物のことよ。ねっ琢磨」
「うん。美味しいよ」
「食べたいです」
「すぐ用意するね」
母親が部屋を出て行く。
「素敵なママさんね」
「うん」
「普通なら私のような女を家に居てもいいなんて言わないわ。本当に素敵なママさん」
「うん」
「私にもママはいるの。でも、タクマのママさんのように素敵ではないの。自分のことしか考えてない勝手な人だった。だからね、私は母親の愛情っていうものを知らずに生きてきたの。でも今日、母親の愛情っていうものはこういうものなんだなって知ることができた。タクマのママさんのおかげで。タクマが羨ましいわ。あんな素敵なママさんがいて」
「うん」
「大事にしなきゃダメよ」
「うん」
「ごめんなさい。また説教して」
「気にしなくていいよ。アリスの思ったことを話してくれればいいよ」
「うん。ありがとう」
「さあカレーを食べに行こう。カレーを食べる場所は一階にあるんだ」
「うん」
僕はアリスと一緒にダイニングに向かった。
・・・アリスはカレーを本当に美味しそうに食べた。
「すごく美味しいです。こんな美味しい食物初めて食べました。どれだけでも食べれる気がします」
「そこまで美味しいって言われるとなんか照れるわ」
と照れる母親。
「本当に美味しいんです。この国では普通の家庭でも毎日こんな美味しいものを食べてるんですか?」
「まあ、カレーばかり食べてるわけではないけど、カレーレベルの美味しさの食事は毎日食べてるわね」
「すごい国ですね。私の国だったらこのカレーレベルの美味しさの食物は王族とか貴族しか食べられないですよ」
「アリスちゃんの国には、王族とか貴族がいるんだ」
「はい」
「王族とか貴族って威張ってるってイメージが私の中にはあるんだけど、実際はどうなの
」
「威張ってますね。進行の邪魔をしたというだけで処刑された人もいます」
「酷い・・・」
母は顔を強張らせる。
「はい。酷いです。この国には王族や貴族はいないんですか?」
「いないわね。王族や貴族みたいに嫌な奴はいるけど、アリスちゃんの国みたいにあからさまに酷いことはできないわね。そんな酷いことをしたら罰を受けるからね」
「この国では、王族や貴族みたいな人でも、ちゃんと罰を受けるんですね」
「そうね」
「やっぱり良い国なんですね。このニホンという国は」
「そうね」
「羨ましいです。私の国は罰を受けるべき人が罰を受けない場合が多いから。そして罰を受ける必要のない人が罰を受ける場合が多いから」
「・・・でも今はアリスちゃんもこの国の一員よ。だから羨ましいなんて言わないで」
「はい」
アリスは笑顔でうなずいた。
「そういえばアリスちゃんって日本語上手ね」
「日本語。私の話している言葉は日本語っていうんですか?私の国ではこの言葉をアスラーン語っていいます」
「そうなんだ。もしかしたらアスラーン王国の創設者って日本人だったのかもしれないわね」
「さあ、私にはわかりませんね。学校に行ってる人ならわかるかもしれませんが・・・私にはそういう知り合いいなかつたので」
「アリスちゃん、学校通ったことなかったのよね」
「はい」
「学校行きたい?」
「行ってみたいですね」
「じゃあ、行きなさいよ。行けるよう私が手続きしてあげるから」
「そんな・・・ここに居させてもらえるだけでも有り難いことなのに。学校まで行かせていただくなんてできません」
「遠慮しないで。私、意外とお金持ってるんだから」
「母さん、お金持ってるの?」
「まあね。ブログで結構儲けてるのよ」
「知らなかった」
「言ってないからね」母親は笑う。「だからアリスちゃん、遠慮することないのよ」
「でも・・・」
「アリス。母さんが遠慮しないでって言ってるときは遠慮しないであげて。遠慮されるほうが母さん落ち込むから」
「そうよ。アリスちゃん。私を落ち込ませないためにも私の好意を受け取って」
「・・・はい。ありがたく頂戴します」
アリスは目を潤ませながら言った。
というわけでアリスは学校に通うことになった。
母親が気さくに言う。
「カレーってなんですか?」
「琢磨が大好きな食物のことよ。ねっ琢磨」
