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過去の記憶
ロンドニゥムの町と融合政策
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今は、昔のこと。
ケータ・ユルティウス・カツラギは、ローマで生まれ、ロンドニゥムで育った。
物心ついた頃から、大きくなっていくロンドニゥムを見ながら、俺は育ったんだ。
そして、夢で見たこと、炎上するロンドニゥムの町、虐殺される市民達そんな未来を防ぎたい。それが、ケータ・ユルティウス・カツラギの夢だ。
闘技場は、最初は中央に石の台を築き、周囲に座席を造っただけであった。だから、ロンドニゥムの闘技場は、誰でも入ることができる公園のような場所として造られていた。だから、ローマにあった闘技場と違って、誰にでも観戦できた。民会議員以外に座席に座ることはできず、賭けに参加することはできなかったが、民会議員のケントゥリとなれば、民会議員と同じ相手に賭けることはできた。
特に、イケニの者達が出稼ぎに来るようになると、イケニの女や男が闘技や拳闘に参加するようになり、強い女や男には、民会議員がパトロンとなって、クリエンテと呼ばれる闘技士や拳闘士を引き立てるようになった。
負けると、借金を背負い、民会議員から拳奴や剣奴になる者まで出た。勝ち続ければ、護民官とよばれる、警備の仕事が得られて、女であれば、民会議員に見初められて愛妾となって、息子をなせば、息子はローマ市民の権利を得た。男であれば、貴族の娘に見初められ、貴族である父親に認められれば、生まれた子を父親の養子となって、ローマ市民の権利を得ることができた。
ローマの闘技場は、女性や子供が入れないが、ロンドニゥムでは、入場制限が無かった。また、闘技に参加する制限も無かった。
ローマンコンクリートで闘技場を建設した時、ロンドニゥム市民権が別に規定された。ロンドニゥムに在住し、年に銀貨二百枚を払う者をロンドニゥム市民権を付与し、闘技場へ入ることを許された。ロンドニゥムの市民権が無い者は、闘技場に銀貨十枚払えば、一時的にロンドニゥム市民権を付与し、入場することができた。ロンドニゥムの市民権は、税を納めた者に付与される権利となった。
退役軍人の場合は、館と民会議員の役職が与えられた。
市民権を持つ者は、公民館で寝泊まりすることができ、食事が朝と夕に提供された。家族を連れて公民館に泊まるためには、家族一人あたりに銀貨二百枚の支払いが必要となった。妻と子が居れば銀貨六百枚必要となる。
ローマ兵の賃金が、一日銀貨一枚~三枚であった。
家族が1日暮らすには、銅貨二十枚前後が必要であった。
金貨1枚=銀貨25枚
銀貨1枚=銅貨16枚
ロンドニゥム市民権について
コンメルキウム
ロンドニゥムでの土地の購入、市民同士の契約は法的拘束力を持つ。
コヌビウム
ロンドニゥムの市民は、互いに婚姻することができる。
ユス・ロンドニゥム
ロンドニゥムの市民は、市に在住することで、市の市民権を得られる。
これが、市民税の支払い結果によって得られる権利となった。ただ、民会の議席を得ることはできないが、民会議員のケントゥリに入ることはできた。民会議員は、ケントゥリの数によって、発言力が異なった。
民会議員の仕事は、自分のケントゥリからの徴税であり、自分のケントゥリを養う義務を負っていた。公民館の建設や維持管理費用は、民会議員の支払いであった。民会議員がロンドニゥムに支払う税金は、ケントゥリ一人あたり銀貨二十枚であった。
ケントゥリの数に応じた税金を納められなくなれば、民会議員の議席を失うこととなった。
税さえ払えば市民。これが商業都市ロンドニゥムを発展させたのである。
ロンドニゥムのローマ市民は三百名。この三百名がロンドニゥム民会議員数であった。
