キチママ

戸影絵麻

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#7 作業

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 翌日は土曜日で、学校は休みだった。
 でも、僕にとっての週末は、はっきり言って地獄みたいなものだ。
 ”作業”とその後始末で、1日が終わってしまうからである。
 まず、朝の早い時間から僕は裸で風呂場に待機する。
 するとまもなく、大きな包丁を手にしたママが入ってきて、僕の躰を洗い清めた後、”作業”に取りかかるのだ。
 この時、ママはもちろん全裸である。
 その日、いつもと違ったのは、作業中、僕が勃起してしまったことだった。
 風呂場の床にうつぶせになり、身体の一部をママにそぎ落とされている時、ふいに床に押しつけられたペニスが、むくむくと成長し始めたのだ。
 ママの裸を意識するようになった結果だろうか。
 激痛が、何かの拍子に、快感へと変わってしまったとしか思えなかった。
「どうしたの?」
 作業が終わった後も、股間を手で隠したままの僕を見て、ママが怪訝そうに眉をひそめた。
 全裸のママは、胸も腹も太腿も、僕の血でまだらに染まっていた。
 風呂場の床も同様で、僕の周囲にできた血だまりから、排水口に向かって赤い筋が何本も道をつくっている。
「ううん、なんでもない」
 僕は曖昧に笑ってごまかした。
「血が止まったら、さっそく薬部屋へ行ってくるよ」
「じゃあ、ママはこれを」
 ママが嬉しそう微笑んで、両手に載せた戦利品を胸の前に掲げてみせた。
「ちょうどいい大きさに切って、冷凍庫に入れておくわ」
「今度はきっとおいしいステーキが焼けるよ」
 股間を押さえてうずくまったまま、ママに早く出て行ってほしい一心で、僕は言った。
 股間のこわばりは、いっこうに収まりそうもない。
 でもこれを、今ママに見られるわけにはいかないのだ。
「だといいけど」
 ため息をひとつついて、ママが腰を上げた。
 そしてうずくまったままの僕を見下ろすと、呆れたような表情で言ったのだ。
「そんなとこにいつまでも座ってないで、早く傷口を洗って止血しなさい。出血多量で死んじゃっても知らないわよ」
 
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