2度目の恋は無愛想な君と溺愛される

彼の部屋2

ケーキを食べ終わって、少しまったりしていたが勉強をまた始めた


カリカリと書く音、パラパラと捲る音しか音がしない



しばらく考えていた私はどうしても解けない問題があったので、渡辺に聞こうと教科書を見たまま上半身を渡辺の方へ向けた

「ねぇ…渡辺…ここの問題なんだけど…」
「どれ？」
渡辺も振り返った瞬間思っていたよりも近くに居たのか、ぶつかり教科書が床に落ちた
あっと、思った時には私と渡辺の顔は鼻が触れそうな程近くに居て吐く息が唇にかかり、肩は完全に触れていた
「………」
「………」
そのまま見つめ合う事数秒自然と近く顔に、そっと閉じる瞼
触れるだけのキスをされ、数秒後にはもう一度と
何度もキスをした
私の腰に腕を回し渡辺の左半分に近づけ、私は渡辺の胸に手を添えた

ちゅっちゅっとキスの音が聞こえていたのが、段々と唇がくっついている時間が長くなり、私のキュッと閉まった唇に渡辺がペロリと舌で舐めると、びっくりして口が薄く開いた時を見計らって入る渡辺の舌
そのまま舌を絡められ、舌を吸われた

突然の出来事に固まって息を止めていた私は苦しくなり、胸を軽く押す
気がついた渡辺が鼻同士をくっつけたまま
「何？」
と真っ直ぐ私を見て視線が絡んだまま聞いてきた
唇に渡辺の吐息が掛かり震えてしまう
「はぁはぁ…息が…苦しい」
頭が真っ白で思ったことが口から零れる

ーーあと数センチで唇がくっついちゃう

ぼんやりとしていたら唇がくっつき
「…鼻で…息して」
と唇同士くっついたまま喋るから息が少し私の口内に入る
また渡辺の舌が私の舌を絡め、軽く甘噛みし舌を吸う
ギュッと彼の胸に置いていた指がシャツを握る
頭が真っ白のまま先ほど言われた言葉を反芻する


ーー鼻で呼吸、鼻で呼吸

若干呼吸が出来るようになると
彼の舌に応えられるように舌を自ずと差し出すと、渡辺は一度止まったが
絡めるキスを再開した

クチュクチュと唾液が溢れ音がする
顔を傾け口内にある唾液を舌で掻き出し吸う渡辺に気がつき
「んっ…んっ」
と声にならない抗議するが、渡辺は宥める様に親指で私の頬をゆっくり撫でる

ちゅぅと最後に舌を甘噛みし吸いながら離れる唇に、額がくっついたまま
はぁはぁと呼吸を整える
目が潤みキッと睨むが渡辺は目を細めすずしい顔をして自分の唇をペロリと舐める
「…ひど…い…きゅっ…急にキ…キスするの」

私も散々応えたのに、責めてしまう声は甘えたようで説得力がない
胸のシャツを握っていた指を解き、渡辺の背中に回し肩に顔を埋める
「ごめん」
と言う渡辺も全然悪びれることなく取り敢えず謝り、腰に回した手に力を入れ抱きしめ返してくれる



ーー好き…好き



顔を埋めたまま心の中で何度も思いを告げる




またお母さんがお皿を下げるためにノックの音がするまで抱きしめ合った