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女神に頼まれて村作りをしてみた
それは、宝石のようで
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あれから数日、バンはトマト、アールは魚。そしてリカは機織りで、この村を支えていた。肝心の俺はと言うと……街で商品を売るついでに女神について調べていた。不思議な事に存在を皆が忘れていてもそれに関する物は消えていないらしく、聖書や神話を充分に見ることはできた。
「もし この世界を喰らう者現れし時 大いなる光は邪悪を打ち消さん………か。つまりどういう事なのかさっぱりわからん」
小一時間程読み漁って見たがこの謎を紐解くヒントは何も無かった。一翔は本を元あった位置へ戻し村へ帰ることにした。
「おや、貴方…さっきの物売りさんかしら?」
「え?……あ、はい、そうです。すみません…今日はもう売り切れで」
「いえいえ、良いのよ。ごめんなさいね…。あのトマト、また売りに来てね」お婆ちゃんはなっこり笑いながら歩いて行った。
「は、はい!またのご利用、お待ちしておりますっ」
つい力みすぎ大きな声を出し過ぎ回りから変な目で見られ一翔は急いで村へ戻った。
「一翔さん、おかえりなさい。売れました?」明るくリカが出迎えてくれた。丁度作業の休憩をしていたらしい。
「ただいま、リカ。それで、バンは?付きっきりで畑に居る訳じゃないだろ?」
「あぁ…それが…」
リカはばつが悪そうに畑の方を指差す。その先には何か大きな物体と戦うバンが見える。
「あ、あれは?」
「よくわからないんですがトマトを食べに来る動物を追い払うのに忙しいらしくて……。柵でも作れば良いんでしょうけど……」
「ずっと見張ってるから作る人が居ないし頑丈な作りじゃないとすぐに壊れる……ってとこか?」
「はい…。その辺はアールさんの得意分野なんですがアールさんは近くの町の手伝いに行ってまして」
いつの間にそんな事をしてたんだよ……。そんな事より、柵を作ってやらないと多分バンが永遠に休めないだろうし行くか…。
「おーいバン、随分楽しそうじゃないか」
「楽しいもんか!滅茶苦茶疲れるんだぞこれ」
「だろうな、まぁ待ってろ。この前教えて貰った魔法で柵作るから」
「魔法?誰が教えたんだよんなもん」
「あー…知り合いが」
たまにミーアが教えてくれるのだがここで正直に言う必要はないし、恐らく言うべきじゃないのではぶらかすことにした。
「ほぉ~。まぁとりあえず頼むわ…ひぃ~疲れた」
「まずは…木を用意して…と」
一翔は魔力を持ってないので補助アイテムを使用する。これは直接体力で補う物だ。
「そして、これをこう……と」
手をかざした木が柵になっていく。造形魔法だ。
「おー、大したもんだ。お前に魔法を教えたやつは余程の腕前だな」
「そ、そうなのか?」
「あぁ、いくらその補助アイテムがあるにしろかなり上位の造形魔法を短期間でそこまでできるようにするだけの伝授は中々できたもんじゃないさ」
「へ、へぇ……そうだったのか」
はじめてのミーアの誉め言葉を聞いた気がする。いや、流石に気のせいか。
「まぁ、とりあえずようやく休めるわ。ありがとうな」
ようやく腰を下ろしたバンのポケットから何かが落ちた。石…だろうか?透き通った濃い青のその石は転がり気付けば濁った色に変化していた。
「あー、これか。実は、お前さんが何かで困ったり迷ったりした時にこれを渡してやれと女神様からお前が来る少し前に渡されてたんだ。女神様がわざわざ用意したんだ。何かの意味はあるさ」
そう言うとバンは俺にその石を渡してきた。悩んでるのがばれた…ってことは多分ないと思う。バンだし。それでもこれが少し助けになった事は確かだった。
「おう。ありがとうな」
「俺じゃなくて女神様に言え。俺は渡せと言われただけだ。なんもしちゃいねぇ。んなことより戻るぞ、リカ一人だろ今」
いつものようにそっけなく歩いておいていかれる。
「あ、ちょ待てよ」
戻るとリカが笑顔で出迎えてくれた。アールは遅くなるとさっき手紙が送られてきたらしい。
「あ、そうだ。一翔さん一翔さん。これ、お渡ししようと思ってたんですが」
そういって透き通った黄色い石をリカは渡してきた。
「これは…?」
