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皇太子は娶りたい7✳
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一瞬目を見開いてからへにゃりと眉尻を下げるカルは膝立ちになっている俺を抱きしめる。
「・・・不安なんだ。フィリはすぐ逃げようとするから抱いて俺のものだって、俺がいないと生きていけないんだって思わせないといけないと思って・・・跡を付けたり俺の形を覚えさせたり好きだ、愛してるって伝え続けたりしたけど嫌だったの?」
あーあ、拗らせちゃったか~。
そこまでして俺を離したくないというカルにきゅんとしてしまう。
そう、カルは幼い頃からずっと俺の手を離すつもりはないのだ。見た目が麗しい皇太子は常に表情を変えず振る舞うくせに俺の前だけいつも余裕がなくなり暴走気味になり今に至ってしまっている。
分かってる。原因は俺だ。
俺が親からふたなりだと説明された時、不安定な性に動揺した。カルが俺が女の子なら結婚できると嬉しそうにしているのを見てもし男だったら捨てられるのではないかと泣きそうになったのを覚えている。
そして13歳、その時点で男に確定してしまった。
目の前が真っ暗になった。
いくら男としてカルの隣で育ってきたとはいえ女になったらずっと一緒にいれると思ったから。それでも側にいてほしいと言われたのは素直に嬉しかった。でもそのうちカルの一番近い場所は俺ではなく未来の皇太子妃なのだと思うと深く暗い思いが腹の奥に深く沈殿するようだった。
その一年後に生理が来た時には既に俺が拗らせていた。カルや周りが喜んでいるのも分かっていたけどたまたまきただけですぐ生理無くなってみんながっかりするんじゃないか、そうしたら次こそカルに捨てられるのではという思いが頭を重くしていきだったら最初から何も望まない、逃げる。友人として好きだと自分に暗示魔法をかけておく。そうすれば傷つかないから。
結局生理は今でもあるしカルは日に日に俺を囲い込もうと根回しをするようになってしまった。
そしてカルの誕生日、カルの気持ちを体で受け入れてしまった。
受け入れたことが原因で自分にかけていた魔法の効力が薄れてきてしまった。婚約者候補の話もすんなり受け入れ体を重ねるのも強く拒否できずとうとう魔法の効果が無くなってしまったのだ。
「嫌じゃない。寧ろ嬉しかった。俺がどんなに逃げようとしたりカルの気持ちを無視しても伝え続けてくれてありがとう」
俺の肩に埋めている頭を撫でながらも言うと顔を上げ見つめてくる。その瞳は不安の色を隠せていない。
「俺さ、13歳の時に男になったのがショックで・・・カルのお嫁さんになれないんだっていう現実が辛くて・・・自分に暗示魔法かけたんだ。カルは友人として好きなんだって」
「・・・・・・」
「それに生理がきてもこれは違う、俺は男として生きるんだって。そうすればカルの近くにはいれるから。でもカルがずっと俺を求めてくれたから魔法が解けちゃったよ」
「・・・それって・・・」
抱きしめているカルの手が震えている。不安が濃かった瞳に光がさしてくる。
「俺、カルスバートの事が好き、大好きだよ。もちろん友人としてではなく男としてだ。俺をお前のお嫁さんにして」
「フィリほっ・・・!」
何かを言いかけた唇に齧り付くように自分の唇を重ねる。初めて俺の方から口づけした事に驚きながらも舌と唾液を絡ませ吸い俺の思考を溶かしていく。頭は押さえられ激しさの中に喜びが伝わってくる。俺の名前を呼び貪るような行為に胸がじんわりと温かくなっていく。
口端から垂れた唾液が首筋まで流れそれを指て掬い胸の突起に塗りつける。
「ンッ!」
自分の気持ちを思い出し吐き出した体は驚くほど敏感で跳ねてしまう。そんな俺を愛おしそうに抱きしめ直し
「夢じゃないよね?もう違うは聞かないからね」
「うん」
「じゃあ俺のお嫁さんになってずっと側にいてよ」
「うん」
「よし、父上に婚約者候補じゃなくて婚約者にしてって言いに行こう」
「うん」
「でもその前にこれどうにかしよう?」
「!?」
ズボンの前をくつろげ取り出したそれは先走りで先が濡れそぼり下着から出した俺自身に密着させる。口づけしただけで硬くなっている互いの昂ぶりを俺とカルの手で包み上下に扱く。
貪る口内の水音と先走りで扱く度に出る淫音が部屋に響き耳を犯す。荒くなった吐息が限界を教える。
「ハッ・・・くっ・・・フィリもう・・・」
「俺もっ・・・イくっ・・・!!」
同時に達した飛沫が俺の胸を濡らす。とろんとしている俺の頬に口づけを落とし
「んんっ・・・そんな顔されたらもっとしたくなるから。でも今は父上に話に行こう」
