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第1章 アラーテ立志編
第6話:コヤ
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「チュートリアルを見た限り、パーティーを組んだ方がええんやろ? よっしゃパーティーを組もう、と思て色々な人に声をかけてんけど、全部断られてもた! 今めっちゃ困っとんねんで!」
見知らぬ少女は陽気な口調でそう言った。
少女の身長は150センチほどで、私より10センチくらい低い。
顔の輪郭は少し丸っぽくて、大きな黒い瞳はくりくりしていてなんともかわいらしい。
髪の色は真っ黒で、髪型は……多分、ウルフヘアっていう髪型だと思う。
一言で表現すると、めちゃくちゃかわいいロリっ娘といったところかな。
あ、そう言えば胸は……ぺったんこだ。って、胸を観察してる場合じゃないって!
何だこの子!? 何その喋り方!? 大阪弁!?
「えっと、はじめまして。リストっていいます。重戦士です。こちらはアラーテ。治療者です」
リストは微かに戸惑いを見せながらも、簡潔に自己紹介を済ませた。
「はじめまして、アラーテです」
「リストにアラーテ! ええ名前やなぁ! 名前と見た目からしてええ人オーラが漂ぉとんで! なあ、頼むで! ウチとパーティーを組んでもらえへんかな! ずっと1人でいるのは寂しいねんで!」
少女、あ、さっきコヤって言ってたっけ、コヤは元気よくそう言ってぐいぐい距離を詰めてくる。
うおおおおやばいやばい!
初対面でもぐいぐいくるタイプの人だこの子!
「僕たちも、パーティーを組んでくれる人を探しているところなんですよ」
リストは冷静に言葉を返す。コヤにぐいぐい距離を詰められても全く動じていないようだ。
さすがリスト! クール! イケメン! 大好き!
「ほんまか!? ほならちょうどええやん! 今すぐウチとパーティーを……」
「ちょっと待ってください。今のレベルとジョブを教えてもらえませんか?」
俄にテンションが上がるコヤをリストは手で制した。
「何で教えんならんの?」
「誰とパーティーを組むかはとても重要なんですよ。本当にこの人とパーティーを組んでいいのか、色々な情報を元に精査する必要があるんです」
「なるほどな、ほな教えるわ! えーっと、ウィンドウを開くにはどないするんやっけ、あ、こうしたらええのか」
コヤは辿々しい指の動きで空間をなぞる。
……この子、大丈夫か?
「あ、これか。えーっと、レベルは1やな。ジョブは聖騎士やな! 何やろう聖騎士って! かっこええ名前やんなぁ!」
聖騎士。
私は思わず息を呑んだ。
MSOの世界で、当たりジョブとされているジョブの1つ。
聖騎士は……パーティーに欲しい! だって聖騎士強いんだもん! 聖騎士のスキル攻撃は超強力って聞くし!
……あ、でも、あと2人は遠距離アタッカーとヒーラーが欲しいってさっき自分で言ってたや。
聖騎士はゴリゴリの近距離アタッカー……パーティーには加えられない……ううう、残念……。
「教えてくれてありがとうございます。聖騎士、とてもいいですね。もしよければ僕たちとパーティーを組んでもらえませんか?」
え!?
「ちょ、ちょっとリスト……!」
話が違うじゃん! 遠距離アタッカーが欲しいんじゃないの!?
そう言おうとしたが、リストは唇に人差し指を当てて見せた。
なにそのジェスチャー!? 黙ってろってこと!?
もう、そういう1つ1つの仕草もかっこよくて好き!
