女になった俺と、

六月 鵺

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魔法回路と代償

十三

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「それにしても鮫の姿は巨大なのに、人の姿は俺より小さいんだな」

家に帰ってきて、コーヒーを飲みながらワンリアと話す。肩車して帰ってきたからか、少し肩が凝った。こうして見ると、なんか弟が出来た気分。
アスを見るとリラックスしまくってるのが分かるほど、すやすや寝てる。

【小さくても力は変わらないからな。問題ないぞ?それにオトナになれば鮫は十メートル、人型は平均点なオトナの男の大きさになるからな】

五メートルちょいでもデカいのに十メートルって、どんだけデカくなるんだよ。人型も絶対大男だろ。

【それにしても、ここのマナがあったとは言え、よくこれだけの物が短期間で自我を持てたな。いくらなんでもなぁ】

不可解そうな顔をしながら、騒がしい物達を見渡す。

「……?問題でもあるのか?」

【別に問題はないけどよ……。物に自我が宿るにはここのマナを以てしても、五十年前後はかかるんだよ。普通は百年くらいかかるから、五十年でもすげぇ早いんだぞ?それがたかが八年で宿るなんて、マナに異常があるのかと心配にならねぇか?】

「そう言われたら疑問にはなるけど、別に問題はないからいいんじゃないのか?それよりこの胸切り落としたい」

歩く度に揺れる胸が鬱陶しい。女ってよくこんなもんぶら下げてられるよな。
しかもよりデカい方が勝者って。谷間を強調するドレスやら、ウエストを細くするためのコルセットやら、足をより細く見せるためのハイヒールやら。
バケモンなんじゃなかろうか。
女はきっとバケモンだ。男を誘うための手段、女同士の狡猾で陰湿な争い。あれをバケモンと言わずしてなんと言うんだ。
そういえば……生理って来んのかな。アマネが生理来て、苦しがってたのを覚えてる。魔法で痛みを抑えてはいたけど。生理とか嫌だなぁ……。煩わしそうだし。

【ま、そう悪いことばかりじゃねぇって。それかあれか?彼女との夜の営みを心配してるのか?】

「あのな……」

こいつ……。俺の周りには変態しかいないのかな?
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