偽りの姿(仮)

麻沙綺

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3話 意外と鋭い

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  図書室であれこれ調べてる内に外が夕闇に染まり始めた。

  気が付けば、寮の門限ギリギリだ。

「成瀬。寮に戻らないと……。」
  私は、隣で机に本を広げ伏せて寝ている成瀬に声をかける。
「まだ、平気だろ?」
  呑気に構えてるが……。
「あの時計、十分遅れてるんだよ」
  私が言うと。
「何故、それを早く言わないんだ!」
  文句を言いながら、片付けだす。
「綾小路……。御前さぁ、時々だが、声が高くなるんだな。」
  ドキッ……。
  まさか、バレタ……。
  イヤ、そんなはずは……。
  そんなはず無いよな。
  焦っている自分の手が、止まる。
「おい、何ボーとしてるんだ? 急がないと反省文書かされるぞ。」
  成瀬が、声をかけてくる。
「あ、あぁ……。」
  私たちは鞄を掴むと図書室を後にした。




  寮の門限ギリギリに入り、自室に向かう。
「お前って、本当に待遇がいいよな。」
  成瀬が、羨ましそうに言う。
「それは、一寸した事情があるからで……。」
  言葉を濁す私に。
「なんだよ、その事情って?」
  話せるわけ無いだろう。
「まぁいいや。今度話してくれれば……。」
  って、それ以上追求してこなかった。



  成瀬と別れて、個室の自分の部屋に入ると Tシャツにジーパンに着替えた。
  夕飯の時間まで少しあるな……。
  そうだ。
  冬哉兄さんのところでも行こう。







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