三日夜の餅はハイティーと共に

Dry_Socket

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第八章 暗雲

5.右近衛大将様

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 「ま、私としても、お役目にかこつけてこうやって貴女と近しくお話できるのだから、まんざらでもないわけですけどね。
 主上に対する、嫉妬の感情は置いといても」
 右近衛大将様はあたしの方へ移動し近づくと、肩を抱いてあたしを仰向かせ、顔を上から覗き込む。

 「この私が、女誑しの異名をとるこの右近衛大将が、一人の女人を想って夜も眠れないなどということがあって良いのでしょうかね。
 まるで初恋みたような、権中納言と変わりゃしない」

 「しかもその女人は、まるっきり恋愛ド素人の、私から見れば赤子のように初心うぶな処女だ。
 こんなふうにしても、まるで棒のように反応しない女人のどこが良いのか。
 私も大概、焼きが回ったものだと自己嫌悪の日々ですよ」

 ねえそれ、自分を卑下するようであたしをディスってるよね。
 おもいっきし。

 はいはい、そーですよ、どーせあたしは恋愛ど素人ですよ。
 あなたのお相手なんて、務まりたくもないですよ。

 あたしが身体を離そうとすると、右近衛大将様は腕に力を入れて抱き寄せあたしの顎に指を添えて口づける。
 優しく撫でるような、それでいて甘く官能的な唇の触れ方に、あたしはつい、目を瞑ってしまう。
 右近衛大将様は次第に深く口づけて、上手に舌を入れてくる。

 キスに気を取られているうちに、いつの間にか重ねた袿を肩まではだけられ、唇を離した右近衛大将様はあたしの首筋に舌を這わせる。
 同時に小袖の紐も解いて、合わせ目から手を差し入れて乳房に触れ優しくいらう。
 
 あたしの息があがり声が漏れる。
 これ、あたしの声?!
 ちょ…っと、やだっ!

 あたしは全身の力を籠めて、右近衛大将様から身体を離した。
 このまま身を任せてしまいたい衝動に抗うのに、凄い意志の力を必要とした。

 「姫…」
 呆然としたように右近衛大将様はあたしを見ている。
 「帰って!」
 あたしは袿をかき集めて身にまとうと、御帳台に駆け込んだ。

 「姫…怒ってしまわれましたか…すみません。
 今日は帰りますが…また来ます」

 御帳台の外で右近衛大将様の声が言い、衣擦れの音がして従者を呼ぶ声がした。
 やがてガラガラと牛車の音が遠ざかる。
 
 あたしは自分の身体を抱きしめたまま、愕然としていた。
 自分の反応が信じられない。

 元信様!
 助けて…
 あたしは全身の力を籠めて、右近衛大将様から身体を離した。
 このまま身を任せてしまいたい衝動に抗うのに、凄い意志の力を必要とした。

 「姫…」
 呆然としたように右近衛大将様はあたしを見ている。
 「帰って!」
 あたしは袿をかき集めて身にまとうと、御帳台に駆け込んだ。

 「姫…怒ってしまわれましたか…すみません。
 今日は帰りますが…また来ます」

 御帳台の外で右近衛大将様の声が言い、衣擦れの音がして従者を呼ぶ声がした。
 やがてガラガラと牛車の音が遠ざかる。
 
 あたしは自分の身体を抱きしめたまま、愕然としていた。
 自分の反応が信じられない。

 元信様!
 助けて…




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