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第2章 跪いて足をお舐め
#25 魔王の落とし子⑩
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収縮を繰り返す穴をくぐると、そこは狭い隧道だった。
幅は両手を伸ばした程度で、高さはルビイの身長より若干低いぐらいだ。
隧道はやはり肉のような有機的な組織でできていて、まるで生き物の食道か腸の内部のようだった。
足元が沈んで歩きにくく、周囲には濃厚な生肉の匂いが充満している。
-おいでー
声はまだ続いていた。
消えたかと思うと、思い出したように、前方からかすかな空気の流れに乗って聞こえてくる。
-おいで…わたしの、きょうだいー
その声が聞こえるたびに、うなじの産毛がぞわりと逆立った。
なんだろう?
この先に、いったい何がひそんでいるというのだろう?
正直、行きたくなかった。
できるなら、引き返して地上に戻りたかった。
あのデスワームの本体が、私を呼んでいる…。
やはり、伝説は本当だったのだろうか。
20年前、故郷を襲った魔王が、ルビイを殺した際に放った精液。
それが地中に沁み込んで、新たな魔物を醸成した。
もしそれも魔王の分身といえるのであれば…。
確かに私とは、兄弟ということになる。
ふいに隧道が途切れ、広い場所に出た。
王宮の大伽藍を思わせる、広大な空間である。
その空間を埋め尽くすようにそびえ立つものを見て、ルビイは絶句した。
な、なんなの、これは…?
これが、デスワームの本体だっていうの?
幅は両手を伸ばした程度で、高さはルビイの身長より若干低いぐらいだ。
隧道はやはり肉のような有機的な組織でできていて、まるで生き物の食道か腸の内部のようだった。
足元が沈んで歩きにくく、周囲には濃厚な生肉の匂いが充満している。
-おいでー
声はまだ続いていた。
消えたかと思うと、思い出したように、前方からかすかな空気の流れに乗って聞こえてくる。
-おいで…わたしの、きょうだいー
その声が聞こえるたびに、うなじの産毛がぞわりと逆立った。
なんだろう?
この先に、いったい何がひそんでいるというのだろう?
正直、行きたくなかった。
できるなら、引き返して地上に戻りたかった。
あのデスワームの本体が、私を呼んでいる…。
やはり、伝説は本当だったのだろうか。
20年前、故郷を襲った魔王が、ルビイを殺した際に放った精液。
それが地中に沁み込んで、新たな魔物を醸成した。
もしそれも魔王の分身といえるのであれば…。
確かに私とは、兄弟ということになる。
ふいに隧道が途切れ、広い場所に出た。
王宮の大伽藍を思わせる、広大な空間である。
その空間を埋め尽くすようにそびえ立つものを見て、ルビイは絶句した。
な、なんなの、これは…?
これが、デスワームの本体だっていうの?
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