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3章 3つ巴ベース編
42話 形勢逆転
しおりを挟む俺は他者からの侮蔑の視線や言葉が嫌いだった。
自分の自尊心のために他者を見下し、馬鹿にし嘲笑う。
そんな性根の腐った人間はどこにでもいる。
俺はそんな奴らが大嫌いだった。
****
「おい、そんなショックか?固まってふるえてんぞ!」
「光太郎、早く気絶させちゃなよ!」
背後から聞こえる笑い声
大きく深呼吸をして感情を抑える。
少しばかり現実を見せてやろう
「おい!光太郎!そいつから離れるんだ!」
俺が攻撃に移るタイミングで優等生君が叫んだ。
ピアスの少年が射程範囲が離れた。
「光太郎!空気が変わった。気をつけるんだ!」
「おうよ!雷纏!」
再びピアス少年が雷を纏う。
さっきの感じから、反射速度、移動速度を爆発的に上げるスキルだろう。
かなり強力なスキルだ。だが
「少年……髪の代償は高くつくぞ!」
少し本気を出すとしよう
【全力Ⅲ】の限界突破状態を発動
【回復強化Ⅳ】で限界突破状態による肉体破壊を常時回復させる
「怒ってんじゃん!でも俺の速さには誰もついてこれねぇよ!稲妻突き」
ピアス少年の槍の穂先が一瞬にして目の前に
だが
「なっ!俺の稲妻突きを防ぐだと……!」
「遅いな!」
槍を短剣で弾き、ピアス少年の腹に蹴りを入れる。
「グハッ!」
ゴム玉のように弾き飛び、洞窟内の壁にぶつかるピアス少年
少しやりすぎたか
「終わりか」
残った茶髪の少女と優等生君に目を向ける。
後はこいつらか
「あなたはかなり強いみたいだ。だけど光太郎を舐めない方がいい」
「あの少年はーーなっ!?」
俺の後ろから倒れたはずのピアス少年が突っ込んできた。
なんとか【直感】によって避ける事ができた。
それにしてもさっきより速度が速くなっている。
何より動きのキレが増している。
「本当変なスキルよね!気絶した方が強くなるなんて」
「光太郎のスキル【自動戦闘】は人体を高度な演算により操り、達人をも超える戦闘技術を実現するスキル。《夜明けの鐘》副リーダーの名は伊達じゃないよ」
俺はピアス少年の鋭い攻撃を全スキルを駆使して避け続ける。
それにしても【自動戦闘】とはスキルとはなんでもあるな
うぉ!
槍が頬を掠める。
今の俺の状態は肉体の力を最大限に使用した状態。加えて知覚もかなり強化している。
にも関わらずこのピアス少年の動きについていくのはかなりキツイ。
無表情で的確に俺の隙を突いてくる。
攻撃の出始めを全て潰される。やりづらすぎる!
「光太郎が押し始めているじゃん!」
「時間が経てば経つほど光太郎は強くなる。それは【自動戦闘】の学習機能の力なんだ」
「学習機能?」
「そう、戦いの中で相手の攻撃パターンを高速で解析し対応する。時間が経てば経つほど相手の行動は全て把握され、完全に封殺させる。光太郎に勝つには、解析されるより早く勝負を決めるか、より強力なスキルで勝つ方法しかないのさ」
「じゃあ、あの男は?」
「時間の問題だろうね」
俺が必死で戦っている横で言いたい放題だな
それにしても時間が経つほど俺の技が読まれるわけか
かなりヤバイな…なんてついていない日だ
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