マッチングアプリ〜今日から俺は女子達と真っ直ぐに向き合う(多分)〜

おみくじ

文字の大きさ
3 / 7

マッチングゥ! 1人目

しおりを挟む
 自分の部屋で高校の制服に着替えた後、2階の部屋から出て階段を降りた。リビングに行くと、

「おはようっ、しゅん」
「……、うぃ……」

 お母さんのいつもの挨拶に、俺は短く返事をしてテーブルの席に着いた。

 テーブルの上には朝ごはんが用意されいて、普段の朝の光景が広がっている。

 俺は少しため息をついた。

 はあ~……、これで変なアプリ、『マッチングゥ!』 に悩んでいなけりゃ、いつも通りの平和な日になるんだけどな……。どうやったら消えんだ、あのアプリ……。スマホショップで店員に消去してもらうしかないのか……? 
いやいや! それは無しだ!! 店員にこんな恥ずかしすぎるアプリは見せれねぇ……、はぁ~……。

「どうしたのよ、しゅん」
「えっ?」

 テーブルの対面に、お母さんがいつのまにか座っていて、気になる顔つきで話しかけてきた。

「今日はいつもと違うわねっ」
「はっ!? そ、そんなことないし」
「そんなことあるわよ」

 どんなことだよ。

 お母さんは俺の顔を見て、察したように言う。

「珍しく早起き。珍しく素直に着替えて降りてくる、それから……、珍しく、悩んでる? ってとこかしら。しゅんにも悩むことがあるのね?」

 う、うっとうしい。全部に『珍しく』って付けんなよ。あと何? 悩むこと無さそう? そんなわけあるか、俺にだって悩みごとくらいある。顔や態度に出さないだけで……、でも今回は……『マッチングゥ!』、ほんとどうしよ……。

「お母さんに相談しても良いのよ?」
「そ、そんなことできねぇし!!」
「あら? ほんとに悩みごとがあるのね」
「うぐっ!」

 は、はめられた!! 

 お母さんが少し心配気な顔をした。まずい、否定して無理にでも押し通そう。

「悩みなんてない! ほんと無いから!! あ~、もうそんな話は終わりでッ。俺、朝飯食うから」

 そう言い放って俺は箸をとる。「しゅん」と言う呼びかけを無視して、おかずに目を向けた。おっ、ハンバーグがあるっ。それに卵焼きも。

 この2つは俺の好きな食べ物だ。朝飯に置いてあるってことは、今日持っていくお弁当にも入ってるってとこだろ。

 ちょっと良いことがあって、少しだがテンションが上がる。
 
「んんっ」

 口の中に小ぶりのハンバーグをほうりこむ。うん、うまいっ。

「まったく……」

 お母さんは諦めたようにつぶやくと、キッチンへ。蛇口から水音が響き、洗い物を始めた。

 うし、これで良しと。

 お母さんの後ろ姿をぼんやり眺めながら、もう一口、ハンバーグを食べたときだった。

 ピコン!

 んんっ??

 俺のスマホから着信音がした。友達から? いや、ぼっちの俺には無いから。じゃあ、チャットアプリ『ら~いん』になんかクーポンのお知らせきたか。でも、非通知設定してたはずだけど。

 口をもぐもぐさせながら、制服のポケットからスマホを取り出した。画面を見て、思わず目が見開いた。

『マッチングゥ! からメッセージ』


 なっ!? えっ!? な、なな、なんだとぉぉぉぉ!?!?

 ごくりと、おかずを飲み込む。

 えっ、まじで……。これ、どうしたら良いの? ヤバいやつ? ヤバいやつか……!? 

 架空請求、という文字が頭に浮かぶ。

 ど、どうしよ……。み、見なきゃ良いんだよ、そ、そうだよ! 開かなければなんてことは、

「しゅん~、おかずまだ食べる?」
「はふぅわぁ!?!?」

 ポチ。

 だあああああああ!!!! お、押しちまったじゃねぇかあああああああああ!!!!

 最悪なタイミングで不意に声をかけられて、俺の指が誤ってメッセージを開くという大事故。

 お、俺のせいじゃ無いから!! か、架空請求が来ても、こ、これはお、お母さんのせいだ!!


『マッチングゥしました!』

 はあ!? 何が!?

『マッチングゥのお相手
名前=青木貴子《あおきたかこ》
性別=女性
年齢=45歳
身分=専業主婦
年収=0円
身長=155.2センチ
体型=普通
恋愛経験=2人
彼氏の有無=無(既婚)』

「なんでだよっ!?」

 お、おかしいだろ!! お、俺の、

「一体どうしたのよっ?」
「いいっ!?」

 キッチンでの洗い物をすませたのか、布巾で手を拭いながら、こっちのテーブルに歩いてくる、俺の、俺のまさかのマッチングゥの、1人目のお相手、

「しゅん?」

 怪訝な顔つきで小首をかしげる青木貴子こと、俺のお母さんがやって来た!!!!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友達の妹が、入浴してる。

つきのはい
恋愛
 「交換してみない?」  冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。  それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。  鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。  冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。  そんなラブコメディです。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

女子ばっかりの中で孤軍奮闘のユウトくん

菊宮える
恋愛
高校生ユウトが始めたバイト、そこは女子ばかりの一見ハーレム?な店だったが、その中身は男子の思い描くモノとはぜ~んぜん違っていた?? その違いは読んで頂ければ、だんだん判ってきちゃうかもですよ~(*^-^*)

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。

桜庭かなめ
恋愛
 高校2年生の白石洋平のクラスには、藤原千弦という女子生徒がいる。千弦は美人でスタイルが良く、凛々しく落ち着いた雰囲気もあるため「王子様」と言われて人気が高い。千弦とは教室で挨拶したり、バイト先で接客したりする程度の関わりだった。  とある日の放課後。バイトから帰る洋平は、駅前で男2人にナンパされている千弦を見つける。普段は落ち着いている千弦が脚を震わせていることに気付き、洋平は千弦をナンパから助けた。そのときに洋平に見せた笑顔は普段みんなに見せる美しいものではなく、とても可愛らしいものだった。  ナンパから助けたことをきっかけに、洋平は千弦との関わりが増えていく。  お礼にと放課後にアイスを食べたり、昼休みに一緒にお昼ご飯を食べたり、お互いの家に遊びに行ったり。クラスメイトの王子様系女子との温かくて甘い青春ラブコメディ!  ※特別編3が完結しました!(2025.12.18)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、いいね、感想などお待ちしております。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

処理中です...