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主人の娯楽(1)
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今にも鼻歌でも聞こえそうなほど、軽やかな歩調で歩くディオに腕を掴まれ引き摺られるように後を追う。
カチッと部屋の明かりが灯された。明け方にこの部屋に来る事はあったが、夜にカイルが訪れたのはこれが初めてだった。何処かいつもと違う雰囲気に飲まれ、今からされるであろう行為に身を縮こませる。
この状況を察せられないほどカイルももう子供ではない。備え付けのベッドの上に体を投げられてスプリングで沈んだ体を起こそうとすれば、その行動を阻むようにディオが上に覆い被さってくる。
「ディオ様…」
口から出た声は心細そうにディオの名を呼ぶ。
誰かと行為に及ぶのは初めてだった。男に抱かれた事がなければ、女を抱いた事もない。立ち位置的にきっとカイルが女役だろう。そんなカイルが面白いのか、ディオの口元は楽し気に弧を描いていた。
「主従プレイみたいだな」
「…プレイじゃなくて、アンタは主人で俺は従者だ」
「それはそれで燃えるが初めてなんだ。もっと気安く呼べ。さっきも呼んでただろ?」
主命令だと耳元で低く囁く声に何かに耐えるようにキツく目を閉じた。ドキドキと痛いほどに胸が脈打っている。こんな感情、カイルは知らない。
カチッと部屋の明かりが灯された。明け方にこの部屋に来る事はあったが、夜にカイルが訪れたのはこれが初めてだった。何処かいつもと違う雰囲気に飲まれ、今からされるであろう行為に身を縮こませる。
この状況を察せられないほどカイルももう子供ではない。備え付けのベッドの上に体を投げられてスプリングで沈んだ体を起こそうとすれば、その行動を阻むようにディオが上に覆い被さってくる。
「ディオ様…」
口から出た声は心細そうにディオの名を呼ぶ。
誰かと行為に及ぶのは初めてだった。男に抱かれた事がなければ、女を抱いた事もない。立ち位置的にきっとカイルが女役だろう。そんなカイルが面白いのか、ディオの口元は楽し気に弧を描いていた。
「主従プレイみたいだな」
「…プレイじゃなくて、アンタは主人で俺は従者だ」
「それはそれで燃えるが初めてなんだ。もっと気安く呼べ。さっきも呼んでただろ?」
主命令だと耳元で低く囁く声に何かに耐えるようにキツく目を閉じた。ドキドキと痛いほどに胸が脈打っている。こんな感情、カイルは知らない。
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