「ほんまか!? ほんまにウチとパーティーを組んでくれるん!?」
「勿論です」
「やった~!!!!!」
コヤは喜びを露わにした。ぴょんぴょんとその場で飛び跳ねている。
あ、なんかめっちゃかわいい。
「おおきに! ほんまにおおきに! 2人は命の恩人やで! 感謝感激や!」
「ただし条件があります。このパーティーでは取り敢えず僕がリーダーを務めようと思っています。なので、基本的に僕の指示に従ってもらうことになりますが、大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫! いやーよかったわ! 世の中捨てたもんとちゃうなぁ!」
コヤはその場で小躍りを始めてしまった。
……かわいいけど、ちょっと変な子かも。
「って、リスト! これはどういうことなの?」
私は小さな声でリストに耳打ちした。
「何が?」
リストも小さな声で返す。コヤは私たちのひそひそ話に気付いていないようだ。
「何がじゃないよ! あと2人は遠距離アタッカーとヒーラーが欲しいって言ってたじゃん! 聖騎士はゴリゴリの近距離のアタッカーじゃん! 話が違うじゃん!」
「ここでコヤとパーティーを組んで、あと1人、賢者のジョブを授かったプレイヤーとパーティーを組めば万事解決だと思わない? 聖騎士のプレイヤーを逃すのは勿体ないよ。それに、悪い人じゃなさそうだし」
リストはにやっと笑みを浮かべて言った。
理屈は……分かる。賢者は遠距離アタッカーとヒーラーの両立が出来る稀有なジョブだ。先程話し合ったパーティー編成の条件は満たせる。
11拳、重戦士、聖騎士、賢者。たしかにバランスはいい。
そして目の前のコヤは……どう見ても悪い人ではない。
いや、理屈は分かるけどさぁ!!
「あと1人、賢者のプレイヤーと都合よくパーティーを組めるとは限らないじゃん! どうせ賢者はもう他のパーティーに取られてるよ! 当たりジョブなんだから!」
「そうかな? 今のMSO内には沢山プレイヤーがいる。まだ売れ残ってる賢者はいそうだけど」
「楽観的すぎるって! とにかく……」
「さっきから何を話しとんの?」
コヤの声が聞こえ、私は慌ててコヤに視線を戻した。
謎の小躍りは終わったようで、コヤは僅かに首を傾げて私たちを見つめている。
そ、その仕草、首を傾げる感じ、なんかかわいい! あざとかわいい!
「何でもないです。改めて、これからよろしくお願いします」
リストは言い、右手を差し出して握手を求めた。コヤは嬉々として握手に応じる。
あ、私もか。次いで私もコヤと握手をした。コヤの手は小さくて温かかった。
「コヤ、と呼んでもいいですか?」
「勿論ええよ! 好きに呼んだってや! あ、敬語は堅苦しいからやめてほしいで!」
「分かりま……ごほん、分かったよ、コヤ。じゃ僕とアラーテはコヤと呼ぶから、コヤは気軽にリスト、アラーテって呼んでね」
「分かったわ!」
コヤは満面の笑みを浮かべて言った。
その後、リストは素早くウィンドウを操作し、コヤとパーティーを組む手続きを済ませた。
これからはこの子と一緒に戦うのか……大丈夫なのかな……?
「大丈夫だよアラーテ。きっと上手くいく。僕の直感がそう告げてるんだ」
私の不安を見透かしたのか、リストはそう言って笑みを浮かべた。
「直感ねえ……」
「まあ、僕を信じてよ。コヤ、早速なんだけど出かけてもいいかな? まずはショップで防具を買って、次はレベル上げをしようと思ってるんだけど」
「ウチはどこにでもついていくで! レベル上げ、楽しそうやん! ええやん! 行こか!」
「アラーテは今から出発しても大丈夫?」
「う、うん、大丈夫だけど」
「よし、じゃあ出発しよう」
◆
「だ、だから! まずは剣を突いて、その後薙ぎ払って……」
「さっきからアラーテの言う通りにやっとるやん! 難しすぎんで! ウチにはMSOは無理! 何でこないに動きが難しいんや!」
ショップで買い物を済ませた後、街からほど近い草原のフィールドに移動してレベル上げを開始した矢先のこと。
一応ということで、私とリストがコヤに基本の動きの手解きをしたのだが上手くいかず、コヤは怒りを露わにして剣を投げ捨ててしまったのだ。
や、やばいやばいやばい!!!
