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マディア公爵邸にて
104話 よかったあああああああああああ
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わたしはお部屋に帰りながら、家令さんと連絡をとれるかお仕事中のメイドさんに声をかけてまわりました。「重大なお話があります」と深刻そうな顔をして。わたし付きのメイドさんは姿が見えません。ここまで騒いで無視されることはないでしょう。と思ったら、お部屋についたと同じくらいに家令さんもみえました。「いったいなんだというんですか」とちょっとお怒り気味です。
「怒っておいでみたいですけど、わたしだって怒ってますよ。ちょっと確認させてください。こちらで飼育されている鶏の肝臓、どの程度メラニーさんに提供されているんですか?」
「毎晩、必ずお出ししています。そうするようにとのことなので」
「なんですかそれ。なにが『担当医の指導による特別な献立』ですか。どう考えてもメラニーさんを肥らせて、心臓に負担かけるメニューじゃないですか!」
聞き捨てならなかったんでしょう。「あなたは、栄養学を専攻されているのですか」とするどく問われました。
「いいえ。でも家令さんがその状況に疑問を抱かないことがふしぎです。少し考えればわかりませんか? 過ぎたるは及ばざるがごとしですよ。鳥へ特別な給餌をして肥らせ、肝臓を食べる習慣はわたしの故郷でもありました。けれどそれはときどき食べる美食としてです」
「しかし、栄養食としてすばらしいと聞いています」
「そりゃそうですよ、元をたどればレバーなんだから。ビタミンとかめっちゃあるはずで、適量食べればお肌つやっつやになるんじゃないですかね。動物性脂質だし、長い目でみれば健康にだっていいかもしれない。でも、それは体を壊してからあわてて摂り入れてどうこうなるものじゃないですよ。養鶏場見ました。あの鶏、通常より肥らされた鶏です。その肥った部分って脂肪のかたまりですよね。豚肉の脂肪のかたまり食べたことあります? 食べたいと思います?」
「……それは話を飛躍しすぎではありませんか」
「そうかもしれませんね。じゃあ話の方向変えましょう。――メラニーさん、鶏の肝臓常食するようになってから、病状少しでも良くなりました?」
返事はありませんでした。わたしは続けます。「おそらく、お医者さんだって善意で勧めたんだと思います。実際栄養価は高いはずだし。それが今の状況、まるで鶏の肝臓が特効薬でもあるかのような扱いじゃないですか。食べ物は、食べ物ですよ。体を作る元となるものであって、病気を治すお薬じゃありません。ごはんは必要なときに必要なものを食べるのが普通ですよね? クロヴィスさんみたいに動きまくっている人が、あの鶏の肝臓を毎日食べるのとはわけが違います。メラニーさんにまるで鶏を肥らせるみたいな食事させてるってわかりませんか? 肥満は心臓にめちゃくちゃ悪いですよ! そんなんじゃ、治るものも治るわけないじゃないですか」と、言いたいことを言ってやりました。家令さんはこちらをにらみます。外野に意見されてさぞかし気分がわるいことでしょう。わたしだって、半年もフォアグラ責めされているメラニーのこと考えて気分わるいですよ! ベッドから離れられないくらいなのに、高カロリー食毎晩とか! ぽっちゃりメラニー想像できない!
