ワンナイトラブは副団長と

狭山雪菜

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アルの狂気3

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騎士団が呼び出された






エリザベス・フォスター令嬢が誘拐されたと









怒りで目の前が真っ赤に染まる



すぐさま捜索隊が駆り出され
エリーの痕跡を調べる



見つけたのはとある廃屋
持ち主もわかり、俺はすぐ様その持ち主の所へ向かった








「…久しぶりでごさいますね、パレン家のケヴィン殿…まさか貴方が誘拐犯の計画者とは」
穏やかな表情とは裏腹に冷めた声で彼を見下ろす




「…彼女が……エリザベス嬢…悪いんだ…あの時ぶつかっていなければ…娼館のあの娘を…迎えに行けたのに!
ぶつからなければっっ…見知らぬモノに襲撃されず…お父様に…勘当されなかっ………」


全てを白状する前に彼を気絶させた


「…目の前の襲撃犯を覚えてないとは…パレン家はとんだ愚息を持ちましたな」
いくら変装してようが、見抜けぬとは…



冷めた目で彼を一瞥し背を向ける



ドタドタと入れ違いで部下が入り
白状したと伝え駿馬で救出されているであろう
エリーの元へ急ぐ







****************




エリーは毛布に包まれ馬車の中で待っていた



ーー御者曰く、騎士団が動いているなら副団長が来るまで帰らないと言ったらしい










「…エリー大丈夫ですか?」
馬車の扉を開け窓の外にいる騎士団員をぼーっと眺めていたエリーが俺の方を向く


「…アル」

俺を認識した途端目に涙が溜まり、ポロッと零れた


エリーが泣いている
と身体が勝手に動き彼女を毛布の上から抱きしめる

ぎゅうぎゅうと抱きしめ
「遅いです!騎士はすぐに来るべきでは?!」
と震えながら俺を詰る

「すみません、すみません」
と抱きしめる力を強くする

そのまま彼女の額にキスを落とす

頬にも、瞳から零れる涙も舐める




すみません、すみません
と言いながら彼女の顔をキスしていたら



エリーが



「…恋をしました…気がつかなかったのです…
だって……っ」
と言い、顔を赤らめる




ーー恋?



誰が



エリーが?






身体の奥底からドロドロとした感情が溢れでる


エリーの両肩を掴む
痛っと溢すエリーにも気付かないふりして
指先に力を込めていた


「…………恋…ですか……誰ですか…まさか…救い出した騎士団員ですか?誰でしょう?名前か特徴を教えてください……まさか御者ですか?」



低い怒りを抑えた声になる




誰がエリーの想い人なのか…




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