コヤ、バキバキのMSO初心者なんですけど!!!
見知らぬ少女は陽気な口調でそう言った。
少女の身長は150センチほどで、私より10センチくらい低い。
顔の輪郭は少し丸っぽくて、大きな黒い瞳はくりくりしていてなんともかわいらしい。
髪の色は真っ黒で、髪型は……多分、ウルフヘアっていう髪型だと思う。
一言で表現すると、めちゃくちゃかわいいロリっ娘といったところかな。
あ、そう言えば胸は……ぺったんこだ。って、胸を観察してる場合じゃないって!
何だこの子!? 何その喋り方!? 大阪弁!?
「えっと、はじめまして。リストっていいます。重戦士です。こちらはアラーテ。治療者です」
リストは微かに戸惑いを見せながらも、簡潔に自己紹介を済ませた。
「はじめまして、アラーテです」
「リストにアラーテ! ええ名前やなぁ! 名前と見た目からしてええ人オーラが漂ぉとんで! なあ、頼むで! ウチとパーティーを組んでもらえへんかな! ずっと1人でいるのは寂しいねんで!」
少女、あ、さっきコヤって言ってたっけ、コヤは元気よくそう言ってぐいぐい距離を詰めてくる。
うおおおおやばいやばい!
初対面でもぐいぐいくるタイプの人だこの子!
「僕たちも、パーティーを組んでくれる人を探しているところなんですよ」
リストは冷静に言葉を返す。コヤにぐいぐい距離を詰められても全く動じていないようだ。
さすがリスト! クール! イケメン! 大好き!
「ほんまか!? ほならちょうどええやん! 今すぐウチとパーティーを……」
「ちょっと待ってください。今のレベルとジョブを教えてもらえませんか?」
俄にテンションが上がるコヤをリストは手で制した。
「何で教えんならんの?」
「誰とパーティーを組むかはとても重要なんですよ。本当にこの人とパーティーを組んでいいのか、色々な情報を元に精査する必要があるんです」
「なるほどな、ほな教えるわ! えーっと、ウィンドウを開くにはどないするんやっけ、あ、こうしたらええのか」
コヤは辿々しい指の動きで空間をなぞる。
……この子、大丈夫か?
「あ、これか。えーっと、レベルは1やな。ジョブは聖騎士やな! 何やろう聖騎士って! かっこええ名前やんなぁ!」
聖騎士。
私は思わず息を呑んだ。
MSOの世界で、当たりジョブとされているジョブの1つ。
聖騎士は……パーティーに欲しい! だって聖騎士強いんだもん! 聖騎士のスキル攻撃は超強力って聞くし!
……あ、でも、あと2人は遠距離アタッカーとヒーラーが欲しいってさっき自分で言ってたや。
聖騎士はゴリゴリの近距離アタッカー……パーティーには加えられない……ううう、残念……。
「教えてくれてありがとうございます。聖騎士、とてもいいですね。もしよければ僕たちとパーティーを組んでもらえませんか?」
え!?
「ちょ、ちょっとリスト……!」
話が違うじゃん! 遠距離アタッカーが欲しいんじゃないの!?
そう言おうとしたが、リストは唇に人差し指を当てて見せた。
なにそのジェスチャー!? 黙ってろってこと!?
もう、そういう1つ1つの仕草もかっこよくて好き!