「うん。美味しいよ」
「食べたいです」
「すぐ用意するね」
母親が部屋を出て行く。
「素敵なママさんね」
「うん」
「普通なら私のような女を家に居てもいいなんて言わないわ。本当に素敵なママさん」
「うん」
「私にもママはいるの。でも、タクマのママさんのように素敵ではないの。自分のことしか考えてない勝手な人だった。だからね、私は母親の愛情っていうものを知らずに生きてきたの。でも今日、母親の愛情っていうものはこういうものなんだなって知ることができた。タクマのママさんのおかげで。タクマが羨ましいわ。あんな素敵なママさんがいて」
「うん」
「大事にしなきゃダメよ」
「うん」
「ごめんなさい。また説教して」
「気にしなくていいよ。アリスの思ったことを話してくれればいいよ」
「うん。ありがとう」
「さあカレーを食べに行こう。カレーを食べる場所は一階にあるんだ」
「うん」
僕はアリスと一緒にダイニングに向かった。
・・・アリスはカレーを本当に美味しそうに食べた。
「すごく美味しいです。こんな美味しい食物初めて食べました。どれだけでも食べれる気がします」
「そこまで美味しいって言われるとなんか照れるわ」
と照れる母親。
「本当に美味しいんです。この国では普通の家庭でも毎日こんな美味しいものを食べてるんですか?」
「まあ、カレーばかり食べてるわけではないけど、カレーレベルの美味しさの食事は毎日食べてるわね」
「すごい国ですね。私の国だったらこのカレーレベルの美味しさの食物は王族とか貴族しか食べられないですよ」
「アリスちゃんの国には、王族とか貴族がいるんだ」
「はい」
「王族とか貴族って威張ってるってイメージが私の中にはあるんだけど、実際はどうなの
」
「威張ってますね。進行の邪魔をしたというだけで処刑された人もいます」
「酷い・・・」
母は顔を強張らせる。
「はい。酷いです。この国には王族や貴族はいないんですか?」
「いないわね。王族や貴族みたいに嫌な奴はいるけど、アリスちゃんの国みたいにあからさまに酷いことはできないわね。そんな酷いことをしたら罰を受けるからね」
「この国では、王族や貴族みたいな人でも、ちゃんと罰を受けるんですね」
「そうね」
「やっぱり良い国なんですね。このニホンという国は」
「そうね」
「羨ましいです。私の国は罰を受けるべき人が罰を受けない場合が多いから。そして罰を受ける必要のない人が罰を受ける場合が多いから」
「・・・でも今はアリスちゃんもこの国の一員よ。だから羨ましいなんて言わないで」
「はい」
アリスは笑顔でうなずいた。
「そういえばアリスちゃんって日本語上手ね」
「日本語。私の話している言葉は日本語っていうんですか?私の国ではこの言葉をアスラーン語っていいます」
「そうなんだ。もしかしたらアスラーン王国の創設者って日本人だったのかもしれないわね」
「さあ、私にはわかりませんね。学校に行ってる人ならわかるかもしれませんが・・・私にはそういう知り合いいなかつたので」
「アリスちゃん、学校通ったことなかったのよね」
「はい」
「学校行きたい?」
「行ってみたいですね」
「じゃあ、行きなさいよ。行けるよう私が手続きしてあげるから」
「そんな・・・ここに居させてもらえるだけでも有り難いことなのに。学校まで行かせていただくなんてできません」
「遠慮しないで。私、意外とお金持ってるんだから」
「母さん、お金持ってるの?」
「まあね。ブログで結構儲けてるのよ」
「知らなかった」
「言ってないからね」母親は笑う。「だからアリスちゃん、遠慮することないのよ」
「でも・・・」
「アリス。母さんが遠慮しないでって言ってるときは遠慮しないであげて。遠慮されるほうが母さん落ち込むから」
「そうよ。アリスちゃん。私を落ち込ませないためにも私の好意を受け取って」
「・・・はい。ありがたく頂戴します」
アリスは目を潤ませながら言った。
というわけでアリスは学校に通うことになった。
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