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第十一章 露顕と三日夜の餅
4.サプライズ!
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あたしたちのいる前には、横向きで向かい合わせになって縦に二列、主上を始め東宮、関白、『月子姫を救う会』のメンバーが豪華なお膳を前に座っていて、皆「おおーっ!」と手を叩き、やんやの喝采。
その奥にはお殿様、北の方様、伊靖君、二の姫。
それからその向かいに、元信様のお兄様と…元信様によく似た中年の男女。
あ、きっと元信様のご両親だ!
なにこれなにこれ…
あたしはパニクって、頭が真っ白になる。
これって、あれ?!
主上が立ち上がり、良く響く声で話し出す。
「今朝から薫物合わせに宮中までいらっしゃってくださってありがとう、月子姫。
そして、見事薫物合わせでの独り勝ちの優勝、めでたい。
皆も大儀であった」
皆は一斉に頭を下げる。
「今年の春に、伊都子姫の入内の話が無くなって、当時の左近衛中将が伊都子姫を申し受けたいと余に言ってきた。
余は、まさかあの伊都子姫がそんな話を承知するまい、と高を括ってそれを承諾した」
「ところが、まさかの事態が起こって…
余は驚き慌て、あの手この手で二人の結婚を妨害してきた。
余は、伊都子姫…もとい、月子姫をなんとか取り戻そうとした」
「気が付いてみれば、いつの間にやら東宮、権中納言、右近衛大将、民部大輔(当時)などが月子姫をめぐって、熾烈な争いを繰り広げている。
余はもう何というか、焦燥感で毎日眠れなかった
東宮に譲位して何もかも捨ててでも月子姫を手に入れたいと思いつめた」
主上はあたしを見て苦笑する。
ふふふ、と小さな笑い声が公達の中から漏れる。
「だが東宮の出家騒ぎがあって、月子姫が果敢に自らの命の危険まで冒して山の中の寺に、止めに駆け付けてくれた。
その死に近い床で、ずっと左近衛中将の名を呼び続けていたと聞いて、余は、無理に引き離してよいものかと考えた」
「東宮にも『自分も諦めるから、兄上も月子姫の本当の幸せを一番に考えてくれ』と懇願された。
東宮は自らの疑惑が晴れた日、月子姫の目の前で二の姫に求婚したと」
あっ…あれ、そういう意味だったのか…
っていうか主上、二の姫もここにいるんだから、そういう言い方は…やめてくれないかな。
「そこで、だ」
咳払いして、口調をがらっと変える。
「余は失恋の傷を癒すため、月子姫に失恋組の面々と共に、治部卿と月子姫に内緒で二人の露顕を三日夜の餅よりも先に、披露してやろうと考えた。
前代未聞の大逆転劇に、太政大臣家の者も皆、楽しんで協力してくれた」
こ、い、つ、ら…
あたしは歯噛みする。
あたしたちを、何だと思ってんのよっ!
今までさんざん邪魔しといて、三日夜の餅すっ飛ばしていきなり露顕だと~?
しかも、信じられないほどの大がかりな披露宴!!
見世物じゃねーんだよ!
あたしがカチカチと歯を鳴らしているのを見て、元信様は慌てて「どうどう、姫、落ち着いて」とあたしの腕をつかむ。
どうどうって、馬じゃない!
「はっは、月子姫、どうどう」
主上も笑いながら言った。
だから馬じゃねーって!
その奥にはお殿様、北の方様、伊靖君、二の姫。
それからその向かいに、元信様のお兄様と…元信様によく似た中年の男女。
あ、きっと元信様のご両親だ!
なにこれなにこれ…
あたしはパニクって、頭が真っ白になる。
これって、あれ?!
主上が立ち上がり、良く響く声で話し出す。
「今朝から薫物合わせに宮中までいらっしゃってくださってありがとう、月子姫。
そして、見事薫物合わせでの独り勝ちの優勝、めでたい。
皆も大儀であった」
皆は一斉に頭を下げる。
「今年の春に、伊都子姫の入内の話が無くなって、当時の左近衛中将が伊都子姫を申し受けたいと余に言ってきた。
余は、まさかあの伊都子姫がそんな話を承知するまい、と高を括ってそれを承諾した」
「ところが、まさかの事態が起こって…
余は驚き慌て、あの手この手で二人の結婚を妨害してきた。
余は、伊都子姫…もとい、月子姫をなんとか取り戻そうとした」
「気が付いてみれば、いつの間にやら東宮、権中納言、右近衛大将、民部大輔(当時)などが月子姫をめぐって、熾烈な争いを繰り広げている。
余はもう何というか、焦燥感で毎日眠れなかった
東宮に譲位して何もかも捨ててでも月子姫を手に入れたいと思いつめた」
主上はあたしを見て苦笑する。
ふふふ、と小さな笑い声が公達の中から漏れる。
「だが東宮の出家騒ぎがあって、月子姫が果敢に自らの命の危険まで冒して山の中の寺に、止めに駆け付けてくれた。
その死に近い床で、ずっと左近衛中将の名を呼び続けていたと聞いて、余は、無理に引き離してよいものかと考えた」
「東宮にも『自分も諦めるから、兄上も月子姫の本当の幸せを一番に考えてくれ』と懇願された。
東宮は自らの疑惑が晴れた日、月子姫の目の前で二の姫に求婚したと」
あっ…あれ、そういう意味だったのか…
っていうか主上、二の姫もここにいるんだから、そういう言い方は…やめてくれないかな。
「そこで、だ」
咳払いして、口調をがらっと変える。
「余は失恋の傷を癒すため、月子姫に失恋組の面々と共に、治部卿と月子姫に内緒で二人の露顕を三日夜の餅よりも先に、披露してやろうと考えた。
前代未聞の大逆転劇に、太政大臣家の者も皆、楽しんで協力してくれた」
こ、い、つ、ら…
あたしは歯噛みする。
あたしたちを、何だと思ってんのよっ!
今までさんざん邪魔しといて、三日夜の餅すっ飛ばしていきなり露顕だと~?
しかも、信じられないほどの大がかりな披露宴!!
見世物じゃねーんだよ!
あたしがカチカチと歯を鳴らしているのを見て、元信様は慌てて「どうどう、姫、落ち着いて」とあたしの腕をつかむ。
どうどうって、馬じゃない!
「はっは、月子姫、どうどう」
主上も笑いながら言った。
だから馬じゃねーって!
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