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学園祭編
頑張ったのは分かるけどヨハン話し合いには邪魔だなー
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「あげは~」
「あらあら」
豪快に扉を開け仁王立ちしているあげは姉ぇに、ソファーに座っていたヨハンが驚きの速さで移動し、抱き着いている。
「ああ、あげはあげは……」
「ふふっ、仕方ないわね」
十数cmあるピンヒールを履いてもなお背の高いヨハンが、背中を丸めて胸に顔を埋めている。近くにいるからすっごいスーハースーハー匂い嗅いでるのが分かるんだけど。この重い空気の中やることじゃねぇし。
ヤベェ、ヤベェよヨハン。
「あらぁやっぱりあげはちゃんの匂い付きのタオルじゃ物足りなかったのねぇ」
「え」
まさかヨハンが手に持ってるタオルに、あげは姉ぇの匂いが付いてて吸ってたの!?Ωフェロモンがダメで紛らわす為に吸ってたとしても、傍から見たら変態だからな?
「ほらあなた達も入りなさい」
うん、入るけど。入るけど、どっかりとソファーに座るあげは姉ぇの胸にヨハンがくっついたままでいいん?
……みんな気にしてないみたいだからいいけどね!
「ちょっ、ヨハン!何でその女にくっついて……」
「僕の愛しいあげはをその女呼ばわりしないでくれないかな。あと名前で呼ぶの許してないんだけど」
「……!」
あげは姉ぇとヨハンの向かいに座っている理事長が、青かった顔を赤くして言い募ろうとしたらバッサリされている。あ、これオレ達が来るまでずっと圧かけられて青くなってたな。こちら側のα顔が良すぎてフェロモンの威圧じゃなくても圧が強いんだよなぁ。
「姫川あげはぁ……!」
「だからあげはを」
「ヨハンステイ!」
親達の圧よりあげは姉ぇに対する怒りが勝ったのか理事長が唸るように呼ぶも、顎をクイッと上げ見下すような目で理事長を見つめながら、ヨハンにストップをかける。
―――――忠犬ヨハン大人しくなりました。
その代わり胸の匂いを思いっきり嗅いでるけどな!
邪魔だなヨハン。
こらっ、2人共項の匂いを嗅ぐんじゃない!え?理事長が臭い?なら良し!
チカと宏太が臭いと言うから、邪魔にならないよう壁際で壁と同化しようとすすすーっとあげは姉ぇが座っているソファー側に静かに移動する。
「あっ、帝!何故お前がここにいるんだ!」
「「「ん?」」」
しまった、位置取りを間違ったようだ。理事長から見える場所に来てしまった為、菅原とヒート棟にいると思っていたチカが気付かれた。
それは良いとして(良くない)、明らかにチカの事を言ってるのにチカの両親が反応している。そりゃお2人も帝さんでしょうけど!
「祐希はどうした!?あいつとヒート棟に行っただろ!」
「ワンパン食らわせて俺の影武者(?)が連れてったけど」
「はあ!?影武者ぁ!?」
「ああ、昨日の実行委員のヒートトラブルに乗じてヒートフェロモン出してオナニーしてたやつか。臭えし汚えの見せやがってキモいっつーの」
「嫌だ、あんたと同じ事してるじゃない。さすが甥だけあるわぁ。ヒートフェロモン使わないと相手してもらえないなんて、平凡な顔してると大変ねぇ。あ、惟親にはそれでも相手してもらえなかった事実、ウケる」
嫌悪感丸出しでチカとあげは姉ぇに言われた理事長は、顔を真っ赤にして震えている。悪い顔して2人共めっちゃ煽ってんじゃん。
「それにヨハンにもΩフェロモンあててたでしょ。ずっと「アイツ臭い」ってボソボソ言ってるわよ」
「!?」
あー、確かに虫の息っぽいスタンプきてたな。ヨハンΩフェロモン苦手なのに頑張ったよ。これが終わったら労ってあげよう。でも真面目な話するには邪魔なんだよなー。あげは姉ぇの胸を嗅いでるだけじゃなく、スリスリ顔を動かすのはやめなさい。
「大方緩やかにフェロモンをあててその気にさせ、ホテルに連れ込もうとでも思ってたんでしょ。12年前から平凡くんは成長してないわね~」
「ぐっ……」
図星でぐうの音も出ないってか。しかし平凡平凡って超絶美形からしてみれば、殆どの人が平凡だからな。まあオレから見ても理事長や菅原は薄ぼんやりしてるけど。
「わ……私の事はどうでもいいんだ!帝はαだろ、何で祐希がヒートフェロモン出してるのに効かないんだ!」
いや、あげは姉ぇの婚約者に色目+フェロモン使ってたんだからどうでも良くないんだけど?
