聖女天界追放~禁術解放・回収・放浪記

山美ハル

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聖女と白堕杖

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無償の愛を与え続けた人間が裏切られた時

無償の愛は有償の呪いとなる

「そんな危険な物を渡す訳にはいかない」

グルンは鼻息交じりに告げる

「そうです危険ですよ」

「大丈夫です」

エレナは杖を持ち片手で器用に回す

「丁度杖が欲しかったところですから」

本当は女神様の持っている杖が欲しがったエレナだが、女神様は貸すことさえ許可しなかった為に自分に合う杖の一つが欲しいと心に決めていた

「エレナ大丈夫か?」

アテレスが心配する

「問題ありません」

白堕杖は白く輝き先が黒いオーラを纏い髑髏のようなものが見える

「本当に大丈夫なんですか?」

グルンは問いかける

「任せてください」

エレナは杖を撫でる

アテレスは杖に夢中になっているエレナに伝える

「もうここにも要はないな」

「そうですね最後に食事を貰って旅に出ましょう」

「確かに食事を貰ってからでも遅くはないな」

アテレス食事に出るお酒を飲みたいだけなのだ

天界ではアテレスが好きな酒はめったに飲むことが出来ないので今回のように何か理由をつけて地上に来ているのだ

「では食事にしようか」

グルンは言う

「はい」

エレナが返事をすると杖がエレナの身体に入る

「杖が消えました」

フリールは声を出す

「あれは魔術で杖を身体に宿しているのじゃ」

「すごいですね」

「わしにも出来るぞ」

アテレスの右手から刀が現れる

「すごい」

フリールは息をのむ

「行きましょうか」

にこにこと笑顔のエレナが食事を楽しそうに歩く

その後にアテレスとフリールは続く

「フリールもなんか楽しそうだ」

グルンは思った

食事は用意されている

「美味しいですね」

「美味しいです」

「久しぶりに酒だ」

エレナとアテレスはぱくぱくもぐもぐと食事を口に入れていく

「満足してくれてうれしいです」

フリールも食事を食べながら話す

「それにしても二人ともよく食べますね」

「絶食の期間でしたので」

もぐもぐ

天界の聖女は月に一度絶食して祈りを捧げる期間が設けられている

「それは大変だ」

グリルは呟いた

「どれくらい絶食するのですか?」

「一日です」

もぐもぐ

たった一日絶食したらこれぐらいの量を食べるのかとグリルは思った

「ところでお二人はどこに行くのですか?」

「町を一周して町をでるつもりです」

ぐびぐび

「でも身文書がありません」

二人は頭を抱えた

「もしよろしければ」

グルンは二人に提案した

「ギルドに登録してはいかがですか?」

「ギルド?」

「はい」

「それもいいかもしれないな」

アテレスは酒を飲みながら答える

「よし ギルドに行きましょう」

エレナが答えた

「今はもう受付してませんよ」

グルンは答える

「もしよければ泊まってください」

「よろしいのですか?」

「はい」

「すごく気前が良いですね?」

アテレスは疑問をぶつけた

「変な考えはありませんよ」

グルンは答えた

幼い時からかわいがっていた娘は母が体調を崩しさみしい思いをさせてしまったんです

娘が買い物をしている時は気が晴れると思い買い物を自由にさせていましたが

買ってくるものは不気味な物ばかり

そんな時娘は貴方たちと出会った

娘が楽しいそうですから

今晩は泊まっていって欲しいのです

「分かりました今晩は泊まらせていただきます」



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