ロンドニゥムの公共施設は、ほとんど父ラグラティウスが、私財で建設していた。輸送事業で得た収益をつぎ込んで、水道を引いて、下水道を設置して、ロンドニゥムの町を築いていた。ローマ軍では、コホルスを指揮する筆頭百人長でもあったことから、ローマ帝国市民としても騎士階級であり、ローマ貴族である母ティリアとの婚姻によって、元老院議員の道もあったと、母様が言っていたけれど、父は辺境の執政官の方が良いと笑っていったそうだ。
きっと、自分より偉い人間が居る中央より、自分より偉い人間が居ない地方が良いということなのだろう。ブリタニア属州の総督は軍団長だが、植民都市ロンドニゥムの執政官は、俺だけだし、ブリテン島で生産される麦は、ロンドニゥムにほとんどが集積し、各地へと運ばれていった。
イケニ族は、クラウディウスによるブリタニア遠征によって、ローマ帝国の傘下となった族長プラグタグスを王として独立勢力を維持していた。
プラグタグスは、周辺諸部族を制圧することで、ノリッジからカムロデュウム、ロンドニゥムへ至るまでの街道を確保し、交易による利潤をあげていた。ノリッジを含めたイケニの領域が、カムロデュウム、ロンドニゥムの穀倉地帯となっていた。
ノリッジ一帯は、北方スコットランドやウェールズとの交戦にあたって、兵站供給源ともなっていた。
兵員は、ローマ軍団の規律は、鉄の規律ではあるが、それはローマ市民に対してであって、他民族はその範囲には含まれて居ない。異民族に対しては、虐殺や輪姦など当たり前のように起こすし、それは罪ではない。二千年前の軍隊にとって、異民族は人間ではなかった。
ローマ軍の兵員は、ローマの市民権を持つため、市民でない他民族の者を虐殺しても強姦しても罪にはならない。ただ、植民都市の市民権は、ローマ市民と同等となるため、虐殺も強姦も許されていない。
夢の記憶では、正確な年数とかは良く判らない。帝国との和議は、プラグタグスが生きている間は、問題ないハズ。問題は、プラグタグスが死んだ後の対応にある。ボゥーディカを闘技会で倒し、俺の傍に置くことができれば、とりあえず、ロンドニゥムを防衛することだけを考えれば良い。トイケニとの戦はできる限り避けたい。
父が、融合策をとったこともあり、植民都市の市民権保有者を拡大することで、ローマ帝国の横暴を阻止することができれば、戦争は起きない・・・と良いな。
ケータ・ユルティウス・カツラギは、ローマで生まれ、ロンドニゥムで育った。
物心ついた頃から、大きくなっていくロンドニゥムを見ながら、俺は育ったんだ。
そして、夢で見たこと、炎上するロンドニゥムの町、虐殺される市民達そんな未来を防ぎたい。それが、ケータ・ユルティウス・カツラギの夢だ。
闘技場は、最初は中央に石の台を築き、周囲に座席を造っただけであった。だから、ロンドニゥムの闘技場は、誰でも入ることができる公園のような場所として造られていた。だから、ローマにあった闘技場と違って、誰にでも観戦できた。民会議員以外に座席に座ることはできず、賭けに参加することはできなかったが、民会議員のケントゥリとなれば、民会議員と同じ相手に賭けることはできた。
特に、イケニの者達が出稼ぎに来るようになると、イケニの女や男が闘技や拳闘に参加するようになり、強い女や男には、民会議員がパトロンとなって、クリエンテと呼ばれる闘技士や拳闘士を引き立てるようになった。
負けると、借金を背負い、民会議員から拳奴や剣奴になる者まで出た。勝ち続ければ、護民官とよばれる、警備の仕事が得られて、女であれば、民会議員に見初められて愛妾となって、息子をなせば、息子はローマ市民の権利を得た。男であれば、貴族の娘に見初められ、貴族である父親に認められれば、生まれた子を父親の養子となって、ローマ市民の権利を得ることができた。
ローマの闘技場は、女性や子供が入れないが、ロンドニゥムでは、入場制限が無かった。また、闘技に参加する制限も無かった。
ローマンコンクリートで闘技場を建設した時、ロンドニゥム市民権が別に規定された。ロンドニゥムに在住し、年に銀貨二百枚を払う者をロンドニゥム市民権を付与し、闘技場へ入ることを許された。ロンドニゥムの市民権が無い者は、闘技場に銀貨十枚払えば、一時的にロンドニゥム市民権を付与し、入場することができた。ロンドニゥムの市民権は、税を納めた者に付与される権利となった。
