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第十一章 露顕と三日夜の餅
8.What’s Your Name?
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小袖姿になり、寒いので上から綿入れのようなものを羽織らされる。
あ、これ結構あったかい。
「では、姫様。
わたくしどもはこれで下がります。
何かございましたらお呼びくださいまし」
式部さんと内侍さんがニッコリ笑って一礼し、局に下がっていった。
「姫、宜しいですか」
御帳台の外から元信様の声がする。
あ、はい、と返事をすると、御簾を上げて入ってきた。
小袖姿の元信様を初めて見て、あたしの緊張は一気に高まった。
「そんなに緊張しないで…って私もか」
一人ツッコミしながらあたしの隣に座る。
「寒いですね、近くにいらっしゃい」
あたしを抱きあげて膝に乗せた。
あたしは羽織っていた綿入れを脱いで、元信様の肩にもかけて二人で包まる。
「ありがとう、暖かいです」
元信様は微笑んで、あたしの頤に手をかけ、上向かせて唇にキスした。
「東宮殿下のお陰で、思ってもみなかった一番理想的な形で、貴女と一緒になることができた。
感謝してもしきれません。
私が殿下のお立場だったら…貴女の気持ちを慮って身を引けたかどうか…」
あたしを抱きしめる。
いつもと違って薄い小袖を通して元信様の体温と筋肉質な身体を感じ、あたしはまた赤面する。
「でも…体のいい別宅扱いと言うか…
遊び場所を太政大臣家から、宮殿に近いここに移しただけって感じも」
あたしが元信様の肩に頭をつけて言うと「それは仕方ないです」と苦笑する。
「貴女が治部卿を好きだとおっしゃったから、治部卿に皆の月子姫を預けただけ。
殿下がはっきりおっしゃって居られた、その通りなのだと思いますよ。
私は貴女の夫になれるのなら、何でもいいです、どんな条件も喜んでのみます」
М気質丸出し発言。
すごいなあ…あたしは嬉しいとかより素朴に感心する。
こんなに好きになってもらっちゃって、この先大丈夫かなあ。
「だけど元信様、常に皆の監視があるようで他の女人のところに行けなくなっちゃいますわね」
言いかけるあたしの唇を強引に唇で塞ぐ。
長いキスをして、あたしの瞳を見つめる。
「最初から申し上げている通り、私は貴女以外の人を妻にはしませんし、もちろん関係を持つこともない。
それは信じていただきたい」
ぎゅっと抱きしめて言う。
「姫、今日ほど貴女の夫になれることを嬉しいと思った日はない。
美しかった…。
貴女が乾杯のときに嬉し涙を零してくださったこと、私は一生、忘れません」
「本当の、名前を教えてくれますか」
耳元で囁く。
あたしは涙でかすれそうになる声を励まし、思い切って言った。
「かおり」
元信様は身体を離して、あたしを見て微笑む。
「かおり…素敵なお名前ですね。
貴女にふさわしい。
どのような字を書くのですか」
「お香の香に、機織りの織るという字です」
「香織…では、二人だけの時には香織とお呼びしますね」
にこっと笑ってあたしの涙を拭いた。
「香織」
「はい」
あたしが微笑んで返事をすると、嬉しそうに「香織」とまた囁いて抱きしめる。
肩から綿入れを外して、深く口づけた。
「香織…香織、愛してる…」
何度もあたしの名を囁いて、褥に横たえた。
そして、あたしたちは夫婦になった。
あ、これ結構あったかい。
「では、姫様。
わたくしどもはこれで下がります。
何かございましたらお呼びくださいまし」
式部さんと内侍さんがニッコリ笑って一礼し、局に下がっていった。
「姫、宜しいですか」
御帳台の外から元信様の声がする。
あ、はい、と返事をすると、御簾を上げて入ってきた。
小袖姿の元信様を初めて見て、あたしの緊張は一気に高まった。
「そんなに緊張しないで…って私もか」
一人ツッコミしながらあたしの隣に座る。
「寒いですね、近くにいらっしゃい」
あたしを抱きあげて膝に乗せた。
あたしは羽織っていた綿入れを脱いで、元信様の肩にもかけて二人で包まる。
「ありがとう、暖かいです」
元信様は微笑んで、あたしの頤に手をかけ、上向かせて唇にキスした。
「東宮殿下のお陰で、思ってもみなかった一番理想的な形で、貴女と一緒になることができた。
感謝してもしきれません。
私が殿下のお立場だったら…貴女の気持ちを慮って身を引けたかどうか…」
あたしを抱きしめる。
いつもと違って薄い小袖を通して元信様の体温と筋肉質な身体を感じ、あたしはまた赤面する。
「でも…体のいい別宅扱いと言うか…
遊び場所を太政大臣家から、宮殿に近いここに移しただけって感じも」
あたしが元信様の肩に頭をつけて言うと「それは仕方ないです」と苦笑する。
「貴女が治部卿を好きだとおっしゃったから、治部卿に皆の月子姫を預けただけ。
殿下がはっきりおっしゃって居られた、その通りなのだと思いますよ。
私は貴女の夫になれるのなら、何でもいいです、どんな条件も喜んでのみます」
М気質丸出し発言。
すごいなあ…あたしは嬉しいとかより素朴に感心する。
こんなに好きになってもらっちゃって、この先大丈夫かなあ。
「だけど元信様、常に皆の監視があるようで他の女人のところに行けなくなっちゃいますわね」
言いかけるあたしの唇を強引に唇で塞ぐ。
長いキスをして、あたしの瞳を見つめる。
「最初から申し上げている通り、私は貴女以外の人を妻にはしませんし、もちろん関係を持つこともない。
それは信じていただきたい」
ぎゅっと抱きしめて言う。
「姫、今日ほど貴女の夫になれることを嬉しいと思った日はない。
美しかった…。
貴女が乾杯のときに嬉し涙を零してくださったこと、私は一生、忘れません」
「本当の、名前を教えてくれますか」
耳元で囁く。
あたしは涙でかすれそうになる声を励まし、思い切って言った。
「かおり」
元信様は身体を離して、あたしを見て微笑む。
「かおり…素敵なお名前ですね。
貴女にふさわしい。
どのような字を書くのですか」
「お香の香に、機織りの織るという字です」
「香織…では、二人だけの時には香織とお呼びしますね」
にこっと笑ってあたしの涙を拭いた。
「香織」
「はい」
あたしが微笑んで返事をすると、嬉しそうに「香織」とまた囁いて抱きしめる。
肩から綿入れを外して、深く口づけた。
「香織…香織、愛してる…」
何度もあたしの名を囁いて、褥に横たえた。
そして、あたしたちは夫婦になった。
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