光速のジャングラー ~eスポ部作ったからLoLやろうよ~

マサタロウ

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eスポーツ部誕生

13 LoLが起動しない

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 真紀のゲームが終わった後、しばらくしてLoLのインストールが完了した。

「インストールが終わったみたいだから、まずはアカウントを作らないと。翔君はアカウント持っているんだっけ?」

「あぁ、持っとるよ」

「じゃあ、真紀さんだけアカウントを取得すればいいね。起動したらメールアドレスを入力してもらうよ」

 そう言い、速人はLoLを起動した。

「あれ? 変だな」

 速人は首を傾げた。LoLが起動しなかったのだ。正確には起動したのだが、タイトルが表示されるとゲームがフリーズしてしまった。

『LoLは比較的軽いゲームだから、学校のPCのスペックなら十分に動くはず。ネットもちゃんと繋がっているし、OSも問題ない。何が原因なんだろう?』速人はゲームが起動しない原因を考えていた。

「おい、光速。どうした、こわけとる?」

「う~ん、何故だかわからないけどゲームが動かないんだ」

 速人は困った顔をし、翔に言った。
 その時、真紀が突然声を上げた。

「真理亜さん、久しぶり」

「あれっ、真紀どうしたの?」

 真紀が向いている方を見ると、安倍真理亜が実習室の入り口に立っていた。真理亜はそのまま真紀の方へ向かった。

「知り合いだったの?」

「うん、中学の時の同級生だよ」

 真紀は微笑みながら速人に応えた。

「あの子って入学式で新入生代表の挨拶した子だよな。近くで見ると、でら美人だがね」

 翔は鼻の下を伸ばし、ニヤニヤしている。
 真理亜がそばまで来ると真紀が言った。
 
「今日はeスポーツ部の説明を聞きに来たんだよ」

「真紀、この『ゲームバカ』に騙されてない?」

「大丈夫。すごくいい人達だよ」

「真理亜さん。俺、多田野翔って言います。翔って呼んでください」

「あ、そうですか」と真理亜は無表情で気のない返事をした。

「翔君、無駄だよ。真理亜さん中学の頃から男嫌いだから」

「あぁ、そうなんか……」

 翔は露骨に残念そうな顔をする。

「真理亜さん、少し知恵を借りたいんだけど」

 速人は真理亜に質問をした。

「実は、LoLをインストールして起動させたんだけど、何故か突然フリーズしてしまうんだ。スペック的には問題ないと思うんだけど、何か心当たりない?」

 真理亜は速人が使っているPCを操作して、タスクマネージャーを起動し、しばらく眺めた。

「うーん、システムは正常に動いているわね。そうなると防火壁ファイアウォールでポートが遮断されている可能性があるわ」

「えっ、ファイアウォール? ポートって何?」

「えーっと、IPアドレスは分かるわよね?」

「インターネットに繋がったPCの固有番号だよね?」

「そうよ。だけどデータを送受信するにはIPアドレスだけでは足りなくて、ポート番号が必要なの。例えるなら、マンションの住所がIPアドレスで、部屋番号がポート番号になるかな。普段、使われていない部屋のポストは、蓋をして使えないようにしておかないと悪戯されるかもしれないでしょ。だからポストに蓋をするのに当たるのが、ポートの遮断って事よ。つまり、ファイアウォールが、このゲームで使うポートを使えないようにしている事が、フリーズしてしまう原因だと思うの」

「じゃあ、どうすればポートを開放できるの?」

「その前にこのゲームで必要なポート番号を調べる必要があるわね」

 そう言うと真理亜はGoogleを開き、『LoL ポート番号』で検索をした。

「あった、これね」

5000 - 5500 UDP (League of Legends Game Client)
8393 - 8400 TCP (Patcher and Maestro)
2099 TCP (PVP.Net)
5223 TCP (PVP.Net)
5222 TCP (PVP.Net)
80 TCP (HTTP Connections)
443 TCP (HTTPS Connections)
8088 UDP and TCP (Spectator Mode)

「じゃあ、ポートの開放お願いします」

 速人はそう言い、ペコリと真理亜に頭を下げた。

「残念だけどそれは無理。勝手に私がポートの開放する事はできないの。ネットワーク管理者の仕事ね。佐藤先生に開放するポートの情報を持ってお願いするしかないわ」

 真理亜はポート情報をプリントアウトした。

「真理亜さん、ありがとう」

 速人はプリントアウトされたコピー用紙を持ってPC実習室を駆け出し、佐藤がいる職員室へ向かった。
 まったく話についていけない翔と真紀は、ぽかんと口を開けたままだった。

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