退役軍人の場合は、館と民会議員の役職が与えられた。
市民権を持つ者は、公民館で寝泊まりすることができ、食事が朝と夕に提供された。家族を連れて公民館に泊まるためには、家族一人あたりに銀貨二百枚の支払いが必要となった。妻と子が居れば銀貨六百枚必要となる。
ローマ兵の賃金が、一日銀貨一枚~三枚であった。
家族が1日暮らすには、銅貨二十枚前後が必要であった。
金貨1枚=銀貨25枚
銀貨1枚=銅貨16枚
ロンドニゥム市民権について
コンメルキウム
ロンドニゥムでの土地の購入、市民同士の契約は法的拘束力を持つ。
コヌビウム
ロンドニゥムの市民は、互いに婚姻することができる。
ユス・ロンドニゥム
ロンドニゥムの市民は、市に在住することで、市の市民権を得られる。
これが、市民税の支払い結果によって得られる権利となった。ただ、民会の議席を得ることはできないが、民会議員のケントゥリに入ることはできた。民会議員は、ケントゥリの数によって、発言力が異なった。
民会議員の仕事は、自分のケントゥリからの徴税であり、自分のケントゥリを養う義務を負っていた。公民館の建設や維持管理費用は、民会議員の支払いであった。民会議員がロンドニゥムに支払う税金は、ケントゥリ一人あたり銀貨二十枚であった。
ケントゥリの数に応じた税金を納められなくなれば、民会議員の議席を失うこととなった。
税さえ払えば市民。これが商業都市ロンドニゥムを発展させたのである。
ロンドニゥムのローマ市民は三百名。この三百名がロンドニゥム民会議員数であった。
ロンドニゥムの公共施設は、ほとんど父ラグラティウスが、私財で建設していた。輸送事業で得た収益をつぎ込んで、水道を引いて、下水道を設置して、ロンドニゥムの町を築いていた。ローマ軍では、コホルスを指揮する筆頭百人長でもあったことから、ローマ帝国市民としても騎士階級であり、ローマ貴族である母ティリアとの婚姻によって、元老院議員の道もあったと、母様が言っていたけれど、父は辺境の執政官の方が良いと笑っていったそうだ。
きっと、自分より偉い人間が居る中央より、自分より偉い人間が居ない地方が良いということなのだろう。ブリタニア属州の総督は軍団長だが、植民都市ロンドニゥムの執政官は、俺だけだし、ブリテン島で生産される麦は、ロンドニゥムにほとんどが集積し、各地へと運ばれていった。
イケニ族は、クラウディウスによるブリタニア遠征によって、ローマ帝国の傘下となった族長プラグタグスを王として独立勢力を維持していた。
プラグタグスは、周辺諸部族を制圧することで、ノリッジからカムロデュウム、ロンドニゥムへ至るまでの街道を確保し、交易による利潤をあげていた。ノリッジを含めたイケニの領域が、カムロデュウム、ロンドニゥムの穀倉地帯となっていた。
ノリッジ一帯は、北方スコットランドやウェールズとの交戦にあたって、兵站供給源ともなっていた。
兵員は、ローマ軍団の規律は、鉄の規律ではあるが、それはローマ市民に対してであって、他民族はその範囲には含まれて居ない。異民族に対しては、虐殺や輪姦など当たり前のように起こすし、それは罪ではない。二千年前の軍隊にとって、異民族は人間ではなかった。
ローマ軍の兵員は、ローマの市民権を持つため、市民でない他民族の者を虐殺しても強姦しても罪にはならない。ただ、植民都市の市民権は、ローマ市民と同等となるため、虐殺も強姦も許されていない。
夢の記憶では、正確な年数とかは良く判らない。帝国との和議は、プラグタグスが生きている間は、問題ないハズ。問題は、プラグタグスが死んだ後の対応にある。ボゥーディカを闘技会で倒し、俺の傍に置くことができれば、とりあえず、ロンドニゥムを防衛することだけを考えれば良い。トイケニとの戦はできる限り避けたい。
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