俺たちの共同学園生活

雪風 セツナ

文字の大きさ
158 / 162
1学期編 ~期末試験~

第47話

しおりを挟む
 蒼雪が自室で復習をしている間、正悟は舞依を待ちつつ自分1人でも教科書を読み、時折わからないところがあれば千春か舞依に質問をして勉強をしていた。

「ふぅ…、これで私たちの方も教科書は一通り読むことができたわ。」
「…長かった。」
「お疲れさん。悪いな、ちょくちょく俺が質問をするからそのたびに中断させちまっただろ?」
「私たちの勉強にもなったから問題ないわ。蒼雪君は一人で自室に上がっていってしまったけれど、何か言っていたかしら?」
「いや、特に言ってなかったと思うぜ? 多分たまには1人で勉強したいときもあるだろうし、そんな感じだと思うぜ?」
「それならいいのだけれど…。」


 千春は正悟を残して自室に戻ってしまった蒼雪に対して何かあって1人で自室に戻ってしまったのではないかと考えていたのだ。正悟は勉強をしている間も特に迷惑そうにするわけでもなければ質問したことにも答えてもらえていたので、蒼雪に不満や嫌な感情があるわけではないと思っていたので、そのことを千春に告げた。


「…私もそろそろ帰るね。」
「もう? まだ時間はあると思うけれど。」
「…家でやっている方が他の問題も見れる。長居をしては千春の邪魔になる。」
「そんなことはないのだけれど、わかったわ。」
「舞依が帰るならじゃあ俺も帰るよ。それを待っていたんだしな。」


 正悟と舞依はそう言って荷物をまとめだした。

「蒼にもよろしく言っといてくれ。」
「わかったわ。気を付けて。」
「…ありがとう。また明日。」

 舞依と正悟を千春は見送ると、まだ時間もあったの1人でリビングに教材を広げて試験勉強を続けた。



 蒼雪は夕飯を作る時間になると1階に降りていった。

(ある程度の問題に対して復習をした。自分の作成した問題についても見直しをしたし、あとは寝る前にポイントを確認するだけだな。)


 リビングに入ると、テーブルに教科書とノートを広げた千春がいた。

「あら、降りてきたのね。」
「ああ。そろそろ夕飯を作ろうと思ってな。」
「もうそんな時間かしら?」

 千春は蒼雪にそう言われたので時計を確認していた。

「私も手伝うわ。」
「いや、今日は俺1人でも大丈夫だ。最近は千春に任せっきりなことが多かったしここらで俺にも任せてくれ。千春はまだ勉強をしていたんだろう? そっちを優先してくれて構わない。」

 千春は蒼雪にそう言われたので少しの間考えこみ、

「…わかったわ。今日のところはあなたの言葉に甘えさせてもらうわ。」

 蒼雪の提案を受け入れることにした。


 蒼雪はそれから冷蔵庫の中身を見て夕飯づくりを始めた。蒼雪が作り始めて数10分が経った頃には結局千春が夕飯づくりを手伝いに来た。

 蒼雪に任せることができないというわけではなく単純に区切りがつき、これから始めると中途半端なところから始めることになるということを嫌ったからだ。また、そうなってくるとやることがなくなるので2人で作った方が早く夕飯も作れるということで手伝いに来たのだ。
 
 
  2人で夕飯を作り終えると、ゆっくりとそれらを食べていた。夕飯の間の話題はこの日の試験の問題についてだった。


「やっぱり世界史の問題は私たちの作成した問題だったようね。」
「ああ。千春も自分が作成した問題が含まれていたうえに、俺と話した内容が試験に出ていたからわかっただろう?」
「ええ。おかげで答えがすぐ分かったわ。けれどこれは最初にクラス内で解かせた問題と違っていたし他の人に話さない方がいいともってさっきも舞依たちの前で明言しなかったわ。」
「それについては感謝しかないな。試験後ならいいかもしれないが、今回みたいな試験だとやはり問題作成者が有利だからな。問題について教えろと言われかねなし、何よりも問題が変わりすぎていて誤魔化しきれないからな。」
「あなたがあそこまで問題を変えてしまったからね。選択肢には面影は見えるから気づく人は気づくわよ?」
「それについてはその時考えよう。何も言ってこなければ何も起こらないわけだからな。」


 蒼雪は何か言われても変更の可能性はあると問題にも書いてあるのでそれを言えばいいと思っているがそれで納得しない人はどうしようもないと思考を放棄していた。


 夕飯後の片付けも2人で行うとそれぞれの自室に戻り翌日の試験に向けて最終調整をした。




――――――7月26日(金) 試験2日目


 蒼雪と千春は前日と同じように過ごして、正悟と舞依と一緒に学園に向かった。

 教室に入ると試験2日目だけれども試験問題の作成者の傾向は掴み切れないので、どのような聞かれ方をされても答えられるようにと勉強をしている生徒が多かった。

 各クラスの特徴が試験に現れていると言ってもそれでもわからないことが多すぎたのだ。蒼雪の予想でも世界史については自分が作成したものであるから置いとくとしても、日本史と国語の問題を作成したクラスがどちらなのか判断がついていなかった。ちなみに、英語については4組だろうと予測はできていた。