「ほんまか!? ほんまにウチとパーティーを組んでくれるん!?」
「勿論です」
「やった~!!!!!」
コヤは喜びを露わにした。ぴょんぴょんとその場で飛び跳ねている。
あ、なんかめっちゃかわいい。
「おおきに! ほんまにおおきに! 2人は命の恩人やで! 感謝感激や!」
「ただし条件があります。このパーティーでは取り敢えず僕がリーダーを務めようと思っています。なので、基本的に僕の指示に従ってもらうことになりますが、大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫! いやーよかったわ! 世の中捨てたもんとちゃうなぁ!」
コヤはその場で小躍りを始めてしまった。
……かわいいけど、ちょっと変な子かも。
「って、リスト! これはどういうことなの?」
私は小さな声でリストに耳打ちした。
「何が?」
リストも小さな声で返す。コヤは私たちのひそひそ話に気付いていないようだ。
「何がじゃないよ! あと2人は遠距離アタッカーとヒーラーが欲しいって言ってたじゃん! 聖騎士はゴリゴリの近距離のアタッカーじゃん! 話が違うじゃん!」
「ここでコヤとパーティーを組んで、あと1人、賢者のジョブを授かったプレイヤーとパーティーを組めば万事解決だと思わない? 聖騎士のプレイヤーを逃すのは勿体ないよ。それに、悪い人じゃなさそうだし」
リストはにやっと笑みを浮かべて言った。
理屈は……分かる。賢者は遠距離アタッカーとヒーラーの両立が出来る稀有なジョブだ。先程話し合ったパーティー編成の条件は満たせる。
11拳、重戦士、聖騎士、賢者。たしかにバランスはいい。
そして目の前のコヤは……どう見ても悪い人ではない。
いや、理屈は分かるけどさぁ!!
「あと1人、賢者のプレイヤーと都合よくパーティーを組めるとは限らないじゃん! どうせ賢者はもう他のパーティーに取られてるよ! 当たりジョブなんだから!」
「そうかな? 今のMSO内には沢山プレイヤーがいる。まだ売れ残ってる賢者はいそうだけど」
「楽観的すぎるって! とにかく……」
「さっきから何を話しとんの?」
コヤの声が聞こえ、私は慌ててコヤに視線を戻した。
謎の小躍りは終わったようで、コヤは僅かに首を傾げて私たちを見つめている。
そ、その仕草、首を傾げる感じ、なんかかわいい! あざとかわいい!
「何でもないです。改めて、これからよろしくお願いします」
リストは言い、右手を差し出して握手を求めた。コヤは嬉々として握手に応じる。
あ、私もか。次いで私もコヤと握手をした。コヤの手は小さくて温かかった。
「コヤ、と呼んでもいいですか?」
「勿論ええよ! 好きに呼んだってや! あ、敬語は堅苦しいからやめてほしいで!」
「分かりま……ごほん、分かったよ、コヤ。じゃ僕とアラーテはコヤと呼ぶから、コヤは気軽にリスト、アラーテって呼んでね」
「分かったわ!」
コヤは満面の笑みを浮かべて言った。
その後、リストは素早くウィンドウを操作し、コヤとパーティーを組む手続きを済ませた。
これからはこの子と一緒に戦うのか……大丈夫なのかな……?
「大丈夫だよアラーテ。きっと上手くいく。僕の直感がそう告げてるんだ」
私の不安を見透かしたのか、リストはそう言って笑みを浮かべた。
「直感ねえ……」
「まあ、僕を信じてよ。コヤ、早速なんだけど出かけてもいいかな? まずはショップで防具を買って、次はレベル上げをしようと思ってるんだけど」
「ウチはどこにでもついていくで! レベル上げ、楽しそうやん! ええやん! 行こか!」
「アラーテは今から出発しても大丈夫?」
「う、うん、大丈夫だけど」
「よし、じゃあ出発しよう」
◆
「だ、だから! まずは剣を突いて、その後薙ぎ払って……」
「さっきからアラーテの言う通りにやっとるやん! 難しすぎんで! ウチにはMSOは無理! 何でこないに動きが難しいんや!」
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一応ということで、私とリストがコヤに基本の動きの手解きをしたのだが上手くいかず、コヤは怒りを露わにして剣を投げ捨ててしまったのだ。
や、やばいやばいやばい!!!
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