「ぐっ……」
あれ、声に出てオレ?あ、出てたみたい。
「Ωのフェロモンが効かないなんて一つしかないでしょ」
「……番ってる?しかしαは何人ものΩと番える……」
「ショーを観てたでしょ?惟親は宏太と一緒に愛加と番っているからよ」
「なっ……あれはショーの演出じゃあ……」
「ふふっ、それじゃあ今回の事から話ましょうか」
「あらあら」
豪快に扉を開け仁王立ちしているあげは姉ぇに、ソファーに座っていたヨハンが驚きの速さで移動し、抱き着いている。
「ああ、あげはあげは……」
「ふふっ、仕方ないわね」
十数cmあるピンヒールを履いてもなお背の高いヨハンが、背中を丸めて胸に顔を埋めている。近くにいるからすっごいスーハースーハー匂い嗅いでるのが分かるんだけど。この重い空気の中やることじゃねぇし。
ヤベェ、ヤベェよヨハン。
「あらぁやっぱりあげはちゃんの匂い付きのタオルじゃ物足りなかったのねぇ」
「え」
まさかヨハンが手に持ってるタオルに、あげは姉ぇの匂いが付いてて吸ってたの!?Ωフェロモンがダメで紛らわす為に吸ってたとしても、傍から見たら変態だからな?
「ほらあなた達も入りなさい」
うん、入るけど。入るけど、どっかりとソファーに座るあげは姉ぇの胸にヨハンがくっついたままでいいん?
……みんな気にしてないみたいだからいいけどね!
「ちょっ、ヨハン!何でその女にくっついて……」
「僕の愛しいあげはをその女呼ばわりしないでくれないかな。あと名前で呼ぶの許してないんだけど」
「……!」
あげは姉ぇとヨハンの向かいに座っている理事長が、青かった顔を赤くして言い募ろうとしたらバッサリされている。あ、これオレ達が来るまでずっと圧かけられて青くなってたな。こちら側のα顔が良すぎてフェロモンの威圧じゃなくても圧が強いんだよなぁ。
「姫川あげはぁ……!」
「だからあげはを」
「ヨハンステイ!」
親達の圧よりあげは姉ぇに対する怒りが勝ったのか理事長が唸るように呼ぶも、顎をクイッと上げ見下すような目で理事長を見つめながら、ヨハンにストップをかける。
―――――忠犬ヨハン大人しくなりました。
その代わり胸の匂いを思いっきり嗅いでるけどな!
邪魔だなヨハン。
こらっ、2人共項の匂いを嗅ぐんじゃない!え?理事長が臭い?なら良し!
チカと宏太が臭いと言うから、邪魔にならないよう壁際で壁と同化しようとすすすーっとあげは姉ぇが座っているソファー側に静かに移動する。
「あっ、帝!何故お前がここにいるんだ!」
「「「ん?」」」
しまった、位置取りを間違ったようだ。理事長から見える場所に来てしまった為、菅原とヒート棟にいると思っていたチカが気付かれた。
それは良いとして(良くない)、明らかにチカの事を言ってるのにチカの両親が反応している。そりゃお2人も帝さんでしょうけど!
「祐希はどうした!?あいつとヒート棟に行っただろ!」
「ワンパン食らわせて俺の影武者(?)が連れてったけど」
「はあ!?影武者ぁ!?」
「ああ、昨日の実行委員のヒートトラブルに乗じてヒートフェロモン出してオナニーしてたやつか。臭えし汚えの見せやがってキモいっつーの」
「嫌だ、あんたと同じ事してるじゃない。さすが甥だけあるわぁ。ヒートフェロモン使わないと相手してもらえないなんて、平凡な顔してると大変ねぇ。あ、惟親にはそれでも相手してもらえなかった事実、ウケる」
嫌悪感丸出しでチカとあげは姉ぇに言われた理事長は、顔を真っ赤にして震えている。悪い顔して2人共めっちゃ煽ってんじゃん。
「それにヨハンにもΩフェロモンあててたでしょ。ずっと「アイツ臭い」ってボソボソ言ってるわよ」
「!?」
あー、確かに虫の息っぽいスタンプきてたな。ヨハンΩフェロモン苦手なのに頑張ったよ。これが終わったら労ってあげよう。でも真面目な話するには邪魔なんだよなー。あげは姉ぇの胸を嗅いでるだけじゃなく、スリスリ顔を動かすのはやめなさい。
「大方緩やかにフェロモンをあててその気にさせ、ホテルに連れ込もうとでも思ってたんでしょ。12年前から平凡くんは成長してないわね~」
「ぐっ……」
図星でぐうの音も出ないってか。しかし平凡平凡って超絶美形からしてみれば、殆どの人が平凡だからな。まあオレから見ても理事長や菅原は薄ぼんやりしてるけど。
「わ……私の事はどうでもいいんだ!帝はαだろ、何で祐希がヒートフェロモン出してるのに効かないんだ!」
いや、あげは姉ぇの婚約者に色目+フェロモン使ってたんだからどうでも良くないんだけど?
「ぐっ……」
あれ、声に出てオレ?あ、出てたみたい。
「Ωのフェロモンが効かないなんて一つしかないでしょ」
「……番ってる?しかしαは何人ものΩと番える……」
「ショーを観てたでしょ?惟親は宏太と一緒に愛加と番っているからよ」
「なっ……あれはショーの演出じゃあ……」
「ふふっ、それじゃあ今回の事から話ましょうか」
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