 日本史と国語の試験がどちらなのか判断できない理由は代表者のせいだった。蒼雪は代表者2人と会っているからそう思っているが、他の人たちは日本史の簡単さが5組で、国語の聞き方の嫌らしさが2組だと考えていた。

 2組の代表者が2組に似つかわしくない丁寧な対応をする生徒だったので、彼女がこのような問題を作るのだろうか? と考えていたのだ。どちらのクラスであっても大きな差はないのだが、その差がいつか大きな差になってしまうのではないかと警戒をして試験問題作成クラスについても考察をしている。

(2組は何かを画策している…。そのことを踏まえると試験問題にも何かメッセージが込められている可能性も考慮しないといけない…。)

 蒼雪は正悟からの忠告も耳に残っており、2組の動向についても考えていた。


「おはよう。期末試験2日目だ。今日も昨日に引き続き頑張ってくれ。」


 月宮先生は朝のホームルームを手早く済ませると、さっさと教室を出て行ってしまった。蒼雪も試験前なので最終確認をするかと思ったが、焦って今から確認をしても意味はないと思い机の上の用意を済ませると廊下に移動をした。


 廊下にすでに先生が来ていたことには驚きだったが、他のクラスからはまだ代表者は来ていなかった。

 代表者がそろったのは試験開始10分前だった。


「代表者がそろったから昨日に引き続いてこの封筒からどれがいいか選んでくれ。」

 先生にそう言われて、3,1,4,2,5、組の順に封筒を選んで受け取っていった。


 蒼雪は教室に戻り封筒を試験監督の先生に預けると、先生によって解答用紙と問題用紙が配られた。


(今回も見覚えはないか。やはり自分のクラスのものを引く確率は低いか。)


 蒼雪はそんなことを考えながら試験開始の合図を待った。


「それでは試験を始めてください。」

 先生の合図により問題用紙をひっくり返し、内容を確認し始めた。

(この傾向は昨日の英語と同じか。)

 生物の試験問題は丁寧な文章で書かれており、細かい知識を多少問うところがあっても基本的なことを問うことを重視している試験問題だった。

 蒼雪は自身の作成した問題に類似した問題もあったのでスムーズに解けたところが多くあった。また、細かい知識であっても後日確かめてみると過去に大学入試で問われたことがあるところを選んでいるようで、教科書の隅の方から出しているわけでもなかった。

(こういう問題を見ると基本に忠実とはこういうものを言うと感じるな。)

 蒼雪はそんなことを考えながらも順調に問題を解いていき試験時間内に問題を一通り解答することができた。


「試験を終了してください。」

 試験終了の合図とともにシャープペンを置く音が聞こえ、ため息や脱力した声が聞こえてきた。

 試験問題を回収している間に聞こえた意見は難しくはないけど間でもない試験という評価で普通の試験ならばこうなるだろうという意見が多かった。できた人はしっかりと勉強をしていた人たちでできなかった人は授業を聞いていなかったり、いい加減な復習や試験勉強をしていた人くらいだろうと感じた。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
現代文学
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

【完結】イケメンが邪魔して本命に告白できません

竹柏凪紗
青春
高校の入学式、芸能コースに通うアイドルでイケメンの如月風磨が普通科で目立たない最上碧衣の教室にやってきた。女子たちがキャーキャー騒ぐなか、風磨は碧衣の肩を抱き寄せ「お前、今日から俺の女な」と宣言する。その真意とウソつきたちによって複雑になっていく2人の結末とは──

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。

たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】 『み、見えるの?』 「見えるかと言われると……ギリ見えない……」 『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』  ◆◆◆  仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。  劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。  ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。  後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。  尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。    また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。  尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……    霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。  3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。  愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー! ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。

四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……? どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、 「私と同棲してください!」 「要求が増えてますよ!」 意味のわからない同棲宣言をされてしまう。 とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。 中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。 無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。

【完結】メインヒロインとの恋愛フラグを全部ブチ壊した俺、サブヒロインと付き合うことにする

エース皇命
青春
《将来ヤンデレになるメインヒロインより、サブヒロインの方が良くね?》  16歳で自分が前世にハマっていた学園ドラマの主人公の人生を送っていることに気付いた風野白狼。しかしそこで、今ちょうどいい感じのメインヒロインが付き合ったらヤンデレであることを思い出す。  告白されて付き合うのは2か月後。  それまでに起こる体育祭イベント、文化祭イベントでの恋愛フラグを全てぶち壊し、3人の脈ありサブヒロインと付き合うために攻略を始めていく。  3人のサブヒロインもまた曲者揃い。  猫系ふわふわガールの火波 猫音子に、ツンデレ義姉の風野 犬織、アニオタボーイッシュガールの空賀 栗涼。  この3人の中から、最終的に誰を選び、付き合うことになるのか。てかそもそも彼女たちを落とせるのか!?  もちろん、メインヒロインも黙ってはいない!  5人の癖強キャラたちが爆走する、イレギュラーなラブコメ、ここに誕生! ※カクヨム、小説家になろうでも連載中!

処理中です...