不死だらな転生者

謁見前日

翌朝ジンは約束通りチルミル侯爵を迎えに来ていた。


「私の国の為に高度な転移の魔法を使って頂けるとは感謝の表しようがございません。」


チルミルはジンに頭を下げる。


「かまいませんよ。
今は国の一大事ですし、転移の魔法は買い物に行く程度でも使っていますので…」


ジンは苦笑いするもチルミルはジン以外使うことの出来ない魔法を自分や国の為に使ってもらえると恐縮する。


「向こうに着いてから私の屋敷に一旦移動して、そこから王に謁見となります。
ジン様の事を他の者に聴かれないように密談形式にしなくてはいけませんので、丸々1日程時間がかかるかと思います。
宜しければ私を送って頂いた後、ジン様の関係者を王都の我が屋敷に呼び王都観光などいかがでしょうか？
屋敷を自由に使って頂いて構いませんし、我が家の馬車も自由に使っていただいて構いません。」


「それはありがたいです。
王都へ行った事のないメンバーも居ますので喜ぶと思います。」


「それでは早速ですが魔法を使って頂いてもよろしいでしょうか」


そしてジンとチルミルは王都へと転移する。


「おおっ、これが転移の魔法…」


チルミルは初めて我が身で転移を経験して感動しているが我に返り行動に移す。


「あっ、屋敷に向かいましょう。
この場所からであれば歩いて5分程で私の屋敷に着けます。」


上級貴族が歩いて屋敷に向かうなど前代未聞だがそんな事はチルミルも言ってられないと分かっている。


「皆の物聞け！
此方におられるジン様は私の最上級の友人である。
ジン様の発言は私の発言と同等として扱うのだ。」


チルミルは王都の屋敷の使用人に最上級にもてなすよう指示を出し、後にジンの知り合いが合流してくると説明をしっかりする。


「ジン様、私は今から城へ向かいます。
自分の家と思って今日１日ごゆっくりと寛いで下さい。」


「侯爵閣下、ありがとうございます。」


屋敷の使用人達に変に怪しまれないよう遜って感謝の言葉をかける。



「ジン様、旦那様が城に向かわれている間、行きたい所などございましたら馬車を出しますのでお申し付け下さい。」


白髪のいかにもジェントルマンのような執事がジンに言葉をかける。


「ありがとうございます。
王都をブラブラとしたいので歩きで出かけますので大丈夫ですよ。」


馬車で移動となるとジンの仲間達を転移させれないのでひとまず歩きで人目のつかなさそうな所を探そうと思っている。


それから半時間程ブラブラして裏通りに出る。


「さて、皆を迎えに行くか」


転移で自宅に戻ると全員リビングて準備して待っていた。


「お待たせ。
早速転移で王都に行こう。
なるべく全員かたまってくれ。」


そう指示をするとジン達は王都に転移する。


裏通りから表通りまで歩く。


「今日一日は観光だから欲しいものや食べたい物があれば遠慮せずに言ってくれ。」


そうジンは言い露店を冷やかしたり牛クシっぽい食べ物を歩きながら食べたりと一日を満喫した。


夕方チルミル侯爵の屋敷に戻って寛いでいるとチルミル侯爵が帰ってきた。


「ジン様、明日の朝一番で王と謁見出来ます。
それと王だけでは無く、今回は戦争になるかもしれませんので重要な役職についている者も立ち会います。」


「チルミル侯爵、手配ありがとうございます。
あまり正体はバラしたくなかったのですが、そうも言ってられなくなりましたね」


ジンとチルミルは難しい顔で話し合う。


その後、夕食を頂き翌日は早いとチルミルが言っていたので早めに寝る事にする。