「ご意見はたまわりました。が、専門家ではない方の話をうのみにするわけには参りません」
「もちろんです。セカンドオピニオン……違うお医者さんにお話伺うのはどうですか」
「なぜですか」
「今の状況を客観的に判断してくださるでしょうし。好転しない理由だって、違う専門家の目を通せば見えてくるかもしれないじゃないですか」
「ご意見はたまわりました」
だめだこりゃ。家令さんの目を見て思いました。
夕飯はたぶん家令さんのさしがねで、鶏の肝臓が出ました。おいしかったです。そして歯を磨いて寝る用意をしていたときに、家令さんがみえて「主がお呼びです」と言いました。着替える前でよかったです。
「わたしの婚約者の食事について、意見があると聞いた」
「病気の方に重すぎるもの食べさせてぐったりさせないであげてっていう話です」
「しかし、鶏の肝臓は体にいいと医者が言っている」
「そうだと思いますよ。クロヴィスさんみたいに強くて健康な方が毎日食べたら、ますます健康になるかもしれないですね」
「メラニーには、効かないと言いたいのか」
「そもそもー、食事ってー、お薬じゃなくてー、毎日の必要をまかなうものでー」
ああー、どう言えばいいんでしょうか。昔ばあちゃんも、キャベツがテレビで特集されたとき三玉も買って来てたなあ……。あと、ヒラメがガンに効く! って聞いてきて、入院したじいちゃんに毎日お刺身買って持って行ってた。わかってる。祈りの気持ちがそこにある。少しでも良くなってほしいっていう、ほかにはどうしようもない者の切実な気持ち。わかってたからわたしも、よしこちゃんちでヒラメをぐぐって、害はなさそうだったからとめなかった。でもじいちゃんは、二年闘病してしんじゃった。「効かんかったなあ」ってさみしそうにばあちゃんがつぶやいたのを覚えている。
「メラニーさんはすでにご病気なんですよね? 食事で得られるのは、予防効果とかであって病気の快癒ではないです。もちろん、食事によって具合が良くなることだってありますけど。毎日食べさせるのはやりすぎだって言いたいんです。どう考えても、あれは体が弱っている方がひんぱんに食べたからって、どうこうなるような奇跡の食べ物じゃないです。ほかの食材もですけど。なにかひとつにこだわって食べるより、均衡がとれた食事の方が体にいいのは当然のことだと思います」
クロヴィスはじっとわたしを見て、考え込んでいました。「あなたは……どうしてわたしへそんな進言をするのか」と尋ねられました。
「どうしてって……二人にも幸せになってほしいからですよ。それ以外になにがありますか」
沈黙が落ちます。わたしがクロヴィスの目にめちゃくちゃ怪しい人物なのはわかっています。それでも、わたしの目的は変わりません。どうにかみんなで幸せエンド。だれひとり取りこぼすことなく。このあとどうなるのかも、どうすべきなのかも、ぜんぜんわからないけれど。
「メラニーは」
なにかを思い起こすようにどこかを見つめて、クロヴィスが言いました。
「とても、食が細くて。以前から、わたしの十分の一も食べないくらいだった。寝付いてからは、さらに食べなくなってしまって。わたしが用意した鶏は、それでも少しは食べてくれると聞いている」
「……メラニーさんが好きな食べ物ってなんなんですか?」
クロヴィスが止まります。まさか知らないのか。「……茶の好みは知っている」知らなかったー。
毎日ばあちゃんにつきあってヒラメ食べてたじいちゃん、本当はサーモンの方が好きだったんですよね。ちょっと後悔することがあるとすれば、そのこと。ばあちゃんの気持ちばっかり考えないで、じいちゃんの気持ちももうちょっと考えればよかった。そんなに好きじゃないヒラメに「おいしいよ」って言わせるんじゃなくて、好きなサーモンに「おいしいよ」って言えてたら、もうちょっと長生きできたかもしれない。……まあ、たらればの話なんですけど。
