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志貴、腐りました
その4、メガネ!
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やっほー、行成学園に入学が決まった志貴です!
2月になり着々と入学の準備を進めていて今、届いた制服を母と姉にお披露目している。薄いグレーのジャケットに黒に近い紺のスラックスというスタイリッシュな制服で、学年ごとに色の違うネクタイをするらしい。ちなみに1年生は紺、2年は臙脂、3年は深緑だ。
「中々いいんでない?空手で鍛えたのは正解ね。二次元から飛び出したのかってくらい様になってるわ」
そう言いながら興奮気味にスマホでカシャカシャ俺の制服姿を収めてコスプレグループのグループLINEに載せる姉。うおっ、みんなめっちゃ返信早いんですけど⁉
「そうねぇ。決まり過ぎて目立ってしまうわね。これじゃあBLウォッチ出来ないわ」
「ガーン!!」
困り顔で言う母の言葉にショックで膝から崩れ落ちる。
3年間スポットサーチや撮影技術を研いてきたというのにそれは無いだろ!
「ううっ……美人過ぎる顔が憎い……」
「何?ハーフというスペックの私に対する挑戦か?」
「チガイマスオネーサマ」
やべ、地雷踏み抜くとこだった。3年前の小学生だった俺はちょっとやんちゃな感じの美少年だったが、この3年間で何故か黙っていれば深窓の令嬢のような中性的な美人になってしまった。
おかしい……空手を習ったらキリッとしたイケメンになるもんだと思っていたのに予想外だ。
「でも本当にマズイわね。これじゃあ獣(男)が寄って来てBLウォッチどころじゃなくなるわ」
「うぇぇ⁉野生の獣怖っ!そんなに敷地内に侵入してくるの⁉」
やっぱ山の中にある学校は害獣被害が多いらしい。ブルブル……金持ち学校なんだからどうにかすればいいのに。
何かずっと勘違いしているわね、と姉は思っているが本人には教えない。面白いから。
「まあ、とりあえず顔を隠すように大きな黒縁のメガネをかけてみればいいんじゃない?」
ひょいと渡されたメガネをかけてみる。もちろん度は入っていない。
「どう?」
「あ、ダメだ。ただのイケメン眼鏡男子になっただけだ!」
「じゃあこっちの銀フレームは?」
「インテリイケメン!我が弟じゃなければ襲ってた!」
「薄くグラデーションがかかっているサングラスは?」
「芸能人よりイケメン!」
「牛乳瓶の底のメガネ」
「大半見えないのにイケメンが隠せてない!」
「ま……まさかどんなメガネをかけても美貌を隠せないとは……我が弟ながら恐ろしい……」
「「困った~」」
「いや、遊んでるだけだよな⁉」
困った言いながら母と姉の顔がめっちゃニヤついてるんだけど⁉
「まあまあ、仕方ないから黒縁と銀フレームのメガネどちらかをかけてウォッチしな。……まあ目立つだろうけど」
「いや、目立っちゃダメなんだよな⁉」
「大丈夫、私が教えた隠密スキルを駆使すれば目立たないよ!……多分」
「そうそう、目立たない目立たない!……多分」
「多分って何だよ!先行きが既に怪しいんですけど⁉」
この3年間でどっぷりと発酵が進んだ腐男子の俺は、入学して俺様男子が気の強いヤンキー生徒を籠絡、アンアンヒンヒン言わせているトコをウォッチする気満々だったのに雲行きが怪しくなってきた。
ちなみに姉は会長×親衛隊長または平凡くん、父は風紀委員長×会長、祖母は副会長×転校生、母はどんなカップリングでもドンと来い!らしい。
え、祖母が急に出て来た?そんなことないよ。祖母は父の腐師匠だからな!
残念ながら祖父は腐っていないのであまり話に出てこないからね!
