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PockET - ポケット

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#06「二人」

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- 漆が淵区域に向かう車内にて -
千歳「これ...自動運転か」
真白「そうだけど...そんなことよりこの後の影因体がどんなのかモニタリングしないと」
千歳「モニタリング?そんなことできるのか」
画面から:澪「そうよ」
千歳「わっ!?月森さん...監視してるんですか、僕たちのこと」
画面から:澪「当たり前でしょ。あなた研修中よ?」
真白「まぁ、そうだよね」
画面から:澪「今から行くのは漆が淵第3埠頭ね。造船所があったけど、爆発事故で母子が亡くなってるわ」
千歳「その2人のどちらかの影因体なのだろうけど、死んだなら影は生まれなくないですか?」
画面から:澪「実際影因体化したのは子の方だけなのと、死ぬ間際に生み出してしまったの。だから子の方は焼死ではなく、影に殺された」
真白「残酷、だね」
ナビ「目的地ニ到着シマシタ 現在ノ情応値ハ49.84デス」
画面から:澪「行ってきなさい」

タッ
真白「だいぶ荒廃してるし、入り組んでるね...」
千歳影「...ここどこだ」
千歳「影因体がいるとこ」
真白「わっ!?!?!?」
千歳「落ち着いて、ちゃんと僕が制御できる」
千歳影「すまない。千歳の影因体だ」
真白「え、所持影因体?」
千歳影「たまたまそうなったんだよ」
真白「へぇ...っていうか、私1人で処理しきれないけど、倒してくれるの?影因体」
千歳「え?あ...」
千歳影「俺も戦ったことないぞ」
千歳「まあ、なんとかなるだろ」
真白(意外とポジティブ思考だな...)

ドォォォン!!!
真白「...来た!?」
千歳「来たか」
漆が淵影「ヴヴ...ヴァァァァァッ!!!」
ピカンッ...バシャァァァ
千歳「水...!?」
真白「コンテナに上がるよ!!」
ビュンッ...タンッ
漆が淵影「ヴッ...ヴヴヴヴ!!!」
バシャンッバシャァァァァ
真白「これじゃあ記憶代われないよ!!」
千歳影「...行ってみる」
ビュンッ
ガッ(影因体に飛びつく
千歳「おい大丈夫かよ...!!!」
千歳影「影、お前が辛かったのは分かるぜ、家族亡くすなんて、この上ない痛みだと思う。けどな、その痛みは、治そうとせず投げ出しちゃ絶対にダメだ!!!!」
漆が淵影「ヴヴヴゥゥゥゥッ!!!」
グワンッッッ
千歳影「投げ出すとは、パワータイプなことしやがって」

千歳「これじゃあ一歩も近づけないな...」
真白「援護呼ぶしかないのかな...」
千歳「...なんか武器持ってるか」
真白「え、拳銃なら」
千歳「それ寄越せ。僕も降りる」
真白「影と直接やり合うなんてどんな危険なことか分かってるの!?!?私の相方だって...」
千歳「何もしないで死ぬってどんだけ屈辱なんだよ。別に僕はもう死んでもいいんだ」
真白「研修のガキがごちゃごちゃ抜かしてんじゃないっ!!」
千歳「...こうしてる間にも僕の影は戦い続けてるんだよ。僕は、「力」になりたい。この世界を修正するための」
真白「んー...もう!!!知らんよ!!!死んでも!!!」
千歳「わかってるわ」
ジャキッ...ヒュンッタッ
千歳影「千歳...なんで降りてきた」
千歳「手伝いぐらいいいでしょ」
カチッ
バンバァンッ
漆が淵影「?」
スッ
千歳影「効くわけないだろ。そんな鉄の塊」
千歳「...そうなんだよなあ。そうだよな」
漆が淵影「ヴ...ヴァァァァァァ」
千歳影「おい、こっち向かってきてるぞ!!!」
千歳「....!」
千歳影「なんだよ、一旦逃げるぞ!!」
千歳「...ああ」
ダダダダ...
ビュンッ
千歳影「ずっと俺の背中ついてきてるけど、前行かないのか。死ぬぞ」
漆が淵影「ヴァアアアアア!!!」
千歳「...ああ、いい」
ビュウンッッ
千歳影「なんで俺に突っ込んでくんだよ!!!」
千歳「...僕たちはもともと「1人」だったはずなんだ」
千歳影「何言ってんだお前!!」
ドンッッ!!
千歳影「ぶつかってきた...って...身体が重なった...???」
...ズウウゥッ
???「...怒りも、憎しみも、哀しみも、全部、感じる」
真白「...なにあれ...!?」

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