「聞いてみたらどうですか。なに食べたいか。クロヴィスさんが自分のために用意してくれた鶏とか、いやでも食べるの当然じゃないですか。嫌われたくないもん。わたしだって同じ状況だったら食べる。――そして! 大切なことだとわたしは思うんですけど! ほかの! お医者様に! 一度! 意見を求めてみたらいいんじゃないかなーって、思います!」
「しかし、今の主治医はメラニーが幼いころからかかっている医者だぞ」
「そのお医者様がわるいって言っているわけではありません。メラニーさんのことで、その方がなにか見落としていることがあるかもしれないじゃないですか。他の人の意見も聞いてみるだけですよ。だって、軍だっていろいろな人が集まって軍議を開くでしょう? それと同じです」
「なるほど……」
いちおうは納得してそう言ってくれました。すっとどこか遠いところを見てから、クロヴィスはわたしへと視線を戻しました。
「これまでラ・サル将軍が軍師に選んだ人間とはまるで思えなかったが……今の話はよかった。一両日中に考慮しよう。助言感謝する」
「怒っておいでみたいですけど、わたしだって怒ってますよ。ちょっと確認させてください。こちらで飼育されている鶏の肝臓、どの程度メラニーさんに提供されているんですか?」
「毎晩、必ずお出ししています。そうするようにとのことなので」
「なんですかそれ。なにが『担当医の指導による特別な献立』ですか。どう考えてもメラニーさんを肥らせて、心臓に負担かけるメニューじゃないですか!」
聞き捨てならなかったんでしょう。「あなたは、栄養学を専攻されているのですか」とするどく問われました。
「いいえ。でも家令さんがその状況に疑問を抱かないことがふしぎです。少し考えればわかりませんか? 過ぎたるは及ばざるがごとしですよ。鳥へ特別な給餌をして肥らせ、肝臓を食べる習慣はわたしの故郷でもありました。けれどそれはときどき食べる美食としてです」
「しかし、栄養食としてすばらしいと聞いています」
「そりゃそうですよ、元をたどればレバーなんだから。ビタミンとかめっちゃあるはずで、適量食べればお肌つやっつやになるんじゃないですかね。動物性脂質だし、長い目でみれば健康にだっていいかもしれない。でも、それは体を壊してからあわてて摂り入れてどうこうなるものじゃないですよ。養鶏場見ました。あの鶏、通常より肥らされた鶏です。その肥った部分って脂肪のかたまりですよね。豚肉の脂肪のかたまり食べたことあります? 食べたいと思います?」
「……それは話を飛躍しすぎではありませんか」
「そうかもしれませんね。じゃあ話の方向変えましょう。――メラニーさん、鶏の肝臓常食するようになってから、病状少しでも良くなりました?」
返事はありませんでした。わたしは続けます。「おそらく、お医者さんだって善意で勧めたんだと思います。実際栄養価は高いはずだし。それが今の状況、まるで鶏の肝臓が特効薬でもあるかのような扱いじゃないですか。食べ物は、食べ物ですよ。体を作る元となるものであって、病気を治すお薬じゃありません。ごはんは必要なときに必要なものを食べるのが普通ですよね? クロヴィスさんみたいに動きまくっている人が、あの鶏の肝臓を毎日食べるのとはわけが違います。メラニーさんにまるで鶏を肥らせるみたいな食事させてるってわかりませんか? 肥満は心臓にめちゃくちゃ悪いですよ! そんなんじゃ、治るものも治るわけないじゃないですか」と、言いたいことを言ってやりました。家令さんはこちらをにらみます。外野に意見されてさぞかし気分がわるいことでしょう。わたしだって、半年もフォアグラ責めされているメラニーのこと考えて気分わるいですよ! ベッドから離れられないくらいなのに、高カロリー食毎晩とか! ぽっちゃりメラニー想像できない!