「魔術ではよく石を使ったりするんですがそれの一つです。今は使わないし、お守りにでもと」
「おー。モテるなぁ、お前」
「も、もぉバンさんからかわないでくださいよ~」
またガッハッハッハッと笑いながらバンは別の作業に向かうと言って何処かへ行ってしまった。
「もし この世界を喰らう者現れし時 大いなる光は邪悪を打ち消さん………か。つまりどういう事なのかさっぱりわからん」
小一時間程読み漁って見たがこの謎を紐解くヒントは何も無かった。一翔は本を元あった位置へ戻し村へ帰ることにした。
「おや、貴方…さっきの物売りさんかしら?」
「え?……あ、はい、そうです。すみません…今日はもう売り切れで」
「いえいえ、良いのよ。ごめんなさいね…。あのトマト、また売りに来てね」お婆ちゃんはなっこり笑いながら歩いて行った。
「は、はい!またのご利用、お待ちしておりますっ」
つい力みすぎ大きな声を出し過ぎ回りから変な目で見られ一翔は急いで村へ戻った。
「一翔さん、おかえりなさい。売れました?」明るくリカが出迎えてくれた。丁度作業の休憩をしていたらしい。
「ただいま、リカ。それで、バンは?付きっきりで畑に居る訳じゃないだろ?」
「あぁ…それが…」
リカはばつが悪そうに畑の方を指差す。その先には何か大きな物体と戦うバンが見える。
「あ、あれは?」
「よくわからないんですがトマトを食べに来る動物を追い払うのに忙しいらしくて……。柵でも作れば良いんでしょうけど……」
「ずっと見張ってるから作る人が居ないし頑丈な作りじゃないとすぐに壊れる……ってとこか?」
「はい…。その辺はアールさんの得意分野なんですがアールさんは近くの町の手伝いに行ってまして」
いつの間にそんな事をしてたんだよ……。そんな事より、柵を作ってやらないと多分バンが永遠に休めないだろうし行くか…。
「おーいバン、随分楽しそうじゃないか」
「楽しいもんか!滅茶苦茶疲れるんだぞこれ」
「だろうな、まぁ待ってろ。この前教えて貰った魔法で柵作るから」
「魔法?誰が教えたんだよんなもん」
「あー…知り合いが」
たまにミーアが教えてくれるのだがここで正直に言う必要はないし、恐らく言うべきじゃないのではぶらかすことにした。
「ほぉ~。まぁとりあえず頼むわ…ひぃ~疲れた」
「まずは…木を用意して…と」
一翔は魔力を持ってないので補助アイテムを使用する。これは直接体力で補う物だ。
「そして、これをこう……と」
手をかざした木が柵になっていく。造形魔法だ。
「おー、大したもんだ。お前に魔法を教えたやつは余程の腕前だな」
「そ、そうなのか?」
「あぁ、いくらその補助アイテムがあるにしろかなり上位の造形魔法を短期間でそこまでできるようにするだけの伝授は中々できたもんじゃないさ」
「へ、へぇ……そうだったのか」
はじめてのミーアの誉め言葉を聞いた気がする。いや、流石に気のせいか。
「まぁ、とりあえずようやく休めるわ。ありがとうな」
ようやく腰を下ろしたバンのポケットから何かが落ちた。石…だろうか?透き通った濃い青のその石は転がり気付けば濁った色に変化していた。
「あー、これか。実は、お前さんが何かで困ったり迷ったりした時にこれを渡してやれと女神様からお前が来る少し前に渡されてたんだ。女神様がわざわざ用意したんだ。何かの意味はあるさ」
そう言うとバンは俺にその石を渡してきた。悩んでるのがばれた…ってことは多分ないと思う。バンだし。それでもこれが少し助けになった事は確かだった。
「おう。ありがとうな」
「俺じゃなくて女神様に言え。俺は渡せと言われただけだ。なんもしちゃいねぇ。んなことより戻るぞ、リカ一人だろ今」
いつものようにそっけなく歩いておいていかれる。
「あ、ちょ待てよ」
戻るとリカが笑顔で出迎えてくれた。アールは遅くなるとさっき手紙が送られてきたらしい。
「あ、そうだ。一翔さん一翔さん。これ、お渡ししようと思ってたんですが」
そういって透き通った黄色い石をリカは渡してきた。
「これは…?」
「魔術ではよく石を使ったりするんですがそれの一つです。今は使わないし、お守りにでもと」
「おー。モテるなぁ、お前」
「も、もぉバンさんからかわないでくださいよ~」
またガッハッハッハッと笑いながらバンは別の作業に向かうと言って何処かへ行ってしまった。
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