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第六章 運命の歯車
11.夕食
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式部さんが来て「お食事のご用意を致しますが…あの…」と困惑したようにあたしを見る。
あたしは内心、ため息をつき「三人分用意してくれる?」と言った。
権中納言様は嬉しそうに
「夕食までご一緒できるとは非常に嬉しいですね。
月子姫考案のお料理などあるのですか?」
と笑いかける。
整った顔立ちが美しく微笑む、その姿に見惚れてしまって、元信様が「姫?」とあたしの顔を覗き込んで、はっとして目を逸らす。
うう…観賞用としては最高なんだけどなあ…
でも三人で囲む食卓は、意外と楽しいものだった。
元信様と権中納言様はお酒を飲みながら、宮中での話を面白く聞かせてくれ、あたしや女房さん達は大笑いした。
ふたりとも殿上人と言われるだけあって、話題も話し方も洗練されていて、あたしはなんだか遠い世界の人達のように感じられた。
あたしみたいなガサツな女の、どこが良いと思ってくれているんだろう…
珍しい生き物を見るような感じなんだろうか。
だとしたら悲しいなぁ。
食べ終わるころ、あたしは思いついて二人に訊いてみた。
「そうだわ、次回かその次くらいに幾望会でやろうと思っていることがあるのですが、ご相談したいことがありますの。
東宮様とふたりで、だいぶん考えたのですが、まだ足りなくて」
「何でしょう?」
元信様と権中納言様はあたしを振り向いて微笑みかける。
あたしはちょっと照れて下を向いた。
あたしの話すことにすぐに興味を持ってくれる、そのことだけでもとても嬉しい。
「女性の力も借りた方が良いかしら…
縫姫が承知してくだされば、ここへお呼びして宜しいですか?」
「もちろんです」
と権中納言様は言ってくれる。
元信様は照れくさそうに笑った。
「先日のことがあってちょっと気恥しいですが…宜しいですよ」
内侍さんが、ぱっと立って呼びに行ってくれる。
内侍さんは縫姫と親交があるみたいだな。
侍女さんが以前に言ってた。
「二の姫の新しい女房は決まったのか?」
と元信様が式部さんに訊いている。
「さようでございますね…
何人かに絞られたようですが、皆さん甲乙つけがたい立派なお家のご出身で教養なども豊かなようで、お殿様もお困りのようですわ」
式部さんは考えるように首を傾げて答えていた。
そう言えばこの間、元信様がそんなこと言ってたな…
草紙がなんちゃらとか…そうだ、あれなんだったんだろう。
「縫姫様、お越しあそばしました」
と内侍さんが言いながら、縫姫を案内してきた。
早かったなあ…あたしは驚いて、立って行って縫姫を迎える。
「お邪魔いたします…」とはにかみながら、縫姫が入ってきた。
あら、お化粧変えたかな?
顔色が明るく、可愛らしくなってる。
単衣の袿も華やかな色味で、とても似合ってる。
「縫姫、とてもよくお似合いね。お可愛らしいわ」
とあたしが手を取って言うと、縫姫は嬉しそうに
「ありがとうございます、伊都子姫様」と微笑む。
食餌が片付けられ、簡単なお菓子と水菓子が置かれる。
あたしと元信様が並んで座り、権中納言様と縫姫が隣り合って座る。
縫姫の頬が上気しているのを見て、あたしはあっと思った。
そうか…縫姫は、権中納言様を…
あたしは内心、ため息をつき「三人分用意してくれる?」と言った。
権中納言様は嬉しそうに
「夕食までご一緒できるとは非常に嬉しいですね。
月子姫考案のお料理などあるのですか?」
と笑いかける。
整った顔立ちが美しく微笑む、その姿に見惚れてしまって、元信様が「姫?」とあたしの顔を覗き込んで、はっとして目を逸らす。
うう…観賞用としては最高なんだけどなあ…
でも三人で囲む食卓は、意外と楽しいものだった。
元信様と権中納言様はお酒を飲みながら、宮中での話を面白く聞かせてくれ、あたしや女房さん達は大笑いした。
ふたりとも殿上人と言われるだけあって、話題も話し方も洗練されていて、あたしはなんだか遠い世界の人達のように感じられた。
あたしみたいなガサツな女の、どこが良いと思ってくれているんだろう…
珍しい生き物を見るような感じなんだろうか。
だとしたら悲しいなぁ。
食べ終わるころ、あたしは思いついて二人に訊いてみた。
「そうだわ、次回かその次くらいに幾望会でやろうと思っていることがあるのですが、ご相談したいことがありますの。
東宮様とふたりで、だいぶん考えたのですが、まだ足りなくて」
「何でしょう?」
元信様と権中納言様はあたしを振り向いて微笑みかける。
あたしはちょっと照れて下を向いた。
あたしの話すことにすぐに興味を持ってくれる、そのことだけでもとても嬉しい。
「女性の力も借りた方が良いかしら…
縫姫が承知してくだされば、ここへお呼びして宜しいですか?」
「もちろんです」
と権中納言様は言ってくれる。
元信様は照れくさそうに笑った。
「先日のことがあってちょっと気恥しいですが…宜しいですよ」
内侍さんが、ぱっと立って呼びに行ってくれる。
内侍さんは縫姫と親交があるみたいだな。
侍女さんが以前に言ってた。
「二の姫の新しい女房は決まったのか?」
と元信様が式部さんに訊いている。
「さようでございますね…
何人かに絞られたようですが、皆さん甲乙つけがたい立派なお家のご出身で教養なども豊かなようで、お殿様もお困りのようですわ」
式部さんは考えるように首を傾げて答えていた。
そう言えばこの間、元信様がそんなこと言ってたな…
草紙がなんちゃらとか…そうだ、あれなんだったんだろう。
「縫姫様、お越しあそばしました」
と内侍さんが言いながら、縫姫を案内してきた。
早かったなあ…あたしは驚いて、立って行って縫姫を迎える。
「お邪魔いたします…」とはにかみながら、縫姫が入ってきた。
あら、お化粧変えたかな?
顔色が明るく、可愛らしくなってる。
単衣の袿も華やかな色味で、とても似合ってる。
「縫姫、とてもよくお似合いね。お可愛らしいわ」
とあたしが手を取って言うと、縫姫は嬉しそうに
「ありがとうございます、伊都子姫様」と微笑む。
食餌が片付けられ、簡単なお菓子と水菓子が置かれる。
あたしと元信様が並んで座り、権中納言様と縫姫が隣り合って座る。
縫姫の頬が上気しているのを見て、あたしはあっと思った。
そうか…縫姫は、権中納言様を…
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