そう言うと桶にお湯を持ってきて俺の体を拭いてくれる。カルはお湯を持ってくる前に拭いたようだ。互いに着替えをさせ手を繋ぎ先触れも無しで陛下の所へ向かう。
「えー、無理」
先触れも無かったのにすんなりと部屋に通され正式な婚約者にしてほしいという願いを陛下はあっさり却下した。
それはそうだ、婚約者候補として国内に発表したのが最近なのだ。それなのに短期間での訂正は何があったのかと思われるに違いない。
「だってマ・・・皇妃が怒ってるんだもん」
そっちかーい!仕方ない、陛下皇妃様に弱いもんな。
どうやら俺への執着ぶりを皇妃様が怒っているらしい。なのでそっちを説得してくれと丸投げされてしまった。しかし皇妃様が許してもさすがにすぐ婚約者には出来ないから1年は待ってほしいと言われてしまう。
がっくり肩を落とすカルの背中を擦り皇妃様に会いに行く。
「あらぁ、二人ともいらっしゃい」
にこやかに部屋へ招き入れられ侍女にお茶を用意させる。最近のマイブームは緑茶のようでそれに合わせた菓子を並べてくれる。
「で、どうしたの?」
手を上げ侍女や護衛が部屋の外へ出たのを見てから俺達に問いかける。
「母上、フィリエルを正式な婚約者として発表したいのです」
「あら、どうして?」
「フィリエルが俺の気持ちに応えてくれたからです」
「ふ~ん・・・」
口を扇子で隠し来た時から手を繋いでいるのを見て目を細め
「フィリエルちゃん本当?」
「はい」
皇妃様に先ほど部屋でのカルとの会話をかいつまんで話す。それを聞き眉根を少し寄せため息をつき
「わたくしとキュアがはしゃいじゃったのも原因なのね。ごめんなさいね、これでフィリエルちゃんを家族として迎えられるかと思うと嬉しくてつい、ね」
申し訳なさそうに謝る皇妃様に頭を振り否定する。
「違いますよ、俺が勝手に拗らせてしまっただけですから。でももう悩みません」
「そう、それならいいわ。でもやはりすぐ正式な婚約者に出来ないわ。陛下の言うように1年待って発表しましょう。それとカルスはフィリエルちゃんに無茶させないように。いいかしら?」
「・・・はい」
本当に分かっているのかしらという顔をカルに向け他には?と聞かれたのでこれから皇太子妃教育はどうなるのか聞いてみるとまさかの返事に呆気にとられてしまう。
「ん?もう殆ど終わっているわよ?」
「は?」
「あら?知らなかったの?皇宮に住むようになってからやってた座学やダンス、マナーは全て皇太子妃教育だったんだけど・・・カルス、あなた話してなかったの?」
「・・・ええ、まあ・・・」
何だと⁉やたら大変で母親のマナー教育は殊更厳しいなとは思っていたけどあれ全てそうだったのか。・・・あれ?俺10年前から逃げられなくなってたんじゃ・・・あっ、カル目を逸らすんじゃない!言ってくれれば自分の心に蓋しなかったのに!
あ?終わりよければ全てよし?それをお前が言うな!
くそおおぉぉぉ!
「・・・不安なんだ。フィリはすぐ逃げようとするから抱いて俺のものだって、俺がいないと生きていけないんだって思わせないといけないと思って・・・跡を付けたり俺の形を覚えさせたり好きだ、愛してるって伝え続けたりしたけど嫌だったの?」
あーあ、拗らせちゃったか~。
そこまでして俺を離したくないというカルにきゅんとしてしまう。
そう、カルは幼い頃からずっと俺の手を離すつもりはないのだ。見た目が麗しい皇太子は常に表情を変えず振る舞うくせに俺の前だけいつも余裕がなくなり暴走気味になり今に至ってしまっている。
分かってる。原因は俺だ。
俺が親からふたなりだと説明された時、不安定な性に動揺した。カルが俺が女の子なら結婚できると嬉しそうにしているのを見てもし男だったら捨てられるのではないかと泣きそうになったのを覚えている。
そして13歳、その時点で男に確定してしまった。
目の前が真っ暗になった。
いくら男としてカルの隣で育ってきたとはいえ女になったらずっと一緒にいれると思ったから。それでも側にいてほしいと言われたのは素直に嬉しかった。でもそのうちカルの一番近い場所は俺ではなく未来の皇太子妃なのだと思うと深く暗い思いが腹の奥に深く沈殿するようだった。
その一年後に生理が来た時には既に俺が拗らせていた。カルや周りが喜んでいるのも分かっていたけどたまたまきただけですぐ生理無くなってみんながっかりするんじゃないか、そうしたら次こそカルに捨てられるのではという思いが頭を重くしていきだったら最初から何も望まない、逃げる。友人として好きだと自分に暗示魔法をかけておく。そうすれば傷つかないから。
結局生理は今でもあるしカルは日に日に俺を囲い込もうと根回しをするようになってしまった。
そしてカルの誕生日、カルの気持ちを体で受け入れてしまった。
受け入れたことが原因で自分にかけていた魔法の効力が薄れてきてしまった。婚約者候補の話もすんなり受け入れ体を重ねるのも強く拒否できずとうとう魔法の効果が無くなってしまったのだ。
