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宵闇御伽草紙
宵闇御伽草紙 第一章(02) 湯屋御厨の湯船にて
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宵闇御伽草紙 第一章(02) 湯屋御厨の湯船にて
[newpage]#01 湯屋御厨
今は昔となりにけり。
渡辺館には、家祖の築いた、湯屋御厨が建っておりました。渡辺館の建っていた場所は、上町台地の北端、今の大阪城が建っている丘陵でありました。綾様は、一寸を肩に乗せて、渡辺館に戻ると、湯女狐に命じて、湯屋御厨の御厨に設置された巨大な水桶には、鉄燈籠が置かれ、四六時中交代で湯女狐と呼ばれたあやかしが狐火を入れて、湧き水を温泉のように湯をかけ流しで、湯舟を満たしていたのです。
一丈四方の湯船は大きく、人の姿をした綾様にとっても大きく、広々としていた。湯は深く張られて、深さ二尺はあったので、一寸は泳げずに溺れそうになっていた。綾様は、溺れそうな一寸を掴むと、湯船の端に腰掛させた。
「少し待て、椀を」
湯女狐に言うと、隣の御厨から、汁を入れる椀を、湯女狐が持ってきたので、綾様が手桶で湯を入れると、椀の中に一寸を入れた。
「すまない」
「ははは、気にするな」
綾様は、笑って言った。
[newpage]#02 浪花宮の斎様
一寸が、椀の中で、湯につかって居ると、
「あ~~~や~~~ぁ~」
地の底から這うような声がして、綺麗な水干の衣を纏った巫女姿の女性、、白い肌と漆黒の長い艶々の髪をした女性が、現れて綾様を呼んでいた。
綾様が、
「か、母様・・・」
一寸が入った椀を手に持って、差し出す様にして、湯殿に入ってきた女性の前にして、隠れるように…まったく隠れられていなかったが…答えた。
「何です、お前は、私は浪花宮が、斎ですよ」
浪花宮は、斎様を主とする、摂津の国、浪花の町を含めた上町台地一帯は、浪花斎宮院領であり、斎様が御領主様です。斎様は、崩御された先の上皇様の娘でもありますから、やんごとなき御方でありました。
「一寸、浪花の住吉が近く、八十島の一つから来ました、一寸法師と言います」
と俺は答えて、頭を下げると、ぶくぶく息が続かなくなっていって、必死で我慢していると、斎様が、椀からつまみ上げて、椀の湯を捨てて助けてくれました。
「ここは、湯殿です、礼は無用です」
そう言って、俺を掴んで、椀を空にして俺を椀に戻すと、そのまま湯船に浮かべたのです。空になった椀は、俺を乗せたまま、湯船にぷかぷかと浮かべると、斎様は何事も無かったように、綾に向かって叱り始めた。
「化生をしてはならぬと申したのに、また、化生したのですね、綾ッ」
「は、つい……」
「来月よりは、京洛へ赴き、武士として、務めるものを」
「は、はい……で、ですから……」
どうやら、綾様は、京洛へ上がって、務めるらしい……
「綾ッ、貴女は、私の娘です。斎の娘なのです。あやかしではないのですよ」
天朝様の定めた、御法では、人を母とすれば人、あやかしを母とすればあやかしとなっています。俺も法からすれば、人の父母より、生まれた人ですが、小さ過ぎる身体なので、人として扱われたことはありません。おそらくは、綾様も・・・
[newpage]#03 本生と化生
蒼い肌に鱗紋が浮かび、蒼黒の髪、金色の縦に割れた瞳・・・蒼い肌は、艶やかに美しい鱗紋を浮かべ、ボンっと大きな胸乳に薄紫の乳首、キュッと絞り上げた腰、ボンっと蒼く艶やかな尻は、美しい女性の姿をしたあやかしにしか見えなかった。
(母か・・・)
一寸は、綺麗な綾様の姿を、ぼぉーっと見ながら、自身の母を思っていました。
島の者達に、あやかしと呼ばれながら、母だけは自分は人なのだから、人なのだと言ってはくれたが、自分が人であるのか、自分では判らなかった。蒼い鱗紋が浮かぶ、艶やかな肌は、ほんとに綺麗で、いつのまにかたぎり聳え立っていた。
「ほぉ、妾を、綺麗と思ってくれるのか、一寸」
椀を覗き込むように、綾様が、たぎり聳え立つモノを見ていた。
