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第一章 何処へ?
16.主上の手紙
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伊靖君と義光君は大慌ての女房さん達に追い出されて、几帳は片付けられ御簾が裾の方だけ巻き上げられて留められた。
話を聞いたお殿様もバタバタとやってきて「失礼の無いように!くれぐれも。伊都子姫、頼み申し上げますぞ!」と御簾の外から懇願している。
お殿様…お仕事は?
なんで家にいるのよ?
あたしは不思議に思いながらも「はい」と頷いた。
お殿様は呆気に取られてあたしのいる方を見て「あ、うん。宜しくどうぞ」とヘンな感じになっていた。
あたしはお化粧を直され、髪を梳かれ、十二単のあちらこちらを引っ張られたりして整えられて、座布団の上に座り直した。
御帳台の外にはお殿様、その後ろに何故か伊靖君と義光君も緊張の面持ちで座っている。
やがて「近藤宮内卿通庸様のお越しでございます」と呼ばわられながらお使者の方が部屋に入ってきた。
そこにいる皆が、平身低頭でお迎えする。
あたしも見様見真似でお辞儀した。
「面を上げてください」
お使者の方は割と朗らかな感じで、据えられたちょっと嵩の高い座布団に座った。
お殿様に一礼すると、向きを変えてあたしの方を向き深々と頭を下げた。
「伊都子姫君におかれましては、ご病気の平癒を得られた由、誠に恐悦に存じ上げ奉ります。
本日、主上より御手紙を伊都子姫にお届け申し上げるよう拝命致しまして、罷り越しました。
どうぞ、お納め下さい」
立ち上がって手紙の入った箱を捧げ持ち、御帳台の下から差し入れた。
あたしは、式部さんに促されるままにうけとり、お辞儀をする。
「主人はまだ本調子ではございませんので、主人に成り代わりまして御礼申し上げ奉ります。
お手紙、有り難く頂戴いたします」
式部さんが言葉をつづけようとしたとき、お使者の方は「お返事はすぐに、と主上の仰せでございました。お待ち申し上げておりますので、今この場にて頂戴仕りたく存じます」と言った。
えっ!と御帳台の中の空気が変わる。
すぐにって…
「宮内卿殿」
お殿様が慌てたように言っている。
「姫はまだ、主上にご返信を差し上げられるような状態ではございません。
何卒ご容赦を…」
深々と頭を下げる。
「そうおっしゃられましても…私も子供の使いのようなことはできません。
主上はすぐにと仰せでございましたので…」
お使者も困った様子。
「姫様、お開けください」
式部さんは鋭く言った。
あたしは、可愛らしい花のついた小枝が添えられた、美しい蒔絵の箱の蓋を開ける。
良い香りがふわっと立ち上り、薄い桃色の巻き紙の束が入っていた。
取り出して広げてみると、、、、読めるわけないじゃん、な文字の列。
内侍さんが「失礼いたします」と言ってあたしから紙を取り上げて読み込む。
何てなんて?と周りの女房さん達がそわそわと内侍さんの言葉を待っている。
あたしも、不安になりながら内侍さんの言葉を待つ。
返事、書いてくれるんだよね??
話を聞いたお殿様もバタバタとやってきて「失礼の無いように!くれぐれも。伊都子姫、頼み申し上げますぞ!」と御簾の外から懇願している。
お殿様…お仕事は?
なんで家にいるのよ?
あたしは不思議に思いながらも「はい」と頷いた。
お殿様は呆気に取られてあたしのいる方を見て「あ、うん。宜しくどうぞ」とヘンな感じになっていた。
あたしはお化粧を直され、髪を梳かれ、十二単のあちらこちらを引っ張られたりして整えられて、座布団の上に座り直した。
御帳台の外にはお殿様、その後ろに何故か伊靖君と義光君も緊張の面持ちで座っている。
やがて「近藤宮内卿通庸様のお越しでございます」と呼ばわられながらお使者の方が部屋に入ってきた。
そこにいる皆が、平身低頭でお迎えする。
あたしも見様見真似でお辞儀した。
「面を上げてください」
お使者の方は割と朗らかな感じで、据えられたちょっと嵩の高い座布団に座った。
お殿様に一礼すると、向きを変えてあたしの方を向き深々と頭を下げた。
「伊都子姫君におかれましては、ご病気の平癒を得られた由、誠に恐悦に存じ上げ奉ります。
本日、主上より御手紙を伊都子姫にお届け申し上げるよう拝命致しまして、罷り越しました。
どうぞ、お納め下さい」
立ち上がって手紙の入った箱を捧げ持ち、御帳台の下から差し入れた。
あたしは、式部さんに促されるままにうけとり、お辞儀をする。
「主人はまだ本調子ではございませんので、主人に成り代わりまして御礼申し上げ奉ります。
お手紙、有り難く頂戴いたします」
式部さんが言葉をつづけようとしたとき、お使者の方は「お返事はすぐに、と主上の仰せでございました。お待ち申し上げておりますので、今この場にて頂戴仕りたく存じます」と言った。
えっ!と御帳台の中の空気が変わる。
すぐにって…
「宮内卿殿」
お殿様が慌てたように言っている。
「姫はまだ、主上にご返信を差し上げられるような状態ではございません。
何卒ご容赦を…」
深々と頭を下げる。
「そうおっしゃられましても…私も子供の使いのようなことはできません。
主上はすぐにと仰せでございましたので…」
お使者も困った様子。
「姫様、お開けください」
式部さんは鋭く言った。
あたしは、可愛らしい花のついた小枝が添えられた、美しい蒔絵の箱の蓋を開ける。
良い香りがふわっと立ち上り、薄い桃色の巻き紙の束が入っていた。
取り出して広げてみると、、、、読めるわけないじゃん、な文字の列。
内侍さんが「失礼いたします」と言ってあたしから紙を取り上げて読み込む。
何てなんて?と周りの女房さん達がそわそわと内侍さんの言葉を待っている。
あたしも、不安になりながら内侍さんの言葉を待つ。
返事、書いてくれるんだよね??
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