体育館倉庫での秘密の恋

狭山雪菜

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夏休み2

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初めてキスをしてから、放課後隠れてするキスをする事が多かった。
夏休みとはいえ、いきなり引っ張られキスをされたのは初めてで。彼は私をぎゅうぎゅうと無言で抱きしめる。
「…坂下先生、もしかして何かありました…?」
朝慌ただしく職員室から居なくなったし、帰っても来なかった。
「…う…まぁ、そうだな」
いくら同じ職場だとしても、生徒の情報は慎重に扱っているので他の教師が知る事はまずない。なので、坂下先生がはっきりと明言せず濁す事は当たり前なのだ。
「…落ち込んで…いるなら…どこかに行きますか?」
いつもとは違う彼に元気になって欲しくて、スルリと口から零れた言葉。
腕の力が弱まり身動きが取れるようになると、彼の顔を覗き込んだ。
赤く染まる顔が、可愛くてクスッと笑ってしまうと、むっと眉を寄せ機嫌が悪くなる。
「…揶揄っているのか」
「いいえ、遊んでリフレッシュした方がいいと思ったので」
ココはまじめに返した方が無難だと、真剣な眼差しで答える。
「なら、予定たてるからお昼一緒に食べるから」
坂下先生はそう言って私の口を塞ぎ舌を絡めると、パッと身体を離して私の返事を待たず、階段を下りていってしまった。



何故かこの日からお盆に入るまで、毎日一緒にお昼を食べる事になっていた。明日から長期休暇に入るという時、お昼一緒に食べる人の話になったので、彼が
「今まで三島さんや、長田さんとばっかり食べていてズルイと思ってたんだ…あの2人が休みに入った時は嬉しかったね」
長田さんとは2年の数学の教師で、私を気にかけ気さくに話してかけてくれる先輩だ。
「…一緒に食べましょうと言ってくれたら…」
小さな子供みたいな事をいう彼に呆れていた。
「ふんっ、三島さんと長田さんはいつもニコニコして優しい雰囲気だしてるが、揶揄われたらずっと弄るからな…真城先生はお気に入りだし尚更」
途中で話すのをやめた彼の方を向くと、私をじっと見ていた。
「…尚更…?」
続きを促すと、
「…いや、泣かせたら精神的に追い詰められそうだな」
ぽつりと告げた言葉を、私はそんな風には見えないけどな、と他人事のように思っていた。
香苗が知らないだけで、2学年のマスコットキャラになりつつある新人の国語教師は、高い対人スキルで学校一食えない男と言われた三島先生の懐に入り、学校のお母さん的存在と尊敬しているとにこにこ話す長田さんの恐ろしさを、まだ知らなかったのだ。
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