「ご意見はたまわりました。が、専門家ではない方の話をうのみにするわけには参りません」
「もちろんです。セカンドオピニオン……違うお医者さんにお話伺うのはどうですか」
「なぜですか」
「今の状況を客観的に判断してくださるでしょうし。好転しない理由だって、違う専門家の目を通せば見えてくるかもしれないじゃないですか」
「ご意見はたまわりました」
だめだこりゃ。家令さんの目を見て思いました。
夕飯はたぶん家令さんのさしがねで、鶏の肝臓が出ました。おいしかったです。そして歯を磨いて寝る用意をしていたときに、家令さんがみえて「主がお呼びです」と言いました。着替える前でよかったです。
「わたしの婚約者の食事について、意見があると聞いた」
「病気の方に重すぎるもの食べさせてぐったりさせないであげてっていう話です」
「しかし、鶏の肝臓は体にいいと医者が言っている」
「そうだと思いますよ。クロヴィスさんみたいに強くて健康な方が毎日食べたら、ますます健康になるかもしれないですね」
「メラニーには、効かないと言いたいのか」
「そもそもー、食事ってー、お薬じゃなくてー、毎日の必要をまかなうものでー」
ああー、どう言えばいいんでしょうか。昔ばあちゃんも、キャベツがテレビで特集されたとき三玉も買って来てたなあ……。あと、ヒラメがガンに効く! って聞いてきて、入院したじいちゃんに毎日お刺身買って持って行ってた。わかってる。祈りの気持ちがそこにある。少しでも良くなってほしいっていう、ほかにはどうしようもない者の切実な気持ち。わかってたからわたしも、よしこちゃんちでヒラメをぐぐって、害はなさそうだったからとめなかった。でもじいちゃんは、二年闘病してしんじゃった。「効かんかったなあ」ってさみしそうにばあちゃんがつぶやいたのを覚えている。
「メラニーさんはすでにご病気なんですよね? 食事で得られるのは、予防効果とかであって病気の快癒ではないです。もちろん、食事によって具合が良くなることだってありますけど。毎日食べさせるのはやりすぎだって言いたいんです。どう考えても、あれは体が弱っている方がひんぱんに食べたからって、どうこうなるような奇跡の食べ物じゃないです。ほかの食材もですけど。なにかひとつにこだわって食べるより、均衡がとれた食事の方が体にいいのは当然のことだと思います」
クロヴィスはじっとわたしを見て、考え込んでいました。「あなたは……どうしてわたしへそんな進言をするのか」と尋ねられました。
「どうしてって……二人にも幸せになってほしいからですよ。それ以外になにがありますか」
沈黙が落ちます。わたしがクロヴィスの目にめちゃくちゃ怪しい人物なのはわかっています。それでも、わたしの目的は変わりません。どうにかみんなで幸せエンド。だれひとり取りこぼすことなく。このあとどうなるのかも、どうすべきなのかも、ぜんぜんわからないけれど。
「メラニーは」
なにかを思い起こすようにどこかを見つめて、クロヴィスが言いました。
「とても、食が細くて。以前から、わたしの十分の一も食べないくらいだった。寝付いてからは、さらに食べなくなってしまって。わたしが用意した鶏は、それでも少しは食べてくれると聞いている」
「……メラニーさんが好きな食べ物ってなんなんですか?」
クロヴィスが止まります。まさか知らないのか。「……茶の好みは知っている」知らなかったー。
毎日ばあちゃんにつきあってヒラメ食べてたじいちゃん、本当はサーモンの方が好きだったんですよね。ちょっと後悔することがあるとすれば、そのこと。ばあちゃんの気持ちばっかり考えないで、じいちゃんの気持ちももうちょっと考えればよかった。そんなに好きじゃないヒラメに「おいしいよ」って言わせるんじゃなくて、好きなサーモンに「おいしいよ」って言えてたら、もうちょっと長生きできたかもしれない。……まあ、たらればの話なんですけど。
「聞いてみたらどうですか。なに食べたいか。クロヴィスさんが自分のために用意してくれた鶏とか、いやでも食べるの当然じゃないですか。嫌われたくないもん。わたしだって同じ状況だったら食べる。――そして! 大切なことだとわたしは思うんですけど! ほかの! お医者様に! 一度! 意見を求めてみたらいいんじゃないかなーって、思います!」
「しかし、今の主治医はメラニーが幼いころからかかっている医者だぞ」
「そのお医者様がわるいって言っているわけではありません。メラニーさんのことで、その方がなにか見落としていることがあるかもしれないじゃないですか。他の人の意見も聞いてみるだけですよ。だって、軍だっていろいろな人が集まって軍議を開くでしょう? それと同じです」
「なるほど……」
いちおうは納得してそう言ってくれました。すっとどこか遠いところを見てから、クロヴィスはわたしへと視線を戻しました。
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