11 / 189
#10 「砂の器」にはあってこれにはないもの ~祈りの幕が下りる時~
しおりを挟む
「マスカレード・ホテル」同様、東野圭吾作品の映画化で、阿部寛演じる加賀刑事ものの第3弾。
泣ける作品ですし、「マスカレード・ホテル」みたいにミステリ映画としての瑕瑾もなく、見て損はないです。
でも…。
公開当時、犯人の過去の描き方の類似点から「現在版・砂の器」と持ち上げられていましたが、残念ながら、「砂の器」には遠く及びません。
観終わってもさほど心に残らないのは、ある視点が欠けているからだと思います。
主人公と犯人には共通点があります。
ともに毒ママに捨てられた子どもだという点です。
ところが映画では、この母親たちがなぜ夫と子を残して失踪したのか、その心理がほとんど描かれていないのです。
なので、見ている側には、妙なもやもや感が最後まで残ることになります。
犯人も主人公もその父親たちも確かに可哀想だけど、それって結局どっちもかあちゃんが悪いんじゃないの?
かあちゃんたちにも何か弁解すべき事情があるのでは?
そこを描かないと、一方的な視点の押しつけ、所謂カタテオチになってしまうのではないかと思うわけです。
ちなみに、「砂の器」は何度見ても号泣必須の映画です。
あれに比べると、この作品、残念ながらずいぶん軽いです。
泣ける作品ですし、「マスカレード・ホテル」みたいにミステリ映画としての瑕瑾もなく、見て損はないです。
でも…。
公開当時、犯人の過去の描き方の類似点から「現在版・砂の器」と持ち上げられていましたが、残念ながら、「砂の器」には遠く及びません。
観終わってもさほど心に残らないのは、ある視点が欠けているからだと思います。
主人公と犯人には共通点があります。
ともに毒ママに捨てられた子どもだという点です。
ところが映画では、この母親たちがなぜ夫と子を残して失踪したのか、その心理がほとんど描かれていないのです。
なので、見ている側には、妙なもやもや感が最後まで残ることになります。
犯人も主人公もその父親たちも確かに可哀想だけど、それって結局どっちもかあちゃんが悪いんじゃないの?
かあちゃんたちにも何か弁解すべき事情があるのでは?
そこを描かないと、一方的な視点の押しつけ、所謂カタテオチになってしまうのではないかと思うわけです。
ちなみに、「砂の器」は何度見ても号泣必須の映画です。
あれに比べると、この作品、残念ながらずいぶん軽いです。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
13
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる