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58:父親達の哀愁
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早朝。ジャンは13歳になって中学校に進学したトリッシュに、いそいそと自信作の腹巻きを見せた。我ながら飛竜が上手く模様として編めたと思う。
「トリッシュ。そろそろ腹巻きがへたってくる頃だろ?新しいの作ったんだ」
「いらないわ」
「えっ!?なんでだ」
「腹巻きなんてダサいもの。学校の子達は皆そんなのつけてないし」
「女の子に冷えは大敵ってマーサ様も言ってたぞ」
「それでもいらないし、絶対つけない。それに飛竜柄なんて喜ぶの小学校低学年までよ」
「飛竜が駄目なら可愛いくまさんとかうさぎさんにするか?俺が作るとちょっと前衛的になるけど」
「前衛的っていうか、ただ単に父様が飛竜以外の絵が壊滅的に下手くそなだけでしょ」
「ぐはっ!」
「兎に角いらない。学校行ってくるわ」
「……いってらっしゃい」
可愛らしく髪を編み込んで、中学校の制服に身を包んだトリッシュが玄関から出ていった。トリッシュを見送ると、ジャンはその場に崩れ落ちた。なんてことだ。俺達の天使がついに反抗期に入ってしまった。前はジャンの手作り腹巻きの飛竜を見て、めちゃくちゃ喜んでくれていたというのに。
項垂れていると、今日は休みなクラウディオが台所から出てきた。
「何やってるんだ?ジャン」
「……クラウディオ。俺達の天使が反抗期だ」
「あ、それな。俺もさ、昨日新作のワンピース作るから採寸させてくれって言ったんだよ」
「うん」
「めちゃくちゃ嫌そうな顔で断られた。『今時父親の手作りワンピース着てる子なんていないし』って」
「うわぁ」
「つらい」
「本当つらい。……年頃の娘を持ってる父親って、こういう時どうしてるんだろう」
「まぁ、領軍詰所の食堂とかでちらほら愚痴が聞こえてきたりするな。あ、そうだ。リチャード様に話を聞いてみるか?あの方、娘も何人もいるし」
「あ、そうか。子供が12人もいるしな」
「うち半分は女の子だ」
「行く?」
「行こう」
ジャンとクラウディオは子育てのお悩み相談をしに、リチャード殿を訪ねることにした。マーサ様の家を訪ねると、タイミングよくリチャード殿が居間にいた。今日は平日である。リチャード殿は末っ子のドリーシャがまだ4歳なので、たまに仕事をサボってドリーシャの相手をしている。今日はサボりの日らしい。
「リチャード様。少しお聞きしたいことがあるのですが」
「ん?いいぞ。何だ?」
「実はトリッシュが反抗期に突入したっぽくて……リチャード様はそういう時どうされてましたか?」
「んー。うちの娘達はあんまり反抗期らしい反抗期が無かったからなぁ。強いて言うならナティくらいか?ナティには『父様汗臭いから近寄らないで』って言われたことがある」
「うわ……」
「きっつ……」
「当時俺はとても傷ついた」
「しょうがないわよ。実際貴方汗臭いもの」
「あ、マーサ様」
マーサ様がお茶を持ってきてくれた。カップを差し出してくれるマーサ様にお礼を言ってからカップを受けとる。
「酷くないか?マーサ。小まめに風呂には入ってるし、練り香だってつけてるぞ」
「練り香使いだしたのナティちゃんに言われてからでしょ」
「うっ、まぁそうだけど」
「筋肉だるまで代謝いいから貴方汗っかきじゃない。まぁ普通に汗臭いわよ」
「ぐはっ!」
リチャード殿に言うだけ言うと、ゆっくりしていってねー、とジャン達に言ってからマーサ様は居間から去っていった。残されたのは傷ついたリチャード殿とそんなリチャード殿に同情するしかないジャン達だけである。
マーサ様は基本的に優しいが、リチャード殿には結構キツイこともズバズバ言う。別にリチャード殿が好きじゃないという訳ではない。1週間に1度は必ず夕食にリチャード殿が好きな料理を作るし、甘いものに目がないリチャード殿の為に余程忙しい時以外は毎日おやつを手作りしている。とても大事にはしているのだ。キツイことを言うのも、多分強固な信頼関係があるからなのだろう。リチャード殿もマーサ様のことを大事にしていて、マーサ様にこっそり秘密の嫁や遊び相手がいることを普通に受け入れているようである。前々から思っていたが、器の大きい御仁だ。
「あー。リチャード様。大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫だ……。俺は打たれ強さには定評がある男だ」
「そうですね」
「まぁ、なんだ。あれだ。年頃の女の子のことは女に任せるのが1番なんじゃないか?うちにはマーサもミーシャ達もいるし」
「はぁ……」
「あー。まぁ、そうなんでしょうか」
「まぁ、マーサは13の娘に『結婚前に遊んどきなさいよー』とか言って避妊用の魔導具渡したり、『処女膜くらい必要なら復元すりゃいいのよ。私できるもん』とか言うようなやつだし、ミーシャはミーシャで『いざって時に旦那と子供抱えて全力疾走できるくらいじゃなきゃダメよ』とか言って筋トレ推奨したりするけど」
「不安しか感じないんですけどっ!?」
「いやいや!ダメでしょう!?それ!」
「んー。だけど今んとこ男遊びしてる娘はいないしなぁ。皆自分のやりたいことに夢中だし」
「いや、確かにそうですけど」
「まぁ、程々に遊ぶ分にはいいんじゃないか?男だって普通に遊ぶわけだから。……うちの子は男も遊ばない子ばっかだけど」
「はぁ。左様で」
「うん」
「まだまだ先の話ですけど、お嫁にいくときはどうされてましたか?」
「ん?嫁か?毎回普通に喜んでるぞ」
「えっ!?嫌じゃないんですか?俺は想像するだけで凹むんですけど」
「それ昔同じ事をアルジャーノも言ってたぞ、ジャン殿」
「あ、そうなんですか」
「うん。いやほら。うちの娘達って世間一般的には少し変わってるだろ?皆剣も銃も弓も使えるし。まぁ多少得手不得手はあるけど。ミーシャなんか俺に身長も職務放棄してる表情筋も似ちゃったから、そこらへんの男よりデカくて愛想がないだろ。そりゃ小さい頃はお嫁になんていってほしくなかったが、ある程度大きくなる頃には正直結婚できるか心配してたからな。伴侶のルート君は結婚するまで10年くらい毎年うちに来てたから、よく知っていたし。まぁ、寂しさよりも安心の方が大きかったな。エーシャもかなり破天荒な性格してるから同様。ナティもな。サーシャは……正直そろそろ結婚してくれないかなー、と思っている。せめて恋人くらいいてもよくないか?」
「サーシャ様はそっち方面全然なんですか?」
「全く気配がないな。神殿に引きこもって古文書の解読やってるか、部屋に引きこもって小説書いてる。ぶっちゃけさ。ほら、フェルナンド様と小さい頃から仲良しだろ?今でも2人だけで遊びに行くこともあるし。フェルナンド様と結婚するかもって思ってたんだけどなー」
「フェルナンドもサーシャ様のことは親友としか思ってない感じですよ」
「そーなんだよなー。クラウディオ分隊長。お前顔が広いだろ?どっかにいい男いないか?」
「えー。サーシャ様ってどんなのが好みなんですか?」
「知らん」
「……いや、それが分からないと紹介もできませんよ」
「だよなー……はぁ……まぁ、なんだ。子供なんてあっという間に大きくなるもんだ。皆独立した各々違う人間なんだから、親だからって思い通りにしていいわけじゃない。静かに見守ってやって、困っている時だけ手助けしてやったり、話を聞いてやるくらいでいいんじゃないか?」
「……そうですね」
流石に何人も育て上げてるだけあって中々に含蓄がある言葉である。
ジャンとクラウディオはリチャード殿にお礼を言うと、マーサ様の家から自宅へと帰った。
帰り道にクラウディオと歩きながら話す。
「リチャード殿は器の大きな御仁だな」
「まあな。部下達にも領民にも慕われてるよ」
「だろうな」
「しっかし、トリッシュの反抗期はいつ終わるんだろうな。……終わる頃には大人になってるんじゃないか?」
「そうだな。まぁ、それも成長と思えば喜ばしいが……正直寂しい」
「本当にな。ついこないだ産まれたばっかなのに」
「子供の成長って早いな」
「あぁ。まぁ、お嫁に行くのはまだまだ先だろうけど。本人は高等学校には行かずに飛竜乗りになるって言ってるし」
「そうだな。……飛竜乗りになるのはいいが、心配なんだよなぁ」
「ん?トリッシュは飛竜に乗るセンスがあるってこないだ言ってただろ?」
「まぁ、そうなんだけど。確かにこのまま頑張ればいい飛竜乗りになれるんだよ。でも旅をさせるのはなぁ……」
「あー……まぁ、確かに心配だな」
「とはいえ、ダメと言っても聞かないだろうし」
「結構頑固だからな」
「下手に反対して家を飛び出されるよりも、暫くは俺が一緒に飛んだ方がいいかもしれない」
「そうだな。せめて旅暮らしに慣れるくらいまではな」
「……フェリについていけるのが少し延びるけど、それしかないかな」
「フェリも納得してくれるどころか、多分ジャンにトリッシュと飛んでくれって言う筈だよ」
「だろうな」
「ま、まだ中学校卒業まで2年ちょいあるんだ。それまでに色々心構えしとかなきゃな」
「そうだな」
話していると家が見えてきた。ジャンに気づいたモルガが竜舎から顔を出して、可愛らしく鳴いた。竜舎に寄ってモルガを撫でてから、夕食の準備を始める。
サンガレアの冬の始まり頃の日のことであった。
「トリッシュ。そろそろ腹巻きがへたってくる頃だろ?新しいの作ったんだ」
「いらないわ」
「えっ!?なんでだ」
「腹巻きなんてダサいもの。学校の子達は皆そんなのつけてないし」
「女の子に冷えは大敵ってマーサ様も言ってたぞ」
「それでもいらないし、絶対つけない。それに飛竜柄なんて喜ぶの小学校低学年までよ」
「飛竜が駄目なら可愛いくまさんとかうさぎさんにするか?俺が作るとちょっと前衛的になるけど」
「前衛的っていうか、ただ単に父様が飛竜以外の絵が壊滅的に下手くそなだけでしょ」
「ぐはっ!」
「兎に角いらない。学校行ってくるわ」
「……いってらっしゃい」
可愛らしく髪を編み込んで、中学校の制服に身を包んだトリッシュが玄関から出ていった。トリッシュを見送ると、ジャンはその場に崩れ落ちた。なんてことだ。俺達の天使がついに反抗期に入ってしまった。前はジャンの手作り腹巻きの飛竜を見て、めちゃくちゃ喜んでくれていたというのに。
項垂れていると、今日は休みなクラウディオが台所から出てきた。
「何やってるんだ?ジャン」
「……クラウディオ。俺達の天使が反抗期だ」
「あ、それな。俺もさ、昨日新作のワンピース作るから採寸させてくれって言ったんだよ」
「うん」
「めちゃくちゃ嫌そうな顔で断られた。『今時父親の手作りワンピース着てる子なんていないし』って」
「うわぁ」
「つらい」
「本当つらい。……年頃の娘を持ってる父親って、こういう時どうしてるんだろう」
「まぁ、領軍詰所の食堂とかでちらほら愚痴が聞こえてきたりするな。あ、そうだ。リチャード様に話を聞いてみるか?あの方、娘も何人もいるし」
「あ、そうか。子供が12人もいるしな」
「うち半分は女の子だ」
「行く?」
「行こう」
ジャンとクラウディオは子育てのお悩み相談をしに、リチャード殿を訪ねることにした。マーサ様の家を訪ねると、タイミングよくリチャード殿が居間にいた。今日は平日である。リチャード殿は末っ子のドリーシャがまだ4歳なので、たまに仕事をサボってドリーシャの相手をしている。今日はサボりの日らしい。
「リチャード様。少しお聞きしたいことがあるのですが」
「ん?いいぞ。何だ?」
「実はトリッシュが反抗期に突入したっぽくて……リチャード様はそういう時どうされてましたか?」
「んー。うちの娘達はあんまり反抗期らしい反抗期が無かったからなぁ。強いて言うならナティくらいか?ナティには『父様汗臭いから近寄らないで』って言われたことがある」
「うわ……」
「きっつ……」
「当時俺はとても傷ついた」
「しょうがないわよ。実際貴方汗臭いもの」
「あ、マーサ様」
マーサ様がお茶を持ってきてくれた。カップを差し出してくれるマーサ様にお礼を言ってからカップを受けとる。
「酷くないか?マーサ。小まめに風呂には入ってるし、練り香だってつけてるぞ」
「練り香使いだしたのナティちゃんに言われてからでしょ」
「うっ、まぁそうだけど」
「筋肉だるまで代謝いいから貴方汗っかきじゃない。まぁ普通に汗臭いわよ」
「ぐはっ!」
リチャード殿に言うだけ言うと、ゆっくりしていってねー、とジャン達に言ってからマーサ様は居間から去っていった。残されたのは傷ついたリチャード殿とそんなリチャード殿に同情するしかないジャン達だけである。
マーサ様は基本的に優しいが、リチャード殿には結構キツイこともズバズバ言う。別にリチャード殿が好きじゃないという訳ではない。1週間に1度は必ず夕食にリチャード殿が好きな料理を作るし、甘いものに目がないリチャード殿の為に余程忙しい時以外は毎日おやつを手作りしている。とても大事にはしているのだ。キツイことを言うのも、多分強固な信頼関係があるからなのだろう。リチャード殿もマーサ様のことを大事にしていて、マーサ様にこっそり秘密の嫁や遊び相手がいることを普通に受け入れているようである。前々から思っていたが、器の大きい御仁だ。
「あー。リチャード様。大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫だ……。俺は打たれ強さには定評がある男だ」
「そうですね」
「まぁ、なんだ。あれだ。年頃の女の子のことは女に任せるのが1番なんじゃないか?うちにはマーサもミーシャ達もいるし」
「はぁ……」
「あー。まぁ、そうなんでしょうか」
「まぁ、マーサは13の娘に『結婚前に遊んどきなさいよー』とか言って避妊用の魔導具渡したり、『処女膜くらい必要なら復元すりゃいいのよ。私できるもん』とか言うようなやつだし、ミーシャはミーシャで『いざって時に旦那と子供抱えて全力疾走できるくらいじゃなきゃダメよ』とか言って筋トレ推奨したりするけど」
「不安しか感じないんですけどっ!?」
「いやいや!ダメでしょう!?それ!」
「んー。だけど今んとこ男遊びしてる娘はいないしなぁ。皆自分のやりたいことに夢中だし」
「いや、確かにそうですけど」
「まぁ、程々に遊ぶ分にはいいんじゃないか?男だって普通に遊ぶわけだから。……うちの子は男も遊ばない子ばっかだけど」
「はぁ。左様で」
「うん」
「まだまだ先の話ですけど、お嫁にいくときはどうされてましたか?」
「ん?嫁か?毎回普通に喜んでるぞ」
「えっ!?嫌じゃないんですか?俺は想像するだけで凹むんですけど」
「それ昔同じ事をアルジャーノも言ってたぞ、ジャン殿」
「あ、そうなんですか」
