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第110話 報告

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メデルとセーレンと共に魔法研究院に向かい、魔法研究院の担当者達を呼び出す
「王宮薬師から分布の詳しい資料でも要求されましたか?」
担当者達が嫌そうな顔で聞く
「イールスの恐ろしさを思い知りました。まさか、王太子殿下の前で王宮薬師達の不正を問い質して、バウルトリア師が取り調べを始めさせるとは」
メデルが苦笑いして説明をしている
「イールスに感謝しなさい、この研究と管理に対して、王宮薬師が横槍は入れられないわ! 愉快ですわ」
セーレンが愉快そうに笑っている
「研究は続けられるのですか?」
担当者が驚きながらメデルを見ている
「イールスの次第ですね、ビーレルバウム男爵家に向かう時はイールスに相談しなさい」
メデルがイールスを見ながら言うと、担当者達がイールスを見ている
「王宮薬師様に文句を言わせられなく出来ました。メデル様とバウルトリア様のお陰です。 研究は季節毎に向かいますか? シリカローレン様に護衛の手配をお願いしておきます…定期商隊が運用されれば、遠回りですが王都から商隊に同行も可能になると思います…商隊の予算ですから費用も節約できます」
イールスが構想を説明している

「いくつかの村や町を回れるなら、嬉しく思います。各地で薬草などを探せます」
担当者達が嬉しそうに言う
「商隊? 何を考えているのですか?」
メデルが驚いている
「レズムード伯爵領とビーレルバウム男爵領とレセールバウス子爵家を結ぶ商隊です。レズムード伯爵領と王都も結ぶつもりです」
イールスが笑顔で説明をしていると、担当者達が考えながら頷いている
「商人の真似事を…資金は…イールスが出資するのですか?」
メデルが考えながらイールスを見ている
「増えすぎて資金が余ってます。全部使いたいと思ってます」
「イールスの商隊…定期的なら薬草も運んで来て貰えるなら…各家の利益が上がります…」
メデルが考えながら、セーレンを見ている
「魔法や剣だけでなく、経済もしっかり考えているのですね…商隊護衛や監視役も必要でしょう」
セーレンが考えながらイールスを見ている
「今回ビーレルバウム男爵家で元騎士や兵士から選抜して貰います。 騎士や家臣もしっかりしてますので、信用も出来ます。監査はシリカローレン様とロイホール様がしてくれます」
イールスが笑顔で説明していると、メデルとセーレンが顔を見合わせている
(先に決めてきたのですか? シリカローレルさんは完全にイールスの家臣ですか? 領地運営丸投げしてくるのですか?)

イールスとセーレンが屋敷に戻ると、リビングでヘルクドールとアーセリオドールとメサリアが待っている
「ヘルクドール様、アーセリオドール様、メサリア様、帰りが遅くなり申し訳ありません」
イールスが丁寧に挨拶をしていると、セーレンが呆れ気味に見ている
「報告に向かったのか? 問題は?」
ヘルクドールがセーレンを見てからイールスを見ている
「問題は有りません、王宮薬師からの横槍ももうしてこないと思います」
イールスが笑顔で説明すると、ヘルクドールとアーセリオドールが頷いている

「王宮薬師の影響が無いなら良い事だな…領地運営に問題が無ければ良いだろう…セーレン様何か追加が有るのですか?」
ヘルクドールが少し考えてから、セーレンの顔色伺い見ている
「イールスは恐ろしいですね…王太子殿下の前で王宮薬師の不正を見抜き、今頃大騒ぎになってますわ…バウルトリア師もこれ幸いと責めてます…王太子殿下から魔法研究院とビーレルバウム男爵家とイールスで研究と管理をするように、国王陛下に許可を取ると下知を取ってます」
セーレンが呆れ気味に説明をしている
「王太子殿下から下知を…イールスだから何かすると思っていたが…今後の方針は?」
アーセリオドールが頭を抱えている
「商隊運用から始めます。 レズムード伯爵領と王都も繋ぎ、 薬草も商隊に運ばせて、護衛も兵士の同行も可能になりますから、情報収集も可能になります」
「イールス、すぐに手配をするが…商会も作った方が良いだろう…アーセリオドール良いな」
ヘルクドールが考えながらアーセリオドールを見ている
「すぐに…人材確保も必要だな」
アーセリオドールが考えている
「シリカローレン様が帰ってきたら、護衛役兼監視役を選びます」
イールスが説明をしていると、ヘルクドールとアーセリオドールが頭を抱えている
「イールスですのーーーー完全に1人で準備してますのーーーセーレン様も仲間ですの」
メサリアが笑顔で叫んでいる
「メサリア様、イールスの恐ろしさを実感しましたわ…今回の事で何家取り潰されるか…調査されれば、改革になりそうですが…不正の温床を潰してます…この子はどれだけ重要な事をあの短時間でやったのか…商隊の監視よりも、イールスの監視をしないと、大変な事をしそうです…誰か監視役をつけないと…は? 家庭教師と言う監視役でしたわ………」
セーレンが頭を抱えている
「イールスですのーーーーセーレン様も悩ませてますわ!! 凄いですのーーーーー」
メサリアが大声で叫び、愉快そうに笑っている
「セーレン様、イールスの家庭教師頼みます」
ヘルクドールが苦笑いしてセーレンを見ている
「はぁ………イールスは優秀過ぎて、ため息をしたくなる…ビヨールは才能の無さにため息しか出ない」
アーセリオドールが頭を抱えている
「レズムード伯爵家でしっかり監視してください!! この子に自由に動かれたら、後が大変です!! アーセリオドール何とかしなさい!! 才能を開花させても報告と監視は重要です!! 王太子殿下も片腕になって欲しいなんて、何を考えている!! 後が大変なのを解っているのですか!! 誰かイールスに自重と言う概念を教えなさいーーーーーあ! 家庭教師でしたわ………はぁ………セロス早くイールスの助手になりなさい…」
セーレンが叫んでいると、ヘルクドールとアーセリオドールが顔を見合わせている
(キレたが…落ち込んだのか? イールスに付き合うのは疲れるだろう…今後どうしたら? 王宮薬師の情報も収集した方が良いな…後始末か?)
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