結局俺の見た目はどうしようもないと結論が出てしまい、対策は後回しにされてしまった。
後にこの時点でBLウォッチを失敗すると確信していたと母と姉に言われる事となる。「お前は始めから向いていなかった」と。
2月になり着々と入学の準備を進めていて今、届いた制服を母と姉にお披露目している。薄いグレーのジャケットに黒に近い紺のスラックスというスタイリッシュな制服で、学年ごとに色の違うネクタイをするらしい。ちなみに1年生は紺、2年は臙脂、3年は深緑だ。
「中々いいんでない?空手で鍛えたのは正解ね。二次元から飛び出したのかってくらい様になってるわ」
そう言いながら興奮気味にスマホでカシャカシャ俺の制服姿を収めてコスプレグループのグループLINEに載せる姉。うおっ、みんなめっちゃ返信早いんですけど⁉
「そうねぇ。決まり過ぎて目立ってしまうわね。これじゃあBLウォッチ出来ないわ」
「ガーン!!」
困り顔で言う母の言葉にショックで膝から崩れ落ちる。
3年間スポットサーチや撮影技術を研いてきたというのにそれは無いだろ!
「ううっ……美人過ぎる顔が憎い……」
「何?ハーフというスペックの私に対する挑戦か?」
「チガイマスオネーサマ」
やべ、地雷踏み抜くとこだった。3年前の小学生だった俺はちょっとやんちゃな感じの美少年だったが、この3年間で何故か黙っていれば深窓の令嬢のような中性的な美人になってしまった。
おかしい……空手を習ったらキリッとしたイケメンになるもんだと思っていたのに予想外だ。
「でも本当にマズイわね。これじゃあ獣(男)が寄って来てBLウォッチどころじゃなくなるわ」
「うぇぇ⁉野生の獣怖っ!そんなに敷地内に侵入してくるの⁉」
やっぱ山の中にある学校は害獣被害が多いらしい。ブルブル……金持ち学校なんだからどうにかすればいいのに。
何かずっと勘違いしているわね、と姉は思っているが本人には教えない。面白いから。
「まあ、とりあえず顔を隠すように大きな黒縁のメガネをかけてみればいいんじゃない?」
ひょいと渡されたメガネをかけてみる。もちろん度は入っていない。
「どう?」
「あ、ダメだ。ただのイケメン眼鏡男子になっただけだ!」
「じゃあこっちの銀フレームは?」
「インテリイケメン!我が弟じゃなければ襲ってた!」
「薄くグラデーションがかかっているサングラスは?」
「芸能人よりイケメン!」
「牛乳瓶の底のメガネ」
「大半見えないのにイケメンが隠せてない!」
「ま……まさかどんなメガネをかけても美貌を隠せないとは……我が弟ながら恐ろしい……」
「「困った~」」
「いや、遊んでるだけだよな⁉」
困った言いながら母と姉の顔がめっちゃニヤついてるんだけど⁉
「まあまあ、仕方ないから黒縁と銀フレームのメガネどちらかをかけてウォッチしな。……まあ目立つだろうけど」
「いや、目立っちゃダメなんだよな⁉」
「大丈夫、私が教えた隠密スキルを駆使すれば目立たないよ!……多分」
「そうそう、目立たない目立たない!……多分」
「多分って何だよ!先行きが既に怪しいんですけど⁉」
この3年間でどっぷりと発酵が進んだ腐男子の俺は、入学して俺様男子が気の強いヤンキー生徒を籠絡、アンアンヒンヒン言わせているトコをウォッチする気満々だったのに雲行きが怪しくなってきた。
ちなみに姉は会長×親衛隊長または平凡くん、父は風紀委員長×会長、祖母は副会長×転校生、母はどんなカップリングでもドンと来い!らしい。
え、祖母が急に出て来た?そんなことないよ。祖母は父の腐師匠だからな!
残念ながら祖父は腐っていないのであまり話に出てこないからね!
結局俺の見た目はどうしようもないと結論が出てしまい、対策は後回しにされてしまった。
後にこの時点でBLウォッチを失敗すると確信していたと母と姉に言われる事となる。「お前は始めから向いていなかった」と。
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