「え、あ、」
「隠さずとも好い、ほれ」
すっと、綾様は、六寸に化生して、椀に飛び込むようにして入ってきた。
[newpage]#01 湯屋御厨
今は昔となりにけり。
渡辺館には、家祖の築いた、湯屋御厨が建っておりました。渡辺館の建っていた場所は、上町台地の北端、今の大阪城が建っている丘陵でありました。綾様は、一寸を肩に乗せて、渡辺館に戻ると、湯女狐に命じて、湯屋御厨の御厨に設置された巨大な水桶には、鉄燈籠が置かれ、四六時中交代で湯女狐と呼ばれたあやかしが狐火を入れて、湧き水を温泉のように湯をかけ流しで、湯舟を満たしていたのです。
一丈四方の湯船は大きく、人の姿をした綾様にとっても大きく、広々としていた。湯は深く張られて、深さ二尺はあったので、一寸は泳げずに溺れそうになっていた。綾様は、溺れそうな一寸を掴むと、湯船の端に腰掛させた。
「少し待て、椀を」
湯女狐に言うと、隣の御厨から、汁を入れる椀を、湯女狐が持ってきたので、綾様が手桶で湯を入れると、椀の中に一寸を入れた。
「すまない」
「ははは、気にするな」
綾様は、笑って言った。
[newpage]#02 浪花宮の斎様
一寸が、椀の中で、湯につかって居ると、
「あ~~~や~~~ぁ~」
地の底から這うような声がして、綺麗な水干の衣を纏った巫女姿の女性、、白い肌と漆黒の長い艶々の髪をした女性が、現れて綾様を呼んでいた。
綾様が、
「か、母様・・・」
一寸が入った椀を手に持って、差し出す様にして、湯殿に入ってきた女性の前にして、隠れるように…まったく隠れられていなかったが…答えた。
「何です、お前は、私は浪花宮が、斎ですよ」
浪花宮は、斎様を主とする、摂津の国、浪花の町を含めた上町台地一帯は、浪花斎宮院領であり、斎様が御領主様です。斎様は、崩御された先の上皇様の娘でもありますから、やんごとなき御方でありました。
「一寸、浪花の住吉が近く、八十島の一つから来ました、一寸法師と言います」
と俺は答えて、頭を下げると、ぶくぶく息が続かなくなっていって、必死で我慢していると、斎様が、椀からつまみ上げて、椀の湯を捨てて助けてくれました。
「ここは、湯殿です、礼は無用です」
そう言って、俺を掴んで、椀を空にして俺を椀に戻すと、そのまま湯船に浮かべたのです。空になった椀は、俺を乗せたまま、湯船にぷかぷかと浮かべると、斎様は何事も無かったように、綾に向かって叱り始めた。
「化生をしてはならぬと申したのに、また、化生したのですね、綾ッ」
「は、つい……」
「来月よりは、京洛へ赴き、武士として、務めるものを」
「は、はい……で、ですから……」
どうやら、綾様は、京洛へ上がって、務めるらしい……
「綾ッ、貴女は、私の娘です。斎の娘なのです。あやかしではないのですよ」
天朝様の定めた、御法では、人を母とすれば人、あやかしを母とすればあやかしとなっています。俺も法からすれば、人の父母より、生まれた人ですが、小さ過ぎる身体なので、人として扱われたことはありません。おそらくは、綾様も・・・
[newpage]#03 本生と化生
蒼い肌に鱗紋が浮かび、蒼黒の髪、金色の縦に割れた瞳・・・蒼い肌は、艶やかに美しい鱗紋を浮かべ、ボンっと大きな胸乳に薄紫の乳首、キュッと絞り上げた腰、ボンっと蒼く艶やかな尻は、美しい女性の姿をしたあやかしにしか見えなかった。
(母か・・・)
一寸は、綺麗な綾様の姿を、ぼぉーっと見ながら、自身の母を思っていました。
島の者達に、あやかしと呼ばれながら、母だけは自分は人なのだから、人なのだと言ってはくれたが、自分が人であるのか、自分では判らなかった。蒼い鱗紋が浮かぶ、艶やかな肌は、ほんとに綺麗で、いつのまにかたぎり聳え立っていた。
「ほぉ、妾を、綺麗と思ってくれるのか、一寸」
椀を覗き込むように、綾様が、たぎり聳え立つモノを見ていた。
「え、あ、」
「隠さずとも好い、ほれ」
すっと、綾様は、六寸に化生して、椀に飛び込むようにして入ってきた。
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