「うん。いやほら。うちの娘達って世間一般的には少し変わってるだろ?皆剣も銃も弓も使えるし。まぁ多少得手不得手はあるけど。ミーシャなんか俺に身長も職務放棄してる表情筋も似ちゃったから、そこらへんの男よりデカくて愛想がないだろ。そりゃ小さい頃はお嫁になんていってほしくなかったが、ある程度大きくなる頃には正直結婚できるか心配してたからな。伴侶のルート君は結婚するまで10年くらい毎年うちに来てたから、よく知っていたし。まぁ、寂しさよりも安心の方が大きかったな。エーシャもかなり破天荒な性格してるから同様。ナティもな。サーシャは……正直そろそろ結婚してくれないかなー、と思っている。せめて恋人くらいいてもよくないか?」
「サーシャ様はそっち方面全然なんですか?」
「全く気配がないな。神殿に引きこもって古文書の解読やってるか、部屋に引きこもって小説書いてる。ぶっちゃけさ。ほら、フェルナンド様と小さい頃から仲良しだろ?今でも2人だけで遊びに行くこともあるし。フェルナンド様と結婚するかもって思ってたんだけどなー」
「フェルナンドもサーシャ様のことは親友としか思ってない感じですよ」
「そーなんだよなー。クラウディオ分隊長。お前顔が広いだろ?どっかにいい男いないか?」
「えー。サーシャ様ってどんなのが好みなんですか?」
「知らん」
「……いや、それが分からないと紹介もできませんよ」
「だよなー……はぁ……まぁ、なんだ。子供なんてあっという間に大きくなるもんだ。皆独立した各々違う人間なんだから、親だからって思い通りにしていいわけじゃない。静かに見守ってやって、困っている時だけ手助けしてやったり、話を聞いてやるくらいでいいんじゃないか?」
「……そうですね」
流石に何人も育て上げてるだけあって中々に含蓄がある言葉である。
ジャンとクラウディオはリチャード殿にお礼を言うと、マーサ様の家から自宅へと帰った。
帰り道にクラウディオと歩きながら話す。
「リチャード殿は器の大きな御仁だな」
「まあな。部下達にも領民にも慕われてるよ」
「だろうな」
「しっかし、トリッシュの反抗期はいつ終わるんだろうな。……終わる頃には大人になってるんじゃないか?」
「そうだな。まぁ、それも成長と思えば喜ばしいが……正直寂しい」
「本当にな。ついこないだ産まれたばっかなのに」
「子供の成長って早いな」
「あぁ。まぁ、お嫁に行くのはまだまだ先だろうけど。本人は高等学校には行かずに飛竜乗りになるって言ってるし」
「そうだな。……飛竜乗りになるのはいいが、心配なんだよなぁ」
「ん?トリッシュは飛竜に乗るセンスがあるってこないだ言ってただろ?」
「まぁ、そうなんだけど。確かにこのまま頑張ればいい飛竜乗りになれるんだよ。でも旅をさせるのはなぁ……」
「あー……まぁ、確かに心配だな」
「とはいえ、ダメと言っても聞かないだろうし」
「結構頑固だからな」
「下手に反対して家を飛び出されるよりも、暫くは俺が一緒に飛んだ方がいいかもしれない」
「そうだな。せめて旅暮らしに慣れるくらいまではな」
「……フェリについていけるのが少し延びるけど、それしかないかな」
「フェリも納得してくれるどころか、多分ジャンにトリッシュと飛んでくれって言う筈だよ」
「だろうな」
「ま、まだ中学校卒業まで2年ちょいあるんだ。それまでに色々心構えしとかなきゃな」
「そうだな」
話していると家が見えてきた。ジャンに気づいたモルガが竜舎から顔を出して、可愛らしく鳴いた。竜舎に寄ってモルガを撫でてから、夕食の準備を始める。
サンガレアの冬の始まり頃の日のことであった。
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