最強への道 〜努力は俺を裏切らない

ペンギン

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3章 3つ巴ベース編

65話 強化月間1

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どのくらい時間が経ったのだろうか……

俺とパールがダンジョンに潜ってから、1か月近くは経ったはず
正直、ダンジョン内でずっといた為、体内時計など当てにならず、唯一当てになるとすれば腹時計だろうか?

まぁ、それも当てにはならないか

俺はスキル"回復強化"の効果で飲まず食わずでも1か月は大丈夫だし
パールも食い溜めのスキルにより俺と同等程度に耐えることかできる。

まぁそんな事はいいか
俺もパールも今回ばかりは本当によく頑張ったと思っている。
訓練の密度、危険度など今までで1番だと思う。
今まで最も死を身近に置いた訓練だった。

そして

「パール、そろそろ仕上げだ。1人で倒せるか?」

俺は見た目こそ変化していないが、明らかに放つ雰囲気が変わったパールに声をかける。

今、俺とパールがいるのは"15階層"
あの俺とパールが命辛々倒した一つ目の巨人"サイクロプス"がいる階だ。

実はこの1か月、俺とパールはこのサイクロプス倒し続けている。
流れとしては、

サイクロプス倒す→16階層から19階層までの魔物を倒す→サイクロプス復活→サイクロプス倒す

おそらく合計で20数回は倒したはずだ。
最初は何度も死にかけたものの今では2人で掛かれば確実に勝てるまでにはなっている。

そして、今、目の前には

「ヴォォォオォオ!!」

復活したサイクロプスがこちらを睨んでいる。
最初はあれほど恐怖に感じた咆吼も今ではただうるさいだけだ。

「ぷぅ…」

パールはトボトボと前に歩いて行く。
至って普通に近づいていく
何故か若干ドヤリながら歩いているのが気にはなるが

「ヴォォォオォオ!!!」

どうやらサイクロプスも癪に触ったようで
サイクロプスは目を血走らせ、右手に待つトゲトゲ状のモーニングスターを悠然と歩くパールへと叩きつけた。

"ダンッ"という激しい衝突音がフロア内に響く。
サイクロプスの本気の一撃だ。その威力は数十tはあるだろう

だが

「ぷぅ~~」

自身の身体より大きいモーニングスターのトゲ状の先端を叩きつけられても尚、パールの余裕は一切消えていなかった。
逆にモーニングスターのトゲがパールの身体に負け、折れてしまっている。

以前は一撃で瀕死に至った攻撃を今では、完全に無効化するほどの防御力をパールは身につけたのだ。

だが、少しばかり調子に乗りすきだな

「パール、余裕と油断を履き違えるなよ…」

俺は僅かばかり殺気を込めて伝える。
するとパールはビクッと身体を震わせ、

「プ!?プゥ!!」

一気に真剣な表情に変わる。
だが、その間にもサイクロプスはもう一撃喰らわそうとモーニングスターを振り上げ、振り下ろす。

激しい衝撃音
しかし、そこにパールの姿は無く、あるのはひび割れた地面 

「プゥゥゥゥ!!!」

パールは一瞬にてサイクロプスの頭上の天井にいた。
その速度はサイクロプスの目でも追えぬほど速く、サイクロプスが声で居場所を特定した時には既に遅く

パールの身体が天井から弾丸の如く放たれた。

"ズドンっ"という鈍く重い音が鳴り響き、サイクロプスの頭が弾かれるように地面へと叩きつけられた。

そして、サイクロプスは動かなくなった。

「プゥ~~♪」

パールはサイクロプスの死を確認した後、こちらにコロコロと転がってきて褒めろとばかりに頭を足に押し当てて来る。

「よく頑張ったな…」

俺はパールの頭をポンポンと撫でる。
相変わらず心地いい触り心地だ。
それにしてもパールは強くなった。もはや1か月前までとは別格だ。

ちなみに今のパールのステータスは

********

名前 パール
種族 マルブー
スキル 食い溜めⅡ
    転がるⅢ
    弾力ボディⅢ
    重量変化Ⅲ
    硬化Ⅲ
    打撃耐性Ⅲ
        

《ボールのように丸い豚の魔物。逃げ足が非常に遅いため魔物に狩られ尽くされ絶滅した種。》

********

全てのスキルがⅢまで上がり、打撃耐性というスキルが増え、それもⅢまで強化されている。
この打撃耐性Ⅲがパールの特訓の苛烈さを最も表していると思う。
思い返せば、ボコボコだったもんな……

「よし、じゃあ、次は俺の仕上げの番だな」

俺とパールは最後の仕上げに20回層に向かうことに。
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