エロゲ世界に転生したが、俺は平凡な青春を過ごしたい。

蜜りんご

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3部:3年生

第16話

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その日は委員会で残って、本の整理を準備室で同じ委員の山下さんとしていた。

「田中くん…和樹。あたしと付き合いなさい」

まるで、初めて委員の仕事をした時みたいだと思った。けど、そのときとは全く違う。山下さんは顔赤くなってるし、俺のことだって名前呼びになってる。

「西野すみれのことが好きなことくらいは知ってる…知ってる上であんたに、和樹に告白してるの」

「山下さんには悪いけど、山下さんの思いには応えられない。ごめんなさい」

すみれちゃんが好きなことくらい、山下さんにはバレてる覚悟だったからそこのダメージはない。そんな時だった。地震が起こって積み上がっている本が倒れてきたのは。

「きゃぁっ」

とりあえず、本から山下さんを守ろうと思い山下さんに覆い被さり抱きしめるような形になってしまった。俺からしたら恋愛感情の無い抱擁だったけど、山下さんはこの好機を逃さなかった。

「私の動画みたことあるんでしょ。この学校で露出してみたりしてるの。ねぇ図書準備室でスるなんてとっても興奮しない?」

「え、しな」

い、と言おうと思ったらキスをされる。口を開けてたから山下さんの舌が俺の口の中に入ってくるのは簡単なことだった。くちゅくちゅと音をたてながらキスをし、唾液が溢れる。溢れた唾液を山下さんは嬉しそうに飲み込む。あれ、俺なんで山下さんとディープキスなんかしてんだ。

なかなかどうして、山下さんからの拘束を抜け出せない。男なのに女の子に力で負けるなんて…恋する乙女はどうのこうのとかよく言うけどこういうことか!まぁ頭に本が数冊当たってふらふらしてるからしょうがないのかもしれない。

「ねぇ和樹。このままシよ?ね、いいでしょ?」
山下さんは俺の股間に、足をすりつけてセックスしたいと言ってきた。だけどさすがにできない。ていうかここ学校だし、誰かに見られたらどうするんだ。

「できないよ、山下さんをそうゆう風に見れない」

「あれだけあたしのことおかしくさせて、動画もあげるくらい体は和樹のこと欲してるのに、なんでそれくれないの!?ねぇ!!どうして!?」

泣きながら訴えられて、胸を拳で叩かれる。たしかに、山下さんの体はおかしくしたかもしれない。けどやっぱり、俺はすみれちゃん一筋なんだ。

「なんでって言われても…俺には心に決めた人がいるからできないよ。本片付けて帰ろう?」

「あはは…ここまで振られるなんて思ってなかったわ。ねぇ…最後にお願いがあるの。精子、和樹の精子ちょうだい…中出ししてっ!」

は!?中出し!?無理に決まってる。良い加減離して欲しくて語気を強めて、山下さんに抵抗する。

「無理だって言ってるだろ!離してくれ!」

「…はぁ。あたしの想いには応えてもくれないのね。これでただのクラスメイトに戻れるわ。せいぜい振られて泣きながら惨めにひとりでする私の動画でも見て、抜いてなさいよね」

そう言って泣きながらトイレがある方向に向かって行った山下さんを見つめながら、これでエロゲキャラによる侵攻が終わった、と思うと同時に本当に動画撮るのかって思ってしまった。
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