「嫌じゃない。寧ろ嬉しかった。俺がどんなに逃げようとしたりカルの気持ちを無視しても伝え続けてくれてありがとう」
俺の肩に埋めている頭を撫でながらも言うと顔を上げ見つめてくる。その瞳は不安の色を隠せていない。
「俺さ、13歳の時に男になったのがショックで・・・カルのお嫁さんになれないんだっていう現実が辛くて・・・自分に暗示魔法かけたんだ。カルは友人として好きなんだって」
「・・・・・・」
「それに生理がきてもこれは違う、俺は男として生きるんだって。そうすればカルの近くにはいれるから。でもカルがずっと俺を求めてくれたから魔法が解けちゃったよ」
「・・・それって・・・」
抱きしめているカルの手が震えている。不安が濃かった瞳に光がさしてくる。
「俺、カルスバートの事が好き、大好きだよ。もちろん友人としてではなく男としてだ。俺をお前のお嫁さんにして」
「フィリほっ・・・!」
何かを言いかけた唇に齧り付くように自分の唇を重ねる。初めて俺の方から口づけした事に驚きながらも舌と唾液を絡ませ吸い俺の思考を溶かしていく。頭は押さえられ激しさの中に喜びが伝わってくる。俺の名前を呼び貪るような行為に胸がじんわりと温かくなっていく。
口端から垂れた唾液が首筋まで流れそれを指て掬い胸の突起に塗りつける。
「ンッ!」
自分の気持ちを思い出し吐き出した体は驚くほど敏感で跳ねてしまう。そんな俺を愛おしそうに抱きしめ直し
「夢じゃないよね?もう違うは聞かないからね」
「うん」
「じゃあ俺のお嫁さんになってずっと側にいてよ」
「うん」
「よし、父上に婚約者候補じゃなくて婚約者にしてって言いに行こう」
「うん」
「でもその前にこれどうにかしよう?」
「!?」
ズボンの前をくつろげ取り出したそれは先走りで先が濡れそぼり下着から出した俺自身に密着させる。口づけしただけで硬くなっている互いの昂ぶりを俺とカルの手で包み上下に扱く。
貪る口内の水音と先走りで扱く度に出る淫音が部屋に響き耳を犯す。荒くなった吐息が限界を教える。
「ハッ・・・くっ・・・フィリもう・・・」
「俺もっ・・・イくっ・・・!!」
同時に達した飛沫が俺の胸を濡らす。とろんとしている俺の頬に口づけを落とし
「んんっ・・・そんな顔されたらもっとしたくなるから。でも今は父上に話に行こう」
そう言うと桶にお湯を持ってきて俺の体を拭いてくれる。カルはお湯を持ってくる前に拭いたようだ。互いに着替えをさせ手を繋ぎ先触れも無しで陛下の所へ向かう。
「えー、無理」
先触れも無かったのにすんなりと部屋に通され正式な婚約者にしてほしいという願いを陛下はあっさり却下した。
それはそうだ、婚約者候補として国内に発表したのが最近なのだ。それなのに短期間での訂正は何があったのかと思われるに違いない。
「だってマ・・・皇妃が怒ってるんだもん」
そっちかーい!仕方ない、陛下皇妃様に弱いもんな。
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「ふ~ん・・・」
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「フィリエルちゃん本当?」
「はい」
皇妃様に先ほど部屋でのカルとの会話をかいつまんで話す。それを聞き眉根を少し寄せため息をつき
「わたくしとキュアがはしゃいじゃったのも原因なのね。ごめんなさいね、これでフィリエルちゃんを家族として迎えられるかと思うと嬉しくてつい、ね」
申し訳なさそうに謝る皇妃様に頭を振り否定する。
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「・・・はい」
本当に分かっているのかしらという顔をカルに向け他には?と聞かれたのでこれから皇太子妃教育はどうなるのか聞いてみるとまさかの返事に呆気にとられてしまう。
「ん?もう殆ど終わっているわよ?」
「は?」
「あら?知らなかったの?皇宮に住むようになってからやってた座学やダンス、マナーは全て皇太子妃教育だったんだけど・・・カルス、あなた話してなかったの?」
「・・・ええ、まあ・・・」
何だと⁉やたら大変で母親のマナー教育は殊更厳しいなとは思っていたけどあれ全てそうだったのか。・・・あれ?俺10年前から逃げられなくなってたんじゃ・・・あっ、カル目を逸らすんじゃない!言ってくれれば自分の心に蓋しなかったのに!
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